任天堂Switch調子エルネア王国をもとに書いています。
数あるブログの中から閲覧ありがとうございます。
こちらのブログは
ワールドネバーランドエルネア王国の日々をプレイし、それをもとに書いています。
今回はプレイ日記ではなく創作(妄想)です。
創作話が苦手な方は閲覧お控え下さい。
前回は
暗闇の中に蠢く無数の眸。
その正体は間もなくセシリアとマウロに襲いかかってきた。
セシリアは双剣を振るい、向かってくる魔獣を薙ぎ倒していく。
マウロを見ると、国民とは思えない剣捌きで敵を斬りつけ、敵の攻撃を素早くかわす。次の攻撃体勢に入るまでが早くその身のこなしにセシリアは驚いた。
セシリア
(マウロさん………こんなに強いなら武術職に志願すればいいのに)
戦いながらそんなことを考えていたがすぐに余計なことを考える余裕はなくなった。
数が多すぎて、いくらセシリアが強いといっても武が悪かった。
後ろには無限に広がっているようにみえる暗闇でその先が安全なのかさえ分からない。
セシリア「マウロさん」
マウロ「なんでしょう」
セシリア
「マウロさんはこの先に走って。もしかしたら安全かもしれない」
マウロ「……陛下は?」
セシリア
「私は強いからなんとかなります」
マウロ「うーん」
マウロは戦いながら、乗り気ではないような声を出した。
セシリア「マウロさん」
再び名前を呼ぶ。今度は逃げることを急かしている。
マウロ
「陛下を置いてはいけません」
セシリア
「今は、そんなこと言ってる場合じゃ」
マウロ
「勘違いしないで下さい。陛下が心配とかではなく、逃げた先が安全な保障などどこにもないからです」
セシリアは戦いながら唖然とした。
やはりマウロはマウロなのだと思った。
少しルイスにも似ているような気がした。
マウロ
「2人でいた方が2人とも生存率が上がると思いますよ」
セシリア
「そうかも…」
セシリアの生存率は確かにあがる。
申し訳ないと思いつつ、セシリアは目の前の敵に集中することにした。
倒しても倒しても終わらない戦いのループ。
体感時間で1時間……2時間……
2人に疲労の色が見え始める。
肩で息をつきながら、剣を振るう。
最初の頃の威力よりだいぶ落ちているはずだ。
セシリアはチラリとマウロを横目で見る。
平気そうな顔をしているが汗だくで、時折苦しそうな表情を浮かべている。
セシリア
(消耗戦になったら勝ち目なんかない……どうしよう……)
マウロ「ん?」
マウロが不思議そうにしているのでセシリアもマウロの視線を追って見てみると魔獣が後退していって数を減らしていた。
あっという間に魔獣たちは引いていった。
2人は呆然としてその光景を眺め、お互い顔を見合わせた。
マウロ
「……少し休みましょうか?」
セシリア
「そうしましょう」
先を急ぎたい気持ちもあるが、身体は想像以上に疲弊していた。
次に長丁場の戦闘があれば耐え切れる自信がない。マウロの提案に乗ることにした。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
火が弱い魔獣が多いらしいので木の枝を集め焚き火をする。
火を見ていると不思議と気持ちが落ち着いてきた。
マウロ
「飲みますか?」
スッと差し出されたのはホットチョコレートだった。セシリアは一瞬パッぁと目を輝かせ、そして訝しめにマウロを見た。
マウロ
「ホットチョコレートお好きですよね?」
マウロは自分の分のホットチョコレートを飲みながら受け取らないセシリアを怪訝そうに見る。
セシリア
「はい、好きです……」
おずおずとホットチョコレートの入ったマグカップを受け取る。
マウロ
「毒なんて入れてませんが。毒味しましょうか」
セシリア
「私がホットチョコレートを好きなことをなぜご存知なんですか?」
セシリアとマウロは差し入れしあう関係でもないし、お互いそこまで知らないはず……
マウロは少しバツの悪そうな表情を浮かべた。
マウロ
「セシリア様ほどの人のことなら、皆知っておりますよ」
セシリア
「えー今そういう顔じゃなかった。絶対に嘘です」
セシリアの返しにマウロの視線が彷徨う。観念したようにため息をつくと、
マウロ
「昔ティアゴさんがよくセシリア様に差し入れしていたのでお好きなのかなと思っただけです」
セシリア「あぁ、なるほど」
懐かしい話だった。
セシリアは子供の頃に魔銃師会のトップであるティアゴの弱みを握っていた。それを遠回しに(?)ティアゴに言うとティアゴはセシリアの好物を聞き、それからしょっちゅう持ってきてくれるようになった。
それがホットチョコレートの差し入れだった。
マウロ
「しかしガッカリしました」
セシリア
「何のことですか」
マウロ
「ティアゴさんです。リンゴ様だけではなくセシリア様にしょっちゅう差し入れして媚びるだなんて。」
セシリア
「それは誤解です。お義父さんは、私に弱味を握られて、それで私がホットチョコレートを要求していました」
何も知らない人にはそんな風に思われていたなんてセシリアは想像もしていなかった。
マウロ
「はぁ……?ラウル王家はどこまで性悪なんですか」
マウロはまるで汚物をみるような目でセシリアを見ていた。
セシリア「……」
(まさかホットチョコレートでそんな誤解に性悪と思われるなんて……)
セシリアは亡き義父の名誉を回復したが自身の好感度とラウル王家の信用を更に落とした。
セシリア
「……マウロさん以外でそういうことを私に強く思っている人はいませんか?」
あの話をしていても好感度はドン底に落ちるだけだと判断したセシリアは、別の話を振った。
マウロ
「さぁ……。今回のことが罠だったとしたら、誰がやったんだ、って話ですか?こんな面倒なことなかなかやろうとなんて……」
セシリア
「やっぱり自然発生のものでしょうか…」
マウロ
「心当たりはないのですか」
セシリア
「んーーーーーマルティナさんとか。でも違うと思う」
マウロ
「俺もヒルマンは違うと思います。仕事で忙しいし、夫婦仲も良いので、元カレのレドリーなんて眼中にもないだろうし」
マウロとマルティナは同い年。マウロはマルティナのことを少しは知っているようだ。
セシリア
「なんてとはなんですか」
マウロ
「失礼。つい本音が……」
セシリア
「レドリーさんへの悪口だけは慎んで下さい」
マウロ
「あんな奴のどこがいいのかサッパリ分かりません。真面目なことだけが取り柄みたいな奴なのに」
セシリア
「そこが!いいんです!!」
熱く主張するセシリアにマウロは鼻で笑った。
マウロ
「で、セシリア様は誰がやったのか心当たり本当にないのですか?誰か傷つけてしまったり、嫌な思いをさせたりとか……」
セシリア
「そんなことした覚えは……」
脳裏に浮かんだ光景に、セシリアは息を呑んだ。
セシリア
(ーーーまさか)
ドクンと心臓が高鳴った。
マウロ
「思い当たる人がいたようですね」
セシリアの態度から察したようだ。
セシリア
「恨まれても仕方ない……そういう人がいることは確かです。でも、それだけです。」
マウロ
「未遂とはいえ、誰かハッキリすれば処刑案件です。処刑すれば陛下に危害を加える相手はいなくなりますよ」
セシリア「処刑…」
マウロ
「女王陛下暗殺未遂なんて、
処刑以外ありますか?」
至極真っ当な意見をぶつけられ、セシリアは明らかに動揺した。
もしも自分の推理が正しいなら
セシリアにとって大事な人たちが悲しむ人を処刑するということになる。
セシリアは押し黙った。マウロはなにも言わなかった。
ドドドド
何か音がしてセシリアとマウロは音がする方を振り返った。
マウロ
「うーわ……またかよ」
マウロは苦笑いしながら立ち上がった。
ドドドド ドドドド
音はだんだん大きくなってきた。恐らく先ほどの魔獣の群れが再びやってきたのだろう。セシリアも立ち上がり双剣を鞘から抜こうとすると……
マウロ
「セシリア様。逃げましょう」
セシリア「逃げる?」
マウロ
「魔獣たちがやってきた逆方向からは一切魔獣の気配がないようです。一か八かそっちに逃げてみませんか」
セシリア
「うん、そうしましょう」
マウロとセシリアは全速力で駆け出した。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――
あとがき
先日から食欲がなくなり、とうとう風邪をひいてダウンしました。
私の周りでは胃腸炎が流行っているようです。
皆様お身体ご自愛ください