セシリア女王の受難① | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。


数あるブログの中から閲覧ありがとうございます。


こちらのブログは

ワールドネバーランドエルネア王国の日々をプレイし、それをもとに書いています。


今回はプレイ日記ではなく創作(妄想)です。

創作話が苦手な方は閲覧お控え下さい。






登場人物紹介


セシリア・ラウル
エルネア王国女王
4代目プレイヤーキャラクター
普段はおっとりしている。
争いを好まない性格。




登場人物紹介


チェロ・ラウル
3代目PCリンゴの息子でセシリアの弟。
子供時代はかなりやんちゃだったが
近衛騎士隊に入り龍騎士にまでなった。
セシリアとスピカとは今も仲が良い。




登場人物紹介


スピカ・ベルッチ
3代目PCリンゴの娘でセシリアの妹。
王女でありながら山岳長子チレーナと恋仲になり、その恋を諦めて今に至る。
そんなスピカを受け入れてくれるアモスととても仲が良い。




登場人物紹介


アモス・ベルッチ
スピカの同級生で、スピカの夫。
若くして神官になり、多忙な日々を過ごしている。



登場人物紹介


チレーナ・ミラー
山岳兵団兵団長
山岳の家ミラー家隊長
セシリアの妹スピカの幼馴染。
スピカとは恋仲にあったが一緒になれないため破局した。
現在は他の女性と結婚し、家庭を築いている。

*チレーナとスピカはちゃんと付き合っていたとかそーゆーことではないけど分かりにくいため上記のような説明とさせていただきます。




登場人物紹介


マルティナ・ヒルマン
ガルフィン魔銃師会所属。
セシリアの夫レドリーの元カノ。
セシリアとは仲が悪かったがそれは過去の話。
今では普通に会話している。
本人は過去のことはもう気にしていないらしい。
魔銃師会にいるため探索が大変らしい。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――



いつものように、いつもと同じ朝がやってくる。


この日も普段と変わらない朝だった。


家族と朝食を食べたセシリアは、国王の装束を身にまとい外に出る。



チェロ

「おはよう、セシリア」


セシリアの弟であり近衛騎士隊長で龍騎士のチェロはエルネア城内の王家の居室の隣に住んでいる。

出かける時によく顔を合わせる。


セシリア

「おはようチェロ君。」


チェロ

「これ、北の森の瘴気の濃度の測定結果。」


そう言ってチェロはセシリアに紙を差し出す。

定期的に各地やダンジョンの瘴気濃度を測定することになっている。近衛騎士隊は北の森を担当している。


セシリア

「ありがとう」


紙を受け取り詳細に目を通す。


チェロ

「今は安定しているからご心配なく」


セシリア

「引き続きよろしくね」


チェロ「任せて」


チェロは探索のため、エルネア城から外へ向かった。


スピカ

「お姉ちゃんおはよう〜」


妹のスピカもやってきた。隣には神官服に身を纏ったアモスの姿がある。


アモス

「おはようございます陛下」



セシリア「おはよう」


アモス

「報告書をお持ちしました。後で目を通しておいて下さい」


セシリア「いつもありがとう」


アモスが一礼して去っていくとスピカもそれに倣って帰っていく。スピカはアモスにくっついてきたようだ。


入れ替わりで山岳兵団のチレーナがやってきた。


すれ違い様にアモスとチレーナが無言で睨み合っているのをセシリアは見逃さなかった。


セシリア

(あの2人の冷戦はいつまで続くのかな…?)



チレーナからアモスへの視線は睨むというには柔らかく困惑しているような気まずさが滲んでいるようにも感じた。


セシリア(ーー?)



チレーナ

「陛下。山岳兵団からの報告書をお持ちしました」


セシリア

「わざわざありがとう」


受け取り書類を見ようとすると、すぐにまた人がきた。魔銃師会のマルティナだった。


マルティナ

「今日は報告書が多い日なの?魔銃師会からも報告書、あと予算増加の嘆願書です」


予算増加の嘆願書にセシリアは内心恐怖を覚えた。



セシリア

「予算……足りませんか?」


マルティナ

「防衛費として必要らしいの、文句なら導師に言って」


導師ではなくマルティナがきたのはセシリアからの文句を聞かないためか。


セシリア

「検討します……」


マルティナ

「よろしくお願いします〜」


マルティナは人懐っこい笑顔を浮かべ帰っていく。


セシリア

(よりによってマルティナさんをよこすなんて……ガブリエルさん…)


生前のティアゴのような小賢しさがあるとセシリアは思った。


今の魔銃導師はフョードルだが、前魔銃導師であるガブリエルの名前が書類に記されている。


この書類が作られたのは魔銃導師が交代する前。


新体制になってはいるが、ガブリエルがフョードルと二人三脚でこの手の仕事をこなしているようだ。


魔銃師会は戦闘のフォローを行うための重要な薬品を多く製造している。


魔銃師会がいなければ戦闘に勝利できないと言われているほど彼らは戦闘の要だ。


彼らの存在意義が戦闘の功績を見れば明らか。


必要な予算であれば削れば国防に関わる。


セシリア

(ここはケチれないなぁ…)


女王はため息をつきながら歩き出した。



*以前の創作で魔銃師会のフォローで討伐戦を勝利した描写があるためこのような感じになっております。

゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


すれ違う国民と挨拶を交わしながら、セシリアは適当に練り歩く。


特に用もないこの日は瘴気の森にでも行こうかと北の森に向かう。


特別なことではなく、セシリアの日常だった。


瘴気の森に続く道に近づくにてれて、人の姿が見えなくなる。


木々に覆われ少し暗くなった道に入った時、

なにかの気配がした。


目の前に漆黒の空間が現れた。


おどろおどろしく、身の毛がよだつほどの危機感が身体に駆け巡る。


逃げる暇はなくあっという間にその空間に、セシリアは吸い込まれた。


「なっ…んだこれ!」


セシリアの腕を誰かが掴んでいる。


男性の声が聞こえるが、間もなくその声は聞こえなくなった。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


「最悪だ……」


先ほどの声の主は大きなため息をついている。


セシリアたちは、薄暗い森のような場所にいた。


瘴気の森に似ているが明らかに雰囲気が違う。


セシリア

「ここ、どこなんでしょう」


「知りませんよ…」


男性はムスっとして当たりをキョロキョロ見回す。


「エルネア王国ではない全く違う場所なのかもしれません」


セシリア

「どうしてこんなことに」


「陛下は運が悪すぎるんじゃないんですか、昔から」


セシリア

「そういうマウロさんこそ、私のことが嫌いなのに助けようとするからこんな目に遭ってしまって……」


マウロ

「別に助けようとした訳じゃ……次からは陛下になにかあっても知らんフリします」




登場人物紹介



マウロ・モリエンテス
レドリーの同級生。
生前のヴェルンヘル陛下のことをあまりよく思っておらず、それが原因でギオルギーに殴られ騒動になった。
王家入りしたレドリーとは犬猿の仲らしい。
セシリアとの仲もよくはない。
マウロはセシリアを避けているがセシリアは構わずマウロに接触し、嫌がる態度を楽しんでいるとかいないとか。




セシリア

「えー、そんなぁ」


マウロ

「それよりもこれからどうしますか。このままここに居ても状況がよくなるか分かりません。移動するなら早くしないと体力がもちません」


セシリア

「さっきの空間みたいなものはまた出るでしょうか…?」


マウロ

「たまに出ると言われてる亀裂なら可能性はありますが。でも、亀裂とは違うものに俺には見えましたけど」


セシリア

「見たことがあるのですか?」


マウロ

「昔。亀裂から魔人が現れた時、通りかかりました。その時に幼いレドリーを庇った王妃様が怪我をしたのでよく覚えています」


その王妃というのはセシリアの母リンゴのことだ。当時の話は人づてに聞いたことがある。


レドリーの幼少期の出来事はセシリアにとって興味深い話だが今はその話をしている場合ではない。



セシリア

「………亀裂とは違う、となると……?」

昔話を聞きたい気持ちを抑え、真面目な顔をする。



マウロ

「ーーーーーーー人為的なもの、とか」


セシリアの問いにマウロは少し考えてから答えた。


セシリア「まさか」


マウロ

「セシリア様は国王です……国王が命を狙われることは特に珍しい事ではありません」 


このエルネア王国は比較的平和ではあるが

周辺諸国や大国の王族の身辺は穏やかではない。


セシリア「……」


マウロ

「何か心当たりはないのですか。」


セシリア

「マウロさんくらいしかありません」


至極真面目な顔でセシリアはマウロ本人を見つめる。


マウロ

「俺だとしたらまんまと自分のかけた罠にかかってよく分からん状況に陥っていると」


疑いをかけられてもマウロは顔色一つ変えない。


セシリア

「2人きりになったところで暗殺しようと?」


マウロ

「元龍騎士の陛下に俺が太刀打ちできるとでも?」


マウロは現実的ではない、と言いたげに鼻で笑う。

セシリアは女王であり、エルネア王国の護り龍バグウェルを倒した龍騎士でもある。


セシリア

「まあ、ありえませんね」


最初から助けようとしてけれたマウロは除外していた。そもそも本当に人為的なものなのかも定かではない。



マウロ

「とりあえずこの状況をなんとかしないといけないみたいです」


マウロはビーストセイバーを鞘から抜いた。視線の先には魔獣の光る目がいくつも見えてセシリアたちを捉えていた。



セシリア

「マウロさん戦えるんですかー?」


セシリアは少しおどけたような物言いをしながら双剣を抜いて構えた。


マウロ

「セシリア様ほどではないですけどね」


こんな状況だというのに。

セシリアから不安が消し去っていた。


マウロの前で女王がみっともない姿を晒すわけにはいかないという自分への叱咤……そしてマウロが隣にいて共に戦う状況に闘志が沸いてきた。



ーー気を引き締めないと。


無数に光る魔銃の眸。


助けを期待できないこの場所で、セシリアは死を覚悟して双剣を握りしめて駆け出した。