ワタシとキミがオワルマデ② | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。

本編の補足回です。

攻略記事はなくただの妄想回なのでそういうのが苦手な方はここでページを閉じて下さい。



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「おはよう」


朝のヤーノ市場で声をかけられる。

仕事前のチレーナがわざわざ会いにきてくれた。


スピカ「おはよう。これからお仕事?」


チレーナ「うん」


スピカ「お仕事頑張ってね」


チレーナ

「朝からスピカちゃんの顔をみたから1日頑張れるよ。またね」


スピカ「ぇっ」


笑顔でドルム山に戻っていくチレーナ。スピカは照れた顔をなるべく人に見られてないようにと俯きながら、お店の品物を見るのに夢中になっているフリをする。


その様子をチレーナと同じ山岳のグラディスが複雑な表情で見つめていたーー



この頃チレーナは、色んな女の子を紹介されていた。


それでもチレーナはその子たちになびくことなく、朝はスピカの所に顔を出した。


スピカはそれで安心していた




チレーナの気持ちが揺るがないのいうことを。



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こあくまメーカーで作ったスピカです。


「これ、お誕生日プレゼント。気に入ってくれるといいんのだけど…」


夜、例の場所で会った2人。


早速スピカは用意したプレゼントをチレーナに渡した。


ここ数日ずっとキャラバンで悩んで決めた一品。


チレーナ「え、俺に……ありがとう」


プレゼントを受け取りチレーナは嬉しそうにプレゼントを見つめる。


チレーナ「開けていい?」

スピカ「もちろん」


プレゼントしたのは万年筆だった。


本当なら仕事道具や仕事中に使えるものでもいいと思ったのだが

意外に書くことも多くなってくると聞いて、これならいつも持っていてもらえると思ったのだ。


珍しい意匠のもので、持つと手に馴染む。その使い勝手が良さそうなのも気に入ってスピカはこれに決めた。


チレーナ

「ありがとう……大事にするよ」


スピカ

「喜んでくれて良かった」


チレーナ

「……これ、高かったんじゃない?」


スピカ

「どうかな、値段は忘れちゃったけど…これ世界で2点しかないペアなんだよ」


ポケットから、もう一本万年筆を出した。


チレーナに渡したものと同じものだ。


スピカ

「えへへ、お揃いだよ」


照れながら言うと、チレーナが下を向いた。


スピカ「どうしたの?」


チレーナ

「スピカちゃんすごく可愛い」


ため息まじりに放たれた言葉にスピカの心臓がトクンと高鳴った。


スピカ

「な、何言っちゃってるの…」


チレーナ

「毎日使うよ、ありがとう」


愛おしげに見つめてくるの様子にスピカを心底大切に想っているのか伝わってくる。


スピカ

「どういたしまして」



スピカは幸せだった。


罪悪感を抱きながらも、チレーナを大切に思う気持ちは変わらない。



翌日、アモスが訪ねてくる。


デートに誘われ、承諾すると彼は嬉しそうに微笑み帰っていく。


その姿に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。


こんな気持ちで付き合うのは絶対によくない。


ーーアモス君はチレーナ君のことを好きなままでもいいって言ってくれたけど……


「アモス君!」


スピカはアモスを追いかけた。


スピカの声が聞こえアモスが立ち止まり振り返る。


アモス「どうしたの?」


スピカ

「あ、あのね……」


勢いで追いかけたので、なんて切り出せばいいのか分からない。言葉に迷い、視線が揺れる。


アモス「明日何か用があった?」


先ほど取り付けたデートの断りだと思ったらしい。スピカは首を横に振った。


スピカ「違うの……」


アモス「?」


怪訝そうに見つめてくるアモスをスピカは真っ直ぐ見ると意を決して口を開いた。


スピカ

「わ、私……やっぱり中途半端な気持ちでアモス君と付き合うのはよくないって思って」


アモス「………」


スピカの言葉にアモスの表情が硬くなった。


スピカ

「私ね……チレーナ君の事忘れるなんて出来なくてそれで……」


別れてほしい、その台詞はアモスの遮りによって最後まで言うことはできなかった。


アモス

「さっき、チレーナは旅人の女性と一緒だったよ」


放たれた一言にスピカの思考が一瞬止まった。



スピカ「へ…?」


アモス

「朝一に旅人の女性に連れられてどこかに行ってたみたいだけど。チレーナだって、いつまでもフリーな訳じゃないよ」


まるで頭を殴られたような衝撃を受けた。


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「旅人女性に連れられて」の後もチレーナは普通にスピカに会いにきた。


いつもと変わらぬ様子で笑顔をむけてくる。


その笑顔、瞳にはスピカへの情愛が滲んでいる。それが他の女性に向けられ、スピカへの気持ちがなくなり自分の元から去ってしまう、スピカは想像するだけで恐ろしかった。


チレーナ

「イマノル兵団長がさぁ、また魔人を怒らせてドルム山は大変な騒ぎになったんだよ」


スピカ

「えぇ、またイマノルさんがやらかしたの」


チレーナ

「アラルコスさんが魔人に捕まるし、もう散々だったよ……」


魔人に捕まるアラルコスを想像してスピカは笑った。本来なら笑い事ではないだろうが大事になっていないということはきちんと対処されたのだろう。


この幸せな時間がまやかしの幸せであることを

スピカは重々承知していた。




数日後の28日



チレーナが例の女性と付き合いはじめた。






続く