222年 リリー・フォード 後編 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

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エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。





222年12日 

ついにリリーも、最期の日がおとずれる。


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リリーの元には、リリー時代、子供の頃から懐いていてくれたエグモント君の姿が。


彼にカガミイム?を頭に装備させてままだったから

危うく結婚式までその装備で挑ませることになりそうだったことがある。



こうしてお見舞いにきてもらえるって

嬉しいね…

 


アルステーデちゃんからお誕生日おめでとう……


ありがとう……

ちょっと場所が……




グリゼルちゃんもリリーのお見舞いのようだ。


リリアの姿も。





セシリアはしばらくリリーの隣にいた。



少し1人にさせたほうがいいと思い、また退室する。



フリーのカリーナをチレーナと仲人してみるが

結果的にうまくいかなかった。


マリラちゃん一本でいくべきだと後から思ったが後の祭り…。



セシリア

「お父さん」


ぼんやりしながら歩いているヴェルンヘルを見つけ声をかけるとヴェルンヘルはハッとして顔をあげた。



ヴェルンヘル

「あぁ……セシリア」


父の顔には翳りがみえる。


セシリア

「リリー隊長のところへはもう行った?」



ヴェルンヘル

「うん……さっき……」


子供の頃から隣に住んでいたリリーは、ヴェルンヘルにとって居て当たり前の存在だった。この国を支え、ヴェルンヘルを守ってきた騎士隊長の危篤は彼の心に暗い影を落とす。


゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


時は遡って209年



バルナバが龍騎士になって少しして



ようやく、リリーは体調がよくなってきた。

本調子とはいえないものの、元の生活に近い生活を取り戻していた。


リリー

(パワー不足…… 少しずつ筋力を取り戻さないと)


生死を彷徨っている間に体力と筋力を失った。


こんな状態のときに誰かに練習試合でも申し込まれたらどうしようと内心恐れていた。


特にパワーがある山岳兵が相手だと今なら吹っ飛ばされてしまうかもしれない。


そんなある日、道を歩いていると声をかけられる。


バルナバだった。


龍騎士の装束がよく似合っている。



バルナバ「こんにちは」


リリー「こんにちは」


練習試合を申し込まれたどうしようもドギマギする。


バルナバ「これ差し入れ」


バルナバの手にはラゴステーキ。

彼は最近リリーにラゴステーキを差し入れしてくる。


リリー

(私がろくに食事ができずに痩せたことを察して…?)


ウィアラの酒場の前で見張っていたことがある彼はリリーが体調不良で酒場の一室で療養していたことに気付いているのだろうか…


リリー「ありがとう……でもどうして」


練習試合じゃなくてホッとしながら受け取る。



バルナバ

「ラゴステーキ、リリーちゃんの好物でしょ?」



リリー「うん、そうだけど」


これ以上は墓穴を掘るだけかもしれない。この話題は切り上げることにする。


リリー「ありがとう。お昼ご飯に食べるね」



バルナバ「これからダンジョン?」



リリー「そのつもり」



バルナバ「じゃあ、一緒に行かない?」


この流れで行こうという自然な提案だった。リリーは一瞬躊躇った。自分が万全でないことを悟られるかもしれない……



リリー「うん、いいよ」


これはリリーの体調をチェックしようとするバルナバの考えなのかもしれない。そうならば、受けて立つしかない。負けず嫌いなリリーは反射的にそう判断してしまった。



リリー「瘴気の森でもいい?」


バルナバ「構わないよ」


2人は騎士隊が担当する上位ダンジョン瘴気の森へ向かった。



瘴気の森は北の森の最上級ダンジョン。

普段の自分でも苦戦することがあるこのダンジョンで、万全でないリリーは、奥へ進むほど体力の消耗を感じた。


剣を振る動作が重くなる。




リリー

(………疲れた……でも疲れたなんて言えない)


ちらりと横を見てみるとバルナバは顔色一つ変えず歩いている。バルナバの横顔を見ているとリリーに視線を向けたバルナバと目があった。


リリーは見ていたことがバレて内心慌てる。


バルナバ「ん?疲れた?」


まるで人の心が読めるかのように的確に当ててくる。



リリー「まさか」


ふいっと視線を外し、リリーは歩調を速めた。そんなリリーの態度にバルナバはクスリと笑った。



バルナバ

「俺は疲れたから、少し休憩したいな」



リリー

「ーーバルナバが休みたいなら」


疲れたようにみえないけどな、そう思いながら近くの倒木に腰をかけた。



甘いジュースを飲みながら息をつく。


座ってみると、身体がかなり疲れていることを実感した。鉛のように重い。



そんなリリーの様子を横目で見ていたバルナバは静かに口を開いた。



「リリーちゃんが背負うものを、俺も一緒に背負う。だから1人で頑張らないで」



そっとリリーの手の上にバルナバの手が重なる。


「これからは、俺も一緒に戦うよ。」



龍騎士になったからこそ、バルナバだけがかけられる言葉。



リリーは目を見開いた。


きっとこれが、多くを語ることのできないリリーへ多くを聞く事ができないバルナバの精一杯のなのかもしれない。


重ねられる手の温かさにリリーは不覚にも泣きそうになる。


自分は、孤独を感じていたのだと気づかされた。



リリー

「……うん……ありがとう」


ーー新しい龍騎士がバルナバで本当に良かった



2人は手を重ねたまま、しばらくそのままだった。少しでもこの時を過ごしたいかのように。




゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――



リリー

(………そんなこともあったな)


懐かしい。



バルナバが亡くなったのが218年。

龍騎士のティアゴが亡くなったのは翌年219年。


自分が死んでも、リンゴとセシリアがいる。


リリー

「セシリア」


自分よりももっと多くのものをその細い肩で背負うことになるであろう孫に声をかける。


セシリアはさっきから心配そうにリリーの側で佇んでいた。


セシリア「はい」


リリー

「貴方の周りには沢山の人がいるから大丈夫。周りを頼って、1人で抱えないように」



セシリア

「……はい」


セシリアは涙ぐんだ。




最期の刻はすぐそこまで迫っていた。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+



夜1刻



その時がおとずれる……








「やっと……みんなに逢えるのかな………」






リリー・フォード


194年1日生〜222年12日没 

享年28歳


ローゼル近衛騎士隊 隊長

幼い頃から騎士隊に入り、龍騎士になることを夢見ていた。


騎士隊に入隊し、205年エルネア杯で護り龍バグウェルに勝利し龍騎士になる。



初恋も騎士隊に入るために諦め、国を守るために生涯を捧げた女性である。



偶然にも、リリーが亡くなったのはバルナバが亡くなって四年後の同じ日であった。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――





重々しい空気が

主を失った近衛騎士隊長の居室に流れる。



姉を失い、ルークは消沈していた…



どうかしたんですか?ってセシリアの台詞ほんとどうかしてる


 


なんとも言えない気持ちになる。


プレイヤーキャラクターは、他のキャラとはまた違う。


かつては自分の分身として動いてくれた。



リーゼロッテと


リリアが気遣ってくれる……



ーーやっとみんなに逢えるのかな



亡くなる直前に呟かれたリリーの言葉。



セシリア

(ーーみんなに、あえたのかな?)


どうか祖母が逢いたい人たちに逢えますように祈った。





「バーニー!あなた死ぬのが早すぎる!」


眠りに落ちる間際にセシリアはリリーの妙な空耳を聞いた気がした………







あとがき


28歳。


エルネアでは大往生といってもいいくらいの年齢までリリーは長生きしてくれました。



プレイでは現実時間で一年前に亡くなっているリリーですが、ブログに書いて


本当にそのキャラクターが死んだ


と自分で思います。



亡くなるまでを書いてその人の物語が完結すると思っています。


リリーの物語を最後までかけてとりあえずホッとしています。


リリーは初恋の相手と結ばれることはありませんでしたが、亡くなった日は奇しくも同じ12日でした。


リリー、お疲れ様でした。

ガノスでバーニー(義弟)をいじめなないでやってくれ。


こうあとがきを書いていると

ガノスで再会したバーニスちゃんとリリーが抱き合う姿が目に浮かぶ……