219年 魔銃導師 ティアゴ・バーナード | エルネア王国モニカ国の暮らし。

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エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。





ティアゴ・バーナード

ガルフィン魔銃師会魔銃導師

リリー時代からの友人で娘のリンゴとは同じ職場。ヴェルンヘル国王とは一時険悪になる。

一匹狼の性格で行動を共にするのは親しい間柄の人のみ。セシリアと結婚したレドリーの父親でもある。






219年26日





 



いつもと同じ朝が始まる。




国民の記録




探索ポイントは年上のリリーを超えている。



魔銃導師ティアゴが


 

 


この日危篤になっていた。



父親の危篤を知り、レドリーは無言で出かけていった。セシリアは、魔銃導師の居室に向かった。



カトリーンさんが席に着くと食事が始まる。



 


ティアゴ

「さて、食事にしようか」




穏やかに食事をするティアゴの最後の朝食は、

丸ごとパチャグラタンだった。







セシリア

「おはようございます」



ティアゴ

「おはようございます」


いつもと同じように笑顔で一礼するティアゴ。


今日が最期であるなんて、思えなかった。



でも……




………



この人らしいといったらこの人らしい。


最期まで言いにこなかった。


弱音を吐く人ではないんだなと改めて感じた。



セシリア

「………お義父さん……具合はどう?」



ティアゴ

「まあ、こうして寝ていれば明日にはよくなるよ………」


心配させないための言葉かもしれないけれど、明日が自分にないことは本人はよく分かっているわけで。


とても悲しい台詞だと思った。



ティアゴ

「セシリア様のおかげで可愛い姫を見ることが出来ました。ありがとうございます」


リリアのことだ。

ティアゴには息子しかおらず孫もイラリオのほうは皆男の子。女の子はティアゴにとって待望だったのかもしれない。


セシリア

「お義父さんやレドリーさんに似てとってもいい子に育つと思います」


ティアゴ

「俺とレドリー………それだとちょっと不安ですね」


そう言ってティアゴは苦笑した。



セシリア

「そんな事ないです!」


言い切るセシリアにまたティアゴは苦笑したあと優しく微笑んだ。


ティアゴ

「良い国王になることを願っています」





もう一度話しかけてもティアゴは寝てればよくなるよと言って目を閉じた。



カトリーンさんが何か話しかけている。



レドリーがやってきて父を見舞う。


少し言葉を交わすとセシリアに向き直った。



レドリーに釣りに誘われる。このまま居続けても邪魔になるかもとセシリアは退出した。



ヤーノ市場でティアゴの妻のカトリーンさんに声をかけられる。


世間話をしたあと、カトリーンさんは彷徨うようにどこかへ消えていった。




チェロ

「ヤバイ

オレ、サイキョーすぎかも……」


弟のチェロは上機嫌だった。その様子にセシリアは不安が過ぎる。



セシリア

「あの泥団子、誰にぶつけたの?」



チェロ

「?!え?! 投げてないよ!」


ぎくっとした表情で慌てる弟にセシリアは人差し指を立てたちょっと怒った顔をする。



セシリア

「チェロ君。お父さんとお母さんに言いつけるよ」



チェロ

「やだ!それはやだー!!」


弟は逃げるように一瞬でいなくなった。






゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


リンゴ・ラウル
セシリアの母。王妃。
ガルフィン魔銃師会所属。
ティアゴには可愛がられている。




魔銃導師の居室の前で、突っ立っている人物がいる。



リンゴ

(………………)



この日がくるのはもっと遠い日だって思いたかった。





ティアゴ君がいなくなる。



ずっとずっと先のことだと思ってた……




深呼吸をして、リンゴはドアノブを握り、ドアを開いた。



リンゴ「!!」



リンゴは目を見開き驚いた。


ドアを開けた瞬間、仁王立ちするように、会おうとしていた人がいたのだから。



ティアゴ「なーにしてんだよ」



リンゴ「ティアゴ君…」


昔もこの台詞を聞いた。懐かしさと驚きが交差しながら目の前の人を見つめた。



ティアゴ

「ドアの前で野宿すんのかと思った」


入るまでに時間がかかったことを察したらしい。



リンゴ

「起きてて大丈夫なの?早く横になって」


病人なのに病人に見えないティアゴの手を引いて、螺旋階段を上がる。ティアゴは黙ってついてきて、ベッドに腰をかけた。



ティアゴ「………」



リンゴ「………」


沈黙。



視線が合うとどちらからともなく視線を外した。



お互いに言いたいことがあるはずなのに言葉が出ない。




居心地悪そうにしているリンゴに、ティアゴは鞄からノートを取り出して、リンゴに差し出した。


ティアゴ「これ、あげる」


リンゴ「……これは?」


ノートを受けとり、ページをめくる。綺麗な字と分かりやすい絵で調合のことが書かれていた。



ティアゴ

「出来るだけ分かりやすく書いたつもり。少しでも役に立てばと思って」



リンゴ「……私のために?」



ティアゴ「そうだよ」



リンゴ

(ーーティアゴ君……すごく忙しいのに………)


ティアゴの気遣いにリンゴは胸が熱くなった。貰ったノートをギュッと抱きしめる。



リンゴ

「ありがとう…!私、頑張るね」



ティアゴ「うん」


嬉しそうなリンゴの様子にティアゴは穏やかに笑った。


大切なノートを鞄にしまい、再びティアゴに視線を向ける。




ティアゴ

「そういえば昔………俺が死ぬ時はリンゴはまだ熟年にもなっていないと思うって言ったの覚えてる?」



リンゴ「ーーうん」


ーーそんな話したなぁ……

ティアゴ君に私より先に死なないでって言ったら困ってたっけ。


あの時の私たちにとって死は身近なものでも、自分たちにはまだ関係ない、そんな風に思ってた。


ティアゴ

「リンゴは綺麗なままだな。昔と変わらない」


すっと手が伸びてきて、リンゴの顔に触れた。肌を確かめるように指が肌の上を滑った。



リンゴ

「なっ……なな何言ってるの」


こんなの不意打ちだとリンゴの頰が赤くなった。しかしすぐに憂いを帯びた目になった。



ティアゴ

「ーーーもう、俺がいなくても大丈夫だな」


ここ数日、ティアゴは熱心にリンゴを指導していた。


それは、最期にティアゴがリンゴにしてあげれることだったからだ。


リンゴもそれが分かっていて懸命に指導されたことを頭に叩きこみ、ひーひー言いながらも絶対に嫌とは言わなかった。



リンゴ「大丈夫じゃないよ……」


涙なんてみせたくなかった。リンゴはわかっていた。この人は自分の笑った顔が好きだから、自分からはけして先が短いことは言わなかった。


わかっていても。


溢れる涙を止めることは出来なかった。


泣かないでいようとしていた反動のように大粒の涙が次々と溢れてポロポロと服を濡らし、床に落ちた。


涙で滲む視界の中でティアゴが悲しげな顔をしている。



ーー大切な人を困らせて、何をしてるんだろう。

辛いのは、ティアゴ君なのに。



ティアゴは無言のまま、涙を流すリンゴをぎゅっと抱きしめた。小柄な身体はティアゴの腕の中にすっぽりと収まった。



ティアゴ

「先にガノスに逝くけど……リンゴはゆっくりこいよ…みんなと待ってるから」



リンゴ「………」


頷けなかった。


だって、リンゴは自分がガノスに逝けるとは到底思えなかった。


死後の世界があるか分からない……


ティアゴの肩に乗る黒い天使なのか死神なのか、その存在が、死後の世界があることを示しているように思える。


この死神が、自分を迎えにくるとき、ガノスには案内してはくれないだろう。ティアゴを安心させるためにも頷くだけでもしておこう、そう思った矢先ーー



ティアゴ

「もしかして、リンゴは自分がガノスには逝けないと思ってるんだろう?」


察しがいい男は、なんの反応もないリンゴを見透かすように言った。


少しの沈黙のあと、



リンゴ

「………………私は、人の命を奪ったから」


暗い影を落とすあの日の出来事。


後悔はしていない。

戦わなければ大切な人は守れない。

そうだったとしても相手の命を奪って大切な人たちを守った事実は変わらない。



ティアゴ

「俺と陛下を守るためだろ。」



リンゴ「それでも………」



ティアゴ

「それでもし、神がリンゴをガノスじゃないところに連れていくなら俺が阻止してやるよ」


どこか自信に満ちた声にリンゴは沈んだ声で答える。


リンゴ

「そんなの。 できるわけないよ」



ティアゴ

「ジェレマイアさんやバルナバさん、エドモンドさん、レイラさん、バーニーさんやミラー隊長も連れていく。あ、ローデリックもだな」


豪華メンバーを挙げた。




リンゴは苦笑した。


ーー最期まで人の心配して



リンゴ

「……その時はお願いね」


ティアゴの胸元に顔を押し付けた。ティアゴの温もり、感触を確かめるように。



ティアゴ

「ああ、任せておけ」


2人はしばらくの間、無言で抱き合っていた。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――




 

ティアゴの元には何人もの見舞い客がやってきたいた。


亡きレイラの末息子、クレメンスの姿もあった。


 

口当たりの良さそうなものを差し入れする。


少しでも辛いのがなくなればいいな…


 

ティアゴは昔から小さい方たちにも人気がある。


小さい子たちが次々と見舞いにきていた。



このタイミングでなぜかアルシアの旦那さんのアーサー氏に口髭が生えたことに気づいた。なぜ


髭は切る派(?)なんですが、これはこれでいいかとつけておくことに。面倒だしそれ以降みるとなぜかクスリと笑ってしまうことになる。




 

ルイス・スカイ 12歳

 (地球年齢にすると36歳前後)

天賦の才 エナのほほえみ

わがままな性格が災いしてなのか未だに恋人なし


恋人絶賛募集中。



ルイスは12歳になっていた。ヴェルンヘル陛下も心配するこの人に恋人が出来る気配はない。

わがままなせいか?口が悪いせいか?



ルイス

「………俺のことをみて失礼なこと考えてない?」



セシリア

「そんことないよ。ルイス君は顔はいいのに色々残念だなぁって」


わざとらしくセシリアはハッと両手で口元を押さえた。



ルイス

「言うようなったな、猫被り殿下💢」


吐き捨てるように言うとドスドスと立ち去って行った。


実はルイス、騎士隊の選抜トーナメントに出れば簡単に勝ち上がれるほどの実力の持ち主です。

チャレンジダンジョンでの仲人で実力をぐんぐんと伸ばし、仲人でカンストするのでは?

とプレイヤーをドキドキさせた男



同じく12歳のマルセルは美人なお嫁さんに可愛い子供に恵まれて幸せな生活を送っている。

そんな彼はセシリアにプレゼントをくれた。




セシリア

「ありがとう、大切にするね♪」



マルセル

「喜んでもらえて良かった」

*マルセルは祖母にあたるリリーの弟ルークの子供。


レドリーは落ち着かない様子でドルムに誘ってきた。


父の危篤に動揺しているのだろうか……



掘ってたら戦闘になる。


雑魚を倒してティアゴの居場所をチェックする。


彼は移動していた……

 



水道橋…?


そういえばジェレマイアやバーニーも死期が迫った時いなくなった。それぞれ会いたい人と思われる人のところに行ったようだった。2人は奥さんの同じエリアに移動していたので奥さんに会いにいったと思われる。


そこでカトリーンさんを調べてみると

 

 

ドルム山道にいた。


ーーあれ?



ティアゴは散歩にでも出ただけなのだろうか思いながらまさかなと思いつつ、リンゴの居場所を見てみると



 

ーー水道橋。





゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――



ダンジョンに潜る気にもなれず、リンゴは水源の遊歩道で釣りを少しして、その帰り道。


虚な気分で水道橋を歩いていると前方から誰か歩いてやってきた。




リンゴ「ーーー!」


その姿に驚いた。


紛れもなく、ティアゴの姿にリンゴは駆け寄った。



リンゴ

「どうしたの?!家で寝てないと…」



ティアゴ

「………ん……ちょっと散歩……」


少し具合が悪いらしく、ティアゴの身体はフラついていた。リンゴは慌ててティアゴの身体を支えた。



ティアゴ

「嘘。……最期に、リンゴに会いたくなって」




リンゴ

「ーーー!」


様々な感情が込み上げてきて声にならない。


ーーティアゴ君…





ティアゴ

「…最期の頼み、きいてくれる?」



リンゴ「頼み…?」



ティアゴ

「………最期にリンゴの笑顔が見たい」


弱々しい声で願うティアゴの手をリンゴはぎゅっと握った。



ーー最期に会いにきてくれて、その願い誰が断れる…?



リンゴ

「……私のお願いもきいてくれる?」



ティアゴ

「ーー今の俺にできることなら」



リンゴは泣きそうになるのを堪えながら一度ティアゴの手を離し、鞄から短剣を取り出すと自分の髪の毛を一房切った。その様子にティアゴは驚いている。封筒に切った髪の毛を入れるとリンゴはそれをティアゴに渡した。



リンゴ

「私の欠片も一緒に連れていって」



ティアゴ

「ーー分かった。」


頷くとリンゴの髪の毛の入った封筒を、上着の内ポケットに大事そうにしまった。



リンゴはティアゴの手を握る。



男の人にしては華奢な身体つきだけど、手は大きい。いつもこの手で守ってくれた。


もう少しでこの手に触れることが出来なくなる。


そう思うとリンゴはティアゴに会えなくなるという事実に恐怖する。


雑念を振り払い、上目遣いでティアゴを見上げた。





リンゴ

「ーーティアゴ君、お疲れ様でした」



ーーさよならは言わない。



きっと、ガノスで会えることを願って。



リンゴは涙を堪えて笑顔を浮かべた。




ティアゴ

「………ありがとう…………後を頼むよ」


リンゴの手を自分の顔に引き寄せてティアゴは俯いた。



リンゴ「うん…」




寒空の中、これが2人の交わした最後の会話だった。





゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――




 

*実際見に行くと、話が終わったあとなのか2人が歩いている所が見られた。

周りに人はおらず、リンゴに会いにきたように思えた。




ーー夜



 

「イラリオ、レドリー……陛下や王妃様、殿下のことを頼む」


騎士隊にいるイラリオ、セシリアの夫となったレドリーに後を託した。


イラリオ

「ーーうん、分かった」



レドリー

「心配しないで」


息子たちはしっかりと頷いた。それを見てティアゴは安心したような表情を浮かべた。










ティアゴは家族や兄、友人たちに看取られてガノスに旅立った。




ティアゴ・バーナード


197年24日生〜219年26日没

享年22歳


ガルフィン魔銃師会魔銃導師

 

 長きに渡りガルフィン魔銃師会に所属し、常にトップ争いをしていた実力者であり重鎮。


217年には龍騎士にまでのぼりつめる。


魔銃師会にいる年上の人たちからは可愛がられていた。


一匹狼の性格のせいか、親しい人とばかり行動をともにする。


本人は否定しているが子供好きで、子供たちに慕われていた。


亡くなる前は、後輩たちの指導に時間を費やし、その技術を余すことなく伝授した。


幾つもの大きな作戦で犠牲者が出なかったのは魔銃師会の導師ティアゴの采配手腕によるとも言われている。












あとがき


このブログで出番が多く、存在感が大きかったティアゴが亡くなりました。バルナバやレイラが長命であったのもあり、ローデリックに続きティアゴも失った219年は217年バーニー、バーニスコンビを失ったのと同じくらいの悲しい年となりました。

ティアゴが亡くなることが分かってからしばらくプレイができなくて、中断していました。

コロナで自粛となり、世の中が暗い中でプレイ再開。

久々なので色々忘れている中、最期の朝食が

ブログでリンゴが好きだと騒いで(?)いた丸ごとパチャグラタンでした。

気持ちが沈んでいた時期に、こちらが何もしていないのにティアゴが偶然用意した最期の食事。


「そうなんだよ、ティアゴってこういう奴なんだよ」


朝にくさい食事をしていたと思ったら次はまた別のくさい食事を持ってウロウロしていたり、その行動に度々笑わせてもらった。

暗い時期に、エルネアの面白さを再確認させてくれたのはティアゴでした。それが最期の日だったことは寂しいけれど……


ティアゴの退場で一つの時代の終わりのような感じがします。


このあとはティアゴ目線の番外編と

ある人物の関するお話になります。

上記のお話は10月にほぼ出来ていたというのに、間の話がなかなかうまく書けないのと引越しがあって公開が遅くなっちゃいました💦


といってもまた引越しなので、この先どうなることやら。仮住まい生活がもう少しで終わりますが、なんだか少し寂しいです。