219年 国王の隠し部屋  | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。





扉を開けると、さほど広くない部屋に中央にダイニングテーブルと椅子が何脚も置かれ、上座にはヴェルンヘル陛下が座っていた。


旅人たちはヴェルンヘルに深々と頭をさげる。


自分の国の王でもないのに、とセシリアは少し不思議に思った。



ヴェルンヘルに促され、皆が椅子に座るとヴェルンヘルが話し始めた。



ヴェルンヘル

「忙しい中時間を作ってくれてありがとうございます」



セシリア

「ーーお父さん、これは一体?」



ヴェルンヘル

「今日は他国の情報を集めてきてくれている旅人の方々とセシリアを会わせるためにこうしてわざわざきてもらったんだよ」



まずは自己紹介をした。褐色肌の青年、チャック。色白の色気のある女性はヴィクトリア。

端正な顔出しの青年ヴィル。他の旅人の自己紹介が終わるとヴェルンヘルが口を開いた。



ヴェルンヘル

「この辺りは小国ばかりだから国同士のいざこざはほとんどないが……少し離れれば大国があるし西の情勢はとても不安定だ。グァバメキアの動きも気になるところだ」



チャック

「ウィム族とは睨み合ってるだけですが、どちらかが痺れを切らせて手を出せば大きな戦になるんじゃないかって言われていますよ」



ヴェルンヘル

「ありがとう、チャック。ーー些細な情報も逃したくない故、こうしてチャックたち旅人に力を貸してもらってるんだ。エルネアは小国だ。生き残るためには、どうしたらいいか模索するのに情報は最も重要なものなんだよ」


セシリアに向かって優しく説明した。



セシリア

(チャックさんは呼び捨て……仲が良いのかな?)



「ーーもしかしてお父さんがたまに旅人の女の人の部屋を出入りしてるのは……」



ヴェルンヘル

「他国の話を聞くためと、報酬を渡すためだよ」



チャック

「それだけなんですかねー?」


少しおどけた様子でチャックが言った。



ヴェルンヘル

「それだけに決まってる…!」


少し焦った声にクスクスと何人かが笑う。



ヴィクトリア

「ひどい、陛下……私と過ごした夜を忘れちゃったんですか?」


色白の綺麗な女性が悲しそうにヴェルンヘルを見つめる。



ヴェルンヘル

「え?!ちょ、困ります、誤解されますからやめていただきたい…」


女性の悲しげな瞳には弱いのか、ヴェルンヘルは戸惑っていた。



チャック

「誤解じゃないでしょ?」



ヴィクトリアは悪戯っぽい微笑みを浮かべた。



ヴィル

「陛下はこの前の事で王妃様の怒りを買って大変なんだからいじめちゃだめだよ」


若いヴィルが助け舟を出した。



チャック

「旅人女に手を出そうとして酒場を破壊されたってやつですかー?隣国にもその話伝わってたよ」


クスクスと笑った。他の旅人も忍び笑いをしている。



ヴェルンヘル

「そ、そうか…💧」



ヴィクトリア

「旅人女、ねぇ。」


含みのある笑みを浮かべヴェルンヘルに向ける。




ヴィル

「エルネア方面に、風使いの女が向かったとの情報がありますがその後目撃情報がないですが皆さんは何か知りませんか?」



チャック

「先日その情報を掴んで陛下に知らせたけど……エルネア方面に向かったって聞いた」



ヴェルンヘル

「うちの国には来ていないようだね」




ヴィクトリア

「もしその風使いがこの国で暴れたら半日もかからず壊滅しちゃうんじゃないかしら。現れていないようで安心したわ」



チャック

「あの女は頭イカレた狂人ですからねー。早く捕まって欲しいものです」



旅人たちとの挨拶が終わり、旅人たちは退出する。ヴェルンヘルとセシリア、レドリーが残された。




セシリア

「お父さん、この部屋は?」


改めては部屋を見回す。小さなリビングという感じで端っこにミニキッチンと戸棚がある。戸棚にはお茶や異国のお茶の葉と思われる箱が入っている。先程の旅人からの貰いものだろうか?



ヴェルンヘル

「仕事部屋みたいなものかな。ーー先程のように表の仕事じゃない時に使うんだよ」



ヴェルンヘルは転移石をセシリアに渡した。



「この部屋の隣の部屋が登録されている。この部屋を使う時はその部屋を経由してくるように」



受け取った転移石を大事そうに鞄の中にしまった。


セシリア

「裏の仕事ってお父さんは変なことしてるの?危ないこととか……」



ヴェルンヘル

「……セシリアの時代には、しなくてすむようになってるはずだよ。お父さんがそうするから」



セシリア

「お父さん……」


はっきりと否定しなかった父に心配と悲しみの混じった瞳で見つめる。



レドリー

「この部屋ってリンゴさんは知っているのですか?」



ヴェルンヘル

「……いや」



セシリア

「そうなの?レドリー君には教えてくれたのに?」



ヴェルンヘル

「本来は、この部屋は歴代の国王だけしか知ることはない。………レドリー君に教えたのは、旅人との交渉時にセシリアを危ない目に合わせないためだよ」



セシリア

「危ない目って?」



ヴェルンヘル

「さっきのチャックは若い故付き合いが長くなると思うけど…旅人ってのは…色々要求してくるんだよ。万が一、その……」


言いにくそにヴェルンヘルの目が泳いだ。



セシリア「万が一??」



ヴェルンヘル

「だから、えーっと、レドリー君がいれば、その心配はないと言ってる。会う時は必ずレドリー君を連れていくこと、いいね」


明らかに慌てている国王。



セシリア

「はーい。ーーで、色々要求ってなに?」



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


このように国王しか知らない部屋は城内、神殿にも存在する。国王が管理している区画もある。セシリアには今日はこの場所だけ説明し、他にもあることだけ把握させるともう夜も遅いのでセシリアたちを転移魔法で帰した。



ヴェルンヘルも帰ろうと部屋を出るとヴィクトリアが壁に寄りかかっていた。



ヴェルンヘル「どうしました?」



ヴィクトリア

「陛下、話があるの」



ヴェルンヘル

「では、さっきの部屋で」


今出てきた部屋に戻ろうとすると、ヴィクトリアはヴェルンヘルの手をとり、何かを握らせた。



ヴィクトリア

「別の部屋で話がしたいの」



ヴェルンヘル

「……………」


手のひらの感触から、握らされたものが転移石であり、わざわざそれを使って行く部屋ならば目的が明白なわけであって。


ヴェルンヘルの表情が僅かに曇る。先日の今にも泣きそうだったリンゴの顔が脳裏をよぎった。その様子を見てヴィクトリアは微笑むと続けた。



ヴィクトリア

「こういえばいい?風の魔女について、口止め料がほしい…」



その一言に、ヴェルンヘルは内心ため息をついた。拒絶すれば面倒なことになりかねないと詳細を聞くにも部屋にいかなければならないだろう。



ヴェルンヘル

「全く……困った方だ」


苦笑いをし思考を目の前の女性に集中させる。


口止め料といいつつも、こちらに利益のある情報を持ち合わせている。このヴィクトリアという女性はそういう人だった。


甘いマスクを貼り付けると、ヴェルンヘルは女性の手を握った。




ヴィクトリア

「じゃあ、行きましょう」


ヴェルンヘルの耳元で囁くと、ヴィクトリアは転移石を使い、2人は別の場所に移動した。






゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――



この頃のこの国のランキング



魔銃師会の探索ポイントはこんなことになっていた。こんなに支援したっけ?




ご長寿はリリーの夫で他界したジェレマイアのお兄さんのフランシスコ。前記事あたりで一緒に探索した方。



国民の記録はこんな感じ。

いい感じでバラついている。(メンバーが)



金持ちランキングはバルナバ、レイラの一位、二位が他界したためティアゴが二位と大差をつけての一位。



゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


翌日


セシリアはダンジョンに母を誘った。



リンゴ「よろしくー」


明るく振る舞う中に蔭を感じた。


この前の騒動のせいでリンゴが心を痛め、周りに何か言われているのだろうかとセシリアは心配になった。



セシリア

(お母さんが元気になるっていったらこの人かな)


この時刻なら、多忙な武術職のほとんどが誘えるはず。



ティアゴを呼び出すと、リンゴは僅かに緊張した面持ちになった。よく顔を合わせているのにどうしてだろうとセシリアは不思議に思う。


呼び出しに応じたティアゴはリンゴとセシリアに一礼をした。



ティアゴ

「おはようございます。早速いきますか」





 


途中で少し休息をとる。



ティアゴ

「昨日出した[宿題] 終わった?」


壁によりかかるリンゴの隣までくると、ティアゴも寄り掛かった。


リンゴ

「お、終わったよ」


一瞬びくりと身体を震わせながらぎこちない笑顔を浮かべて答える。


ティアゴは無言で手を差し出した。リンゴはカバンの中から瓶を取り出すとおそるおそるという様子でそれを渡した。


瓶の蓋を外して匂いを確かめると、



ティアゴ「33点」


厳しい判定が下った。



リンゴ「えーー?!」



ティアゴ

「王妃だから、リンゴだからという贔屓をプラスしたら21点だな」


淡々とした口調でさらに点数を下げられた。


リンゴ「下がってるし…!!」


謎の点数の付け方に衝撃を受けているリンゴの姿を少し離れた場所で見ていたセシリアは「お母さん元気になったみたい!」と勘違いをしていた。






こんなの落ちたけど、まあよくわからん。


 

ティアゴ

「どうする?もうギブアップかな?」


ダンジョンの帰り道、前を歩くリンゴにティアゴは意地悪そうに訊いてきた。


リンゴ

「ううぅ…やるよぉ…」


振り返ると悔しげな表情を浮かべる。



ティアゴ

「心配するな。手取り足取り教えてあげるからさ」


朗らかな声の中に意地悪そうなものが混じっている。



リンゴ

「…そ、それが怖いんだって!仕事中のティアゴ君は怖いんだよぉ……」


機嫌の良さそうなティアゴとは対照的なリンゴの声がエルネア城の片隅に響く。




カトリーンさんが近くまできていたので試合の応援要請を。




ついでに絶対こないだろう人にも一応声かけです。


セシリアとの会話が終わるとカトリーンがリンゴたちに近づいた。



カトリーン

「リンゴちゃん、宿題どうだった?」


風に吹かれた髪を耳にかきあげながら優しげに訊いてくる。まるで娘を見守る母のような温かな眼差しだった。



リンゴ

「カトリーンさーん…💧…33点でした」


泣きそうな声でガックリと肩を落として点数を報告する。



ティアゴ「21点だ」


すぐにティアゴから訂正が入る。

王妃、リンゴという贔屓をいれたらなぜか下げられた点数だった。そもそも贔屓なんてしなくていい。



リンゴ

「下がった方にしないでよー」



カトリーン

「リンゴちゃんの調合はすごく上達してる。凄い進歩よ」


明るい声で励ます。



リンゴ「カトリーンさん…」


優しい言葉にジーンとしていると、ティアゴは、


ティアゴ

「ちょっと前まで燃えるから調合するなって周りに言われてたんだから、点数がつけられるものを作るんだからすごい進歩だよ」


横から余計な事を言ってきた。



リンゴ「ティアゴ君ー!」


むぅっと怒るリンゴにティアゴが笑い、カトリーンは「ちょっと!」とティアゴを嗜めるように睨む。


外野から見ると、華やかなその場所はなんとも楽しげに話しているように見える。


リンゴに声をかけようとやってきたヴェルンヘルがいたが、立ち止まりその様子を見ていると、無言で立ち去っていった。


自分がいけば、あの笑顔が一瞬で消えてしまい大輪の花が萎んでしまうかもしれないと思ったのかもしれない。


セシリアはそんな父の姿をただ黙って見送った。




リディア

「リンゴさんの周りはいつも賑やかだね」



セシリア「うん、そうだね」


母が元気そうで良かったとセシリアは安堵し笑顔を浮かべた。





メモリーカードクラッシュのせいで

219年の議員メンバーが不明だったが


このメンバーだった。


農場管理官の代表は、代表が亡くなったらしく代理で副代表であるジェリー・ラウルが担当していた。ティアゴのお兄さんだ。


ティアゴは評議会でお兄さんと顔を合わせているということで勝手にほっこりする。


 

今日はリリーの試合だがセシリアは観戦できない。お守りを渡して結果をあとで確認することに。




騎兵選抜



対戦相手は……

これまたルイスとの因縁の相手ですね。


アルシアの弟アーロンのお嫁さんで、ルイスを振り続けてきたゼノヴィアちゃん。


っていうか選抜は女子率が高い。


ある年は1人も男がいなかったことがある。




銃持ちだし、普通に戦って勝たせていただきます。





観戦にきていたレドリーに勝利報告。


レドリー

「おめでとう、セシリア。さすがだね♪」



セシリア

「今までどこにいたの?」


そういえば姿が見えなかったなぁと思って訊ねると


レドリー

「陛下に稽古つけてもらってたんだ」

少し疲れた様子で笑う。



セシリア

「…そっかぁ……お疲れ様」


セシリアは言いたいことを飲み込んだ。

レドリーに、それを聞くのは酷なことかもしれないと思った。


゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――




可愛い2人の仲人。



ダンジョンが終わると、アルステーデちゃんに男の子が声をかけにきていた。


セシリアの隣にいるチェロがむすっとした顔をしてどこかへ向かう2人を睨んでいる。



セシリア

「………気になるの?」



チェロ

「き、気になんてなってないよ!」



セシリア

「そうなの?」


セシリアはにこにこと穏やかに微笑みながら可愛い弟を盗み見る。



チェロ

「そうだ!あいつにあの泥団子なげてやろーっと」


いいことを思いついたと得意げに泥団子を持ったチェロは瞬く間にくさくなった。



セシリア

「だめ、それはだめ!!アルステーデちゃんにも嫌われちゃうよ!!」


チェロ特製イムのフン入り泥団子を使用させてはならないとセシリアは必死に訴えた。



チェロを全力で止めていたせいか時間が中途半端に残った。


珍しいこのメンツに同行してもらうことに。




昼間に勝利報告をしたんだけど、家に帰ったらめっちゃ祝ってくれた。




゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――



23日



この日も誰か亡くなる

218年は少なかったせいで219年は召される人を多く感じた。



朝からレドリーはセシリアにスキンシップを求めくる。

この夫婦は本当に仲良しです。




゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――


今日はピクニックを開催!



このメンバーで。

少ない人数のほうが母は一息つけるかなぁというセシリアの配慮だった。






ティアゴ

「こうやって外で食べる料理はまた格別だね」


リンゴ

「こんな素敵な場所ならなおさらだよね」




セシリア

「またみんなでこようね」



レドリー

「そうだねー」



セシリア

「お母さん、昨日も調合したんでしょ?どうだった?」



リンゴ「え?!あ、うん……」


引きつった笑顔をみせた。本人の言葉がなくても残念な結果であることは誰でも察することができる。



ティアゴ

「王妃様はご尽力されています」


答えに困るリンゴの代わりにティアゴが言った。明確に言わず濁しているようにも思える回答だったがあまり深く追求しないことにした。



セシリア

「それは良かったです。引き続き宜しくお願いします」


天使のような微笑みを浮かべるセシリアにティアゴもにこやかに微笑み返す。


ティアゴ「お任せ下さい」



レドリー

(………まるでリンゴさんがセシリアの娘で先生と話している会話みたいだ…)


奇妙なやりとりにレドリーは小さく笑った。

 


次は大人数で。

*ここからスクショが続きます


そっと兄の背後をとり



突然のことにジェリーは驚いていた。



穏やかな秋の風が吹く中、皆が楽しそうに談笑する。


リンゴもヴェルンヘルと普通に話をしていてセシリアはホッとする。




楽しい時間は瞬く間に過ぎていった。