任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。
前回に引き継ぎ
リンゴ目線は砕けててふざけてもいいしやっぱり書きやすかったりします……王妃とか嘘だよね?レベルの人ですから…
私はこういう王妃がいたら大丈夫かよと心配しながら親近感わくと思います(笑)
レドリー君とヴェルンヘルが乱入して、去っていったあと、さらに説明が続く。
国民にはこの討伐作戦の難しさはほとんど知られていない。
討伐対象がどれくらい強いのか、戦ってみないと未知数というのが正直なところというのもある。
でも……
付き合いが長いから分かるんだよね。
バルナバさんやお母さん、ティアゴ君の様子が掃討作戦の時よりも危機迫っててこれ以上討伐を待てないということ。
ティアゴ君がさっき薬草探しに行こうかなという私に
「傷口が開いたら困る。リンゴは明日に備えて無理はしないでほしい」
ティアゴ君は気遣いと不安が入り交じったような眼差しを向けて私を優しく諭すように言った。
ティアゴ君たちなら……
怪我した私にはたとえ動けるようになっても、戦いに出るなと言いそうなのに、そう言わなかった。それだけ魔獣が厄介な奴なのかもしれない……杞憂かもしれないけど。
リンゴ
「ティム君、明日はよろしくね」
緊急時には参戦することになっている元山岳兵のティム君。バルナバさんの息子でメーベルさんの弟。
ティム
「うん、よろしく。想像以上に物々しいね。特に龍騎士たちの顔つきがおっかない……リンゴちゃんはいつも通りだけど」
ティム君は私を見て微笑んだ。ちょっとバカにされている……そんな気もしなくないけど気にしないことにする。私は笑うと、
「明日の動きを確認します!待機隊は禁断の遺跡の前に集まってください」
自分の率いる隊に向かって言った。
明日の動きを入念にチェックする。合図などでどう動くか、用意した大砲を撃つタイミング…
私が復帰する前からリリー隊長が主導でこの訓練はやっていたらしく、みんなは最終確認という感じだった。
ーー問題は訓練に参加出来てなかった私が明日できるかどうか…
夕陽が沈んでいく頃、解散となった。
あとは明日に備えて身体を休めるだけ……
ゾロゾロとみんなが帰っていく中を流れに逆らって誰かが歩いてくる。
ティアゴ
「お疲れ。そんなに動いて大丈夫?」
リンゴ
「お疲れ様!動きの確認だからたいして動いてないよ」
ティアゴ
「そっか……じゃあ、行こうか。約束のナルルワイン飲もう」
リンゴ「うん!」
私はティアゴ君の横に並んで歩き出す。
リンゴ
「今日にしたのったさー、ローデリックさんの誕生日だからでしょー?」
ティアゴ
「……別にそんなんじゃない」
リンゴ「ふ〜ん」
私は思わずニヤニヤしてしまう。
ティアゴ君が睨んできているようなので、視線に気づかないフリをして私は歩いた。
酒場にはすでにローデリックさんがいた。武術職の人が今日は多くきている……奥の席にはお母さんとバルナバさんとアラルコスさんにメーベルさんが同じ席で飲んでいる。
リンゴ
「そういえば、ナルルワインはティアゴ君が買ってたけどここで飲んでいいの?」
ティアゴ
「ウィアラさんに話してこの店で保管してもらってる。飲むときは手数料払ってここで飲むことを許可してもらうんだよ」
リンゴ「ふうん、なるほど」
視線を感じて私はローデリックさんをみる。なぜかジッと見てくるような気がする。
リンゴ「えーっと、なに?」
敬語じゃなくていいと言われたからこんな風に聞いてみた。
ローデリック「………別に」
ローデリックさんは無表情だった。これがいつもの表情なんだけど。
リンゴ「なにそれ」
ローデリックさんは沢尻エリカかよ
ティアゴ「ローデリック」
名前だけ呼んで、ティアゴ君がなにかローデリックさんに訴えているようにみえる。
ローデリック
「……別になにも言ってない」
なんか雰囲気がおかしい。
私はウィアラさんを振り返る。視線に気づいたらしかウィアラさんは頷いた。
もう少しで出来上がるからね、口がそう動いたいた。
ローデリック
「……そういえば。お前の息子、手が早いな」
ティアゴ「は?」
ローデリック
「陛下がレドリー君を追い回してたのは、そういうことなんだろう。陛下は無意味に意地悪でそんなことをする方ではない」
ティアゴ
「…すぐに手を出すなって言ったんだけどな」
そう言いながらティアゴ君はため息をついた。
リンゴ
「ヴェルンヘルがレドリー君を追い回すほどのことって何かな?セシリアとキスでもしてるところを見ちゃったのかなー?」
ローデリック「それ以上じゃないの」
リンゴ
「ええっ?つ、付き合いだしてまだ日が浅いのに…」
ローデリック
「父親に似て手が早いことだ」
ティアゴ
「それは心外だ。俺は手は早くない」
ティアゴ君は不満そうに口を尖らせ反論する。
ルイス
「大丈夫だよ、あいつらチューしかしてないから」
いつの間にか三人のテーブルの前にきていたルイスがそう告げ口をしてきた。
リンゴ「良かったー!チューだけ……」
安心したような気がしたけどそれはそれでなんだか私は恥ずかしくなってきた。
絶対ティアゴ君のほうは見たくない。どうでもいいルイスに注目することにしよう。動揺を悟られないように私はお酒の入ったグラスを口につける。
ルイス
「今度子供の作り方を手取り足取り教えてあげるってレドリーの奴がセシリア様に言ってたけど。」
ティアゴ君が酒を吹き出しそうになり咽せた。私も派手にむせた。
今ルイスはなんて言いました……?!
*手取り足取りなんてレドリーは言っていません。ルイス氏の狂言か妄想か勘違いです。
ローデリック
「………お前の息子、手が早いな…」
ローデリックさんから発せられる二度目のこの台詞は、驚きと戸惑いが入り交じっていた。
ティアゴ
「ーーーもう一度釘をさしておく必要がありそうだ……」
ローデリック
「若いから……多少は仕方ない」
レドリー君の肩を持つローデリックさん。気持ちがわかるんでしょうか?この無表情な人が?
リンゴ
「ローデリックさんも若い頃はガッついてたの?サブリーナさんのこと大好きだもんねー」
ローデリック「………」
ローデリックさんは私を睨んできました。
リンゴ
「何も言わないというのとは肯定ということだね。悪いことじゃないし、若い頃は多少は仕方ないよ」
さっきローデリックさんが言った台詞も使いながら言うとますますローデリックさんから発せられるオーラが黒くなった気がした。
リンゴ
「明日、サブリーナさんと同じ部隊でしょ?活躍してかっこいいところ見せないとねー♪」
言い終わるとと同時くらいにローデリックさんの腕が伸びてきて私のほっぺを引っ張った。
リンゴ
「ぼうりょくふぁんたいー!」(暴力反対)
斧を振り回しているローデリックさんの握力を考えるとかなり手加減してくれてるのは分かるけど少し痛い。横目で視線を周囲に向けると呆れたように見ているティアゴ君がいるだけで、ルイスの姿が忽然と消えていた。
ティアゴ
「それくらいにしとけ。ほっぺたが元に戻らなくなったら面白いことになるだろ」
兄弟喧嘩をたしなめる大人……ティアゴ君はそんな感じだった。
ローデリック
「ーーたしかに、王妃がこの顔なのは我が国の恥だ」
パッと私のほっぺたからローデリックさんの手が離れた。
リンゴ「ムカつくー!」
騒いでいるとテーブルにナルルワインが届いた。
続けて何枚も重なったパンケーキタワーがテーブルにドンと置かれる。酒場にいる人たちの注目が集まった。
三人でとても食べきれないような量のパンケーキ。ティアゴ君とローデリックさんは唖然と見上げた。
ローデリック
「なにこれ……お前食い意地はりすぎ」
ティアゴ「俺は頼んでない……」
リンゴ
「ローデリックさんお誕生日おめでとうー!」
私は立ち上がってローデリックさんをお祝いした。
ティアゴ
「誕生日おめでとう。良かったな。こんなに高さのあるパンケーキタワー……」
ティアゴ君は笑っていた。
ローデリック
「………ど…うもありがとう」
人の注目を浴びてローデリックさんは居心地悪そうにしながら言った。
パンケーキを切り分け、食べながらナルルワインをいただく。
リンゴ
「美味しいねー!ワインなんて初めて飲むけどこんなに美味しいんだね!」
ティアゴ「美味いな」
ローデリック
「アンタにワインの味が分かるんだ」
感心したような視線をローデリックさんが私に向けてくる。私は頰を膨らませた。
リンゴ
「そーいうローデリックさんこそ、味分かるのー?その表情と同じようになーんにも感じてないんじゃないのー?」
ローデリック
「……アンタみたいはガサツな奴より舌は繊細だと思う。アンタはグリーンジュースを平気で飲み干すような奴だし」
リンゴ
「グリーンジュースのかぶ飲みは日々の積み重ねの賜物なんだよー!」
ティアゴ君が苦笑いしながら私たちのやり取りを見ている。ふと何かに気づいたらしく
ティアゴ「……あれ?」
リンゴ「どうかした?」
ティアゴ
「リンゴって、ローデリックに対して基本は敬語だったような気がしたけど……」
怒ると呼び捨てになったりしたけどなと付け足す。
ローデリック
「敬語じゃなくていいって言った」
リンゴ
「そうなの!ローデリックさんと友達になったんだよ!」
ティアゴ
「え……今までお前ら知り合い程度の認識だったわけか?」
(ダンジョンに一緒にいったり、何度も酒飲んでるのに?)
リンゴ
「そんな細かいことはいいじゃない」
ティアゴ
「………まあ、2人が仲良さそうで良かった」
ローデリック「妬いてんの?」
ローデリックさんがニヤっと笑った。ティアゴ君はふんと横を向く。
ティアゴ「そんなわけあるか」
リンゴ
「大丈夫だよ、ティアゴ君!ローデリックさんのことはとらないから!」
私がそう言うとティアゴ君はきょとんとして、横から吹き出す声が聞こえた。
視線を向けると俯いて肩が震えているローデリックさん。
え?
ローデリックさんが吹き出して笑った??
リンゴ
「笑ってるの?ちょっと顔見せて?」
私はローデリックさんの顔をみようと屈む。ローデリックさんは私から顔を背けてしまった。
しかもローデリックさんの手が私の顔に伸びてきて、顔を掴まれて視界を完全に奪われた。
リンゴ「ローデリックさんー!」
ティアゴ
「お前ら静かにしろよ。周囲の視線が痛い」
ティアゴ君のため息が聞こえてくる。
ローデリック
「…俺はうるさくしていない。主にこの人がうるさい」
なぜ自分も注意されるんだと不服そうなローデリックさんの声と共に顔を掴んでいた手が離された。
リンゴ
「来年はプリンタワー作ってあげよーと思ったのに!」
ティアゴ「……プリンタワー」
リンゴ「こんなの作ろうかと思ってる」
ローデリック
「これ……運べる…?」
プルプルして崩れそう…
ティアゴ
(そもそも重ねられるのか、これ……)
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+
気づくと周囲の人たちの姿がみえない。みんな帰ったようだった。
ローデリック
「そろそろ帰ろう。明日は朝が早い」
リンゴ「そうだねー」
同調して立ち上がるとティアゴ君は椅子にもたれてお酒を一口飲むと、
「2人は先に帰ってて。ローデリック、リンゴと方向同じだからリンゴのこと頼むよ」
ローデリック「……分かった」
外に出る。昼間の暑さが嘘のように涼しい風が吹いていた。ローデリックさんの横に並んで歩きだす。
少し歩くとローデリックさんが立ち止まった。
リンゴ「どうしたの?」
ローデリック
「……アイツ、平気な顔してるけど多分明日のことで相当緊張してると思う」
アイツとはティアゴ君のことでしょう。
リンゴ
「そっかぁ……そうだよね……導師だから余計に責任も感じてるだろうし」
ローデリック
「……というわけで」
ローデリックさんは私の両肩を掴むとくるりと方向をかえさせた。酒場に続く道が目の前に広がる。
ローデリック
「アイツのこと、ちょっと励ましてきてくんない?」
リンゴ「へ?私が?そんなの無理だよ!」
ローデリック
「アンタだから出来る」
ローデリックさんはそういうと私の背中を押した。
振り返るとローデリックさんが立ちはだかるように道の真ん中で立っている。
この人なりにティアゴ君を心配しているのでしょう。
ティアゴ君は作戦の要の一人でもあるから彼のメンタルは作戦を左右するかもしれない……
ローデリックさんでも十分ティアゴ君は喜ぶと思うけどなぁ……
励ますとかローデリックさんの性格上難しいから私に押しつけているのかもしれない。
私はさっき歩いた道を戻って酒場に向かった。
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.
酒場に戻ると相変わらず酒を飲んでいるティアゴ君の姿があった。いくらお酒に強いといっても明日に影響が出そうで心配になる。
リンゴ
「ティアゴ君」
私はティアゴ君の隣に座った。
ティアゴ
「……あれ?帰ったんじゃないの?忘れ物?」
リンゴ
「ちょっと、ティアゴ君が心配で」
ティアゴ
「俺が?リンゴに心配されるほど飲んでないよ」
リンゴ
「そうじゃなくて」
私はティアゴ君の青い瞳を見た。
「緊張してる?明日のことが心配?」
ティアゴ「そんなことはない」
リンゴ「嘘」
私はそっとティアゴ君の手をとってぎゅっと握った。大きくてすらりとした手。いつも私を守ってくれる優しい手だ。
リンゴ
「私には、ティアゴ君が嘘をついているのは分かるんだから」
ティアゴ君は目を丸くして驚いているみたいだった。酒を持つグラスをテーブルに置くと、力なく笑った。
ティアゴ
「参ったな…不安だよ、すごく」
リンゴ
「それは、当たり前だよ」
誰だって、よく分からない敵と戦うのは怖くいし不安だよ。指揮する立場にある人はみんなの命を預かってる。その重圧は私よりずっと感じてるはずだ…
ティアゴ
「明日…またリンゴを危ない目に遭わすかもしれない。せっかく助けてもらえた命なのに」
リンゴ
「大丈夫、私って悪運は強いみたいだから。何度も死にかけたのに生きてるでしょ?」
私はなるべく明るく言った。
ティアゴ
「死にかけすぎててこっちの心臓が保たない…」
ティアゴ君は大きなため息をついた。
リンゴ
「明日はきっと大丈夫だよ。討伐は成功して、みんな無事に帰ってこれるよ。バルナバさんも、リリー隊長も、ティアゴ君がいるんだから」
私は微笑んでティアゴ君の緊張が解れるように願った。
ティアゴ
「………そうだね」
小さく笑うと、私の手をギュッと握ってくれた。
ウィアラ
「………あの部屋、使う?」
厨房にいるウィアラさんがひょっこり顔を出して私たちに向かって聞いてきた。
最初は何を言われているのか分からなかった。私はきょとんとした顔をしていたけれど理解した瞬間顔が熱くなった。
ティアゴ
「そ、その必要はありません!」
少し慌てた様子でティアゴ君が言った。手がぱっと離された。
ティアゴ
「ウィアラさん、酒、リンゴの分追加で」
ウィアラ「はーい」
ニコっと営業スマイルでウィアラさんは私にお酒を運んできてくれた。
ティアゴ「それ飲んだら俺も帰るよ」
リンゴ「うん!」
そういえばティアゴ君と2人でこうして飲むのはとても久しぶり。
ティアゴ
「……なあ、ガブリエルのやつのことだけど」
リンゴ
「ガブリエル?ティアゴ君は私といるときガブリエルの話をするのが好きだね」
嫌味とかではなく、面白いなーと思えてきた。
ティアゴ
「たまたまだから。ーーあいつ、リンゴのことをいやらしい目で見てるから気をつけろよ…」
リンゴ「ガブリエルが?まさか」
ティアゴ「そのまさかだよ。」
リンゴ
「ガブリエルはそんな子じゃないよ〜だから安心して♪」
ティアゴ
「……そんな子だから言ってるんだよ。今のリンゴの発言でますます心配になった」
(リンゴは親しい人たちへの警戒心がなさすぎる…)
リンゴ
「ガブリエルはいい子だよ」
ティアゴ
「いい子だからエロいことを考えないわけじゃない…」
リンゴ
「ティアゴ君は、今でも心配してくれるんだね?」
ティアゴ「……当たり前だ」
お酒を飲みながら呟くように答える。
リンゴ
「ありがとう、気をつけるね」
何をどう気をつけるのか謎だけど、ティアゴ君の気持ちは嬉しい。頷くとティアゴ君は「うん」と小さく答えた。
私がお酒を飲み終わると、ティアゴ君は帰ろうと椅子から腰をあげる。
ティアゴ
「ん?ウィアラさんの姿がみえないな……」
ここで長居で飲むときはまとめて後で払っているので無言で帰るわけにはいかない。
リンゴ
「すぐに戻ってくるんじゃない?」
ティアゴ「………待ってみるか」
ティアゴ君は再び座る。
ウィアラさんがいないのか。これは、チャンスかもしれない。
私は立ち上がった。座っているティアゴ君を見下ろす形になっている。
ティアゴ
「どうした?ウィアラさん戻……」
ティアゴ君は最後まで言うことが出来なかった。
私がぎゅーーっとティアゴ君の頭を抱きしめたからだ。
ティアゴ君の帽子がぽとりと床に落ちる。
ティアゴ「ーーー?!」
身体の反応でティアゴ君がびっくりしているのが分かる。ティアゴ君を驚かせることが出来るのはちょっと嬉しい。
リンゴ
「えへへ、おまじないだよ!元気になるおまじない」
私はティアゴ君の頭を撫でた。
「いっぱい準備していっぱい頑張ったから明日はきっとうまくいく」
そうあってほしい、願い込めてティアゴ君の耳元で囁く。
ティアゴ「ーーうん、きっとそうだね…」
されるがままティアゴ君は小さく頷いた。
私がいつまでもティアゴ君の頭を抱いて頭を撫で撫でしていると、
ティアゴ
「ーーーそ、そろそろ離して……
…胸がっ……当たってる…」
狼狽した声が下から聞こえてくる。
私がぱっと手を離すとティアゴ君が腕で顔を隠した。心なしか顔が少し赤い気がする。
リンゴ
「げ、元気でた…?」
自分でやっておきながら、恥ずかしくなったのを誤魔化すように普通に会話を繋げる。
ティアゴ「ーーーすごく出た」
床に落ちた帽子を拾いあげて帽子を被る。
リンゴ「それは良かった♪」
ティアゴ
「出来ればその胸を揉みたいところだけど
痛っ!」
私に蹴られてティアゴ君は声をあげる。ティアゴ君はいつもの調子を取り戻したようだ。
リンゴ「バカ!」
私たちは顔を見合わせるとクスクス笑った。
ティアゴ
「明日は頑張ろうな」
私の頭をティアゴ君の大きな手が優しく撫でる。
リンゴ「うん!」
明日はいよいよ、魔獣討伐戦です。
オマケ
リンゴ
「あのねーガラちゃんにやったみたいにゴロゴロしてもいい?」
ティアゴ
「昼間のやつ?……別にいいけど……」
人に見られていないことを確認して私はティアゴ君の胸にくっついて猫みたいにゴロゴロした。
これ以上ない心の充電です…!!
ティアゴ(猫やイムみたい……)
人に見られたら言い訳が思いつかないな、と思いつつ、幸せそうにしているリンゴの様子にティアゴは黙ってリンゴの頭を撫でていた。
*ご主人様に甘えるイムの図…?