212年 砂上の楼閣 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版エルネア王国をもとに書いています。

 

昨夜はスプラトゥーンのフェスに参戦してました!

やっぱりスプラトゥーンは楽しい!

今回のお題は

酢豚にパインをいれるか入れないか。

かなりどうでもいい問題だけど、私は入れない派です。食べれるけど入れない人です。

ちなみに私のフレンド、今の所全員入れない派でした...




いつも拙い文章にお付き合いくださりありがとうございます。


本編です。





練兵場に突如、ゲートが出現し、ゲートから魔人から襲ってきた。そこに居合わせたレドリーが襲われそうになったのをリンゴが助けに入るが、レドリーを庇って怪我を負った..

 
 
 
 


探索を終えたティアゴが歩いていると、

 

ティムとイマノルをみかけた。

 

ティムは結婚して国民なったはずだが、山岳兵の黒服を着ていた。

 

ティアゴ

「あれ?その服どうしたの?」

 

 

ティム

「ーーー??

 

緊急時は山岳兵として参戦するように父に言われてるので」

 

ティムは眉をひそめてティアゴを見る。

 

ティアゴ

「ーーー緊急時?」

 

ティム

「導師なんでここにいるんですか?騎士隊長室に行かなくていいんですか?」

ティムは不思議そうに、焦りと怒気を滲ませながら緊張感のかけらもないティアゴに言った。

 

ティアゴ

「なんのはなし?」

 

ティムの様子がいつもと違うのだがその理由に心当たりががない。

 

 

イマノル

「え、導師まだご存知ない?」

 

ティム

「まさか」

 

そんな訳ないだろうと2人は顔を見合わせる。

 

横を通り過ぎる国民の話し声が聞こえた

 

 

国民

「やられたのは、魔銃師会の人らしいじゃないか」

 

国民

「しかも王族関係者でしょ?」

 

 

 

ティアゴ

「ーーーー何があったの?」

 

ティアゴは血相を変えて二人をみた。

 

 

ティム

「ついさっき、練兵場で魔人の大群が出現してそこに居合わせた導師の子供のレドリー君が襲われて、それを助けようとしたリンゴちゃんが怪我をしたんですよ」

 

ティアゴ

「・・・・」

 

 

イマノル

「レドリー君は転んだときのかすり傷ですんだけど..リンゴちゃん、意識不明の重体らしいよ。騎士隊長の居室で治療を受けてる」

 

 

聞き終わると同時にティアゴは導きの蝶を使い、転移魔法でエルネア城に向かった。

 

 

ティムはイマノルをジロリと見た。

 

ティム

「あとで導師になにされても知らないぞ」

 

ティアゴに目をつけられると面倒くさいことになるのはティムはよーく知っている。

 

イマノル

「ちょっと言い間違えただけさ」



 

 

 

ティアゴは騎士隊長の居室に勢いよく入った。

 

リンゴの妹のモモがベッドのそばに立っていた。

 

ベッドにはリンゴが横たわっていた。

 

 

ティアゴ

「リンゴ!!」

 

ティアゴが駆け寄ると、リンゴはパチリと目を開けて、ティアゴをみあげた

 

リンゴ

「あ、ティアゴ君。レドリーたちならさっき帰ったよ」

 

モモ

「カトリーンさんが迎えてにきて下さったので今はお家に向かってるんじゃないかと..」

 

 

ティアゴ

「あれ、意識不明の重体だって聞いたんだけど」

 

リンゴ

「意識不明?

 

殴られてクラクラしたけど、意識不明になんてなってないけどな..」

 

なんでそんな風になってるんだろうとリンゴは首を傾げた。

 

 

ティアゴ(イマノルのやつ!!)

 

 

リンゴ

「それで慌ててきてくれたの?

ありがとうー」

 

 

ティアゴ

「レドリーをかばって殴られたの?なんでそんな無茶するんだよ」

 

リンゴ

「子供が襲われてたら、助けるのは当たり前じゃない。

それに、ティアゴ君だって子供の時の私も大人になってからだって、助けてくれたし」

 

リンゴはにっこり笑った。

 

 

ティアゴは顔をしかめ、リンゴの頭をそっと撫でた。

 

ティアゴ

「リンゴはなんでいつも傷だらけなんだよ..」

 

リンゴ

「鈍臭いのかな?」

リンゴは明るく笑った。

 

ティアゴ

「・・レドリーのこと助けてくれてありがとう」

 

リンゴ

「どういたしまして。武術職のつとめですよ!」

 
 
 
 
 
 
ときは遡ること数刻前。
 
 
 
 
『ゲート』の出現により、同時に現れた魔人たちの襲撃にあったリンゴとレドリー。
 
 
レドリーをかばったリンゴは魔人の拳の餌食となった。
 
 
殴られて目の前に花火が散るような衝撃に、クラクラして視点が合わなくてなった。
 
 
練兵場は、人通りの多い場所にあるため、すぐに異変を察知した人たちの声が聞こえた。
 
 
誰かの足音がして、剣を振るう音がする。
 
ジェレマイア
「大丈夫?!」
 
昔から聞いている大好きな声に、リンゴは顔をあげた。
 
「うん!」
 
ガタガタと震えるレドリーを抱き上げて、リンゴは片方の手に銃を構えて撃ちながら後退していく。
 
国民の中でも腕に覚えのある者たちが、武器を構えて魔人たちと交戦を始めた。
 
リンゴは見知った顔を見つけて駆け寄った。
 
ラナ「リンゴちゃん..!大丈夫?!」
 
頭から血を流しているリンゴを見てラナは顔色を変えた。
 
 
リンゴ
「大丈夫!レドリーを連れて、エルネア城まで逃げて!」
 
ラナ「リンゴちゃんは?!」
 
リンゴ「私は戦う!レドリーをお願い!」
 
リンゴはラナにレドリーを抱かせると、踵を返して魔人の群れに向かって突撃した。
 
騒ぎを聞きつけたリリーや数人の騎士隊が駆けつけた。
 
リリー「進軍せよ!」
 
掛け声と共に、騎士隊が走り出し、魔人と交戦を開始する。その中にはローデリックの姿もあった。


ダンジョンに入ってなかった武術職が続々と増援としてやってきた。
 
増援のおかげで、激しい戦闘の後、魔人を殲滅した。




 
戦闘が終わり、皆大きく肩を上下に揺らして息をする。

頭から血を流す娘を見てジェレマイアは駆け寄ってきた。
 
ジェレマイア
「大丈夫?!早く治療を..」
 
リンゴ
「あはは、ドジっちゃった」
 
血がポタポタと地面に滴り落ちた。
 
ここからだと自宅よりも、エルネア城の方が近い。ジェレマイアに抱えられて、リンゴはエルネア城の騎士隊長の居室に運ばれて治療を受けた。
 
しばらくするとカトリーンさんが血相を変えてやってきて、レドリーを抱きしめたあと、
 
カトリーン
「レドリーを助けてくれてありがとう..リンゴちゃんにこんな怪我をさせてしまって何とお詫びしたらいいか..」
 
リンゴ
「いえいえ、子供を助けるのは武術職の仕事です。それに怪我したのは私が鈍臭いからですのでお気になさらず」
 
リンゴは明るく笑い飛ばした。
 
カトリーンは涙ぐみながら何度も何度も礼を言ってレドリーを連れて帰って行った。
 
 
 
 
練兵場には、ダンジョンから出てきた武術職の人間が続々と集まってきていた。
 

リンゴの見舞いを終えたティアゴがようやく合流する。
 
練兵場に中央あたりには血痕がいくつも残されていた。リンゴの流した血だった。
 
ティアゴはリリーとジェレマイアのところまでいくと深々と頭を下げた。
 
ティアゴ
「レドリーのせいでリンゴに怪我を負わせてしまい申し訳ありません」
 
リリー
「なんでティアゴ君が謝るのー。レドリー君が無事で良かったね。リンゴもたいしたことないんだから気にしないで!」
 
ジェレマイア
「そうそう。リンゴもあれで武人なんだから気にしないで下さい、導師」
 
話をしているとバルナバとバーニーがやってきた。
 
バーニー
「この王国に開かれたゲートに向かって、魔物が侵攻を開始している。交代でゲートの中の途中まで突入し、敵を殲滅する必要があると思う」
 
ジェレマイア
「分かりました。ローテーションを組んでやりましょう」
 
リリー
「もうこのゲートから魔物が出るようなことはさせない」
 
 
話し合い、騎士隊が最初にゲートに突入することになった。
 
念のため、最初の突入は、龍騎士のバルナバ、リリー、そしてジェレマイアの三人となった。
 
 
この間、ティアゴは魔銃師会のメンバーに、戦闘の時に使う服を支給した。
 
着替えると、ティアゴは嫌な予感がしてリンゴの元へ。
 
リンゴはベットから起き上がり、身支度を整えていた。
 
リンゴ
「あ、ティアゴ君...その服、
やっぱり似合うねー」
 
 
ティアゴ
「・・それは、どうもありがとう・・ところで、もしやと思うけど、ゲート突入に行くわけじゃないよね?」
 
リンゴ
「え?そのつもりだけど。頭痛いのなくなったし」
 
 
ティアゴ
「・・・いやいや、今日は寝てなきゃだめでしょう」
 
リンゴ
「大丈夫だよ!導師は心配性ですよ、こうみえて私はかなり頑丈なんですよ!」
 
ティアゴ
「レドリーのせいでそんな怪我負わせて、これ以上なにかあったら、リリーさんたちにも陛下にも殿下にもなんて言えばいいか...頼むから、休んでて」
 
リンゴ「・・えー・・」
 
明らかに不満げな声を出して、顔をしかめるリンゴにティアゴはため息をつくと、リンゴを抱き上げて、ベットまで運んで、寝かせた。
 

ティアゴ
「リンゴの分も戦ってくるから、いい子にして待ってて」
と、リンゴの唇に唇を重ねた。いつもより長い口づけだった。
 
唇が離れると、リンゴは悔しそうな顔をした。
 
リンゴ
「ズルい...ティアゴ君はズルい...」
 
ティアゴ
「大人しくしててくれるならいくらでもするよ?」
 
ティアゴはくすりと笑い、再び口づけを落とした。
 
リンゴ
「分かった、ちゃんと寝てる...怪我しないでね」
 
ティアゴ
「ん・・行ってくる」
 
ティアゴはリンゴの頭を撫でると、騎士隊長の居室を後にした。
 
 
 
 
 
 
練兵場のゲートの方は先発隊のリリー、バルナバ、ジェレマイアが帰還していた。
 
三人とも汗だくで疲弊している様子だった。
 
ティアゴ「大丈夫ですか?」
 
バルナバ
「うん..魔物の数が多かった・・しかも上級クラスの魔物ばかりでかたくてなかなか突破出来なかった」
 
全員、カンスト、二人の龍騎士。このメンツで苦戦してたとなると、他のメンバーは厳しそうだ。
 
夜2刻まで交代でゲートに突入していった。
 
 
 
 
導師であるティアゴの顔に泥を塗るわけにはいかない。

不本意ながら、リンゴは言われた通り大人しくベットで横になっていたリンゴは、魔物の唸り声に起き上がり、玉座の間に飛び出した。

 
魔物と魔人が20体以上、エルネア城に入り込んでいた。
 
エティ陛下とマドックさん、ヴェルンヘルが玉座の間にきてぎょっとしていた。
 

リンゴ
「陛下、マドック様、殿下!
お下がりください!!」

 
リンゴは剣を構えた。一番強いスキルのある武器で容赦ない攻撃を魔物たちに叩きつけた。
 
幸い、リンゴ一人で処理できるほどだった。ほどなく魔物を倒すと、陛下たちは安堵の息をついた。
 
顔を青くしているヴェルンヘルにリンゴが声をかけようとした時、リリーたちがエルネア城に到着した。
 
各代表のリリー、バーニー、ティアゴは陛下に本日の成果を報告している。
 

リリー
「ゲート内の魔人の殲滅が完了しました。ゲート自体、不安定になってきており、ゲートは間もなく消滅すると思われます」


 
報告を聞き終えて、リンゴはヴェルンヘルと共に家に向かった。
 
 
 
 
ヴェルンヘル
「リンゴは無茶するなぁ...」
 
リンゴ
「小さい子がそばにいたんだもん。多少は無茶するよー」
 
ヴェルンヘル
「・・あのゲートは自然にできたものらしいね」
 
リンゴ
「そっかー。この前からあの場所で妙な感じがしていたのはそのせいなんだね」
 
ヴェルンヘル「そうだったんだ」
 
リンゴ「うん」
 


二人は月明かりを頼りに歩いていた。頭上に輝く月を見上げて、ヴェルンヘルは睫毛を伏せた。



ヴェルンヘル
「・・いつか、この国は滅びるんだろうか」
 
小さい声で、頼りなげな声で呟いた。
 

リンゴ
「・・・そんなことないよ!山岳兵団も騎士隊も魔銃師会も強いんだよ!負けるわけがないよ」
 

ヴェルンヘル
「あのゲートが連鎖的に次々とできて、魔物が国中にあふれてたらって思うと..」
 
リンゴ
「大丈夫だよ、そうなっても必ず返り討ちにできるから」

こんな弱音をヴェルンヘルが今まで吐いてことがあっただろうかとリンゴは焦燥感に襲われながらも明るい声で自信ありげに言う。
 
ヴェルンヘル
「この国がなぜ今平和だか分かる?
昔、多くの犠牲があって、その屍の上で成り立ってるんだ。平和には多くの犠牲が必要だった。次の平和を作るのに、次の犠牲は自分たちだとは思わない?」
 
 
一度言葉を切り、ヴェルンヘルは静かに言った。
 
 
ヴェルンヘル
「この平和な国は、砂上の楼閣にすぎないんだよ」
 
 
のんきなヴェルンヘルが、淡々と言う姿に
 
 
何故彼が旅人を使って情報を収集しているのか、
わかった気がした。
 
 
彼は、ずっとずっと不安だったんだ。
 だからって君は常に女の子と一緒にいちゃだめだぞ
 
リンゴ
「大丈夫だよ、ヴェルンヘル!」
 
リンゴはヴェルンヘルの両手を握り、不安げに揺れるその目を見つめた。
 
「私がヴェルンヘルのこと、絶対守るから」