210年 悲しい光の魔術師 | エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国モニカ国の暮らし。

エルネア王国の日々の備忘録です。妄想もかなりあります。モニカ国。他のゲームの事も気ままに書いていこうと思います。
多忙のためのんびり更新中です。アイコンは旧都なぎ様のきゅーとなクラシックメーカーより。

任天堂Switch版 エルネア王国をもとに書いております。


<人物紹介>

リンゴ・フォード。
三代目PC。








 
 
どれくらい、経ったのだろう。
 
リリーとジェレマイアたち騎士隊は、北の森で、ダンジョンから溢れてくる魔獣を斬り伏せていた。
 
斬っても斬ってもキリがない。
 
ダンジョンから溢れているから退くわけにもいかず、連戦していた。
 
エドモンド
「ドルム山ではバルナバ兵団長たちが洞窟から出た魔人どもと交戦中!遺跡では導師たちが交戦中です」
 
リリー
(どこからも応援はこれない!むしろ我々がここを片付けて、援護に向かうくらいじゃないと..!これもレッド..!?いつまでこの国に手を出すの?)
 
     







 
リンゴが行き着いた先は、空には美しい花火の魔法が打ち上がり、それを眺める1人の男がいた。


 
外套を翻し、その男はリンゴの姿を見て微笑を浮かべる。
 


「本当に1人できてくれたんですね」

 
リンゴ
「1人でこないと魔獣の軍勢を差し向けるって話でしたけど..すでに沢山ダンジョンから出してますよね」
リンゴはムスッとして馬から降りした。
 
レッド
「あれくらい、龍騎士2人もいるんだから耐えきれますよね」
 
リンゴ「.....あなた、どこかの国の王子なんですよね、Xさんから聞きました..」
 
 
レッド
「...ふん、アイツがしゃべったんですか..今は先王子ってやつですよ..」
 
リンゴ
「最近まで言いませんでした...なぜあなたがこんなに手を汚すんです?もっと違う場所でのんびり暮らすこともできるでしょ?」
 
 
レッド
「...平和な国の人間には分かりませんよ..早く死ねばいいと周りに思われる、そんな人間のことはね」
 
リンゴ
「ーーーーあなたの気持ちはきっと私には分かりません。でも、こんなこと、もうしてほしくありません」
 
レッドは微笑みを浮かべ、銃を抜いた。
 
 
レッド
「おしゃべりもいいが、もう終わりにしましょう。俺のこと、殺すって言いましたよね」
 
 
銃口がリンゴに向けられた。
 
 
 


 
ドルム山も魔人がダンジョンから出てきて大変な騒ぎになっていた。
 
龍騎士のいるドルム山には、遺跡よりも多く出現していた。
 
バルナバ(6ファミリー総力戦であたってるのにここまで苦戦するなんて..!)
 
ドルム山、北の森、遺跡の中で、ドルム山は最も兵が多いのもあってまだ耐えていた。
 
次期隊長のアラルコス、イマノル、アリシア、メーベルも善戦していた。
 
隊長たちバーニー、バーニスたちも死力を尽くし、敵をなぎ倒していく。
 
「申し上げます!北の森、突破されています!騎士隊、多数の負傷者が出ています!」
国民の1人が慌てて伝えにきた。
 
バルナバ「な、なんだって?!
リリー隊長は?!」
隊長が無事かどうかで騎士隊の士気が大きく違う。
戦力的に、北の森より遺跡の方が危ないと思っていたのだが..
 
「ご無事ですが、負傷者をかばって戦い、かなり苦戦しておられます!北の森は5方向から魔獣が出現していて、かなりの敵の数です!」
*森の小道、深い森、魔獣の森、ゲーナの森、瘴気の森の各ダンジョンから敵が出現
 
バーニー
「兵団長!!北の森に応援にいきましょう!」
 
ユズ「このままじゃ、エルネア城まで..」
 
 
バルナバ
「コルテス家とシモーヌのボイド家は、北の森に応援にいけ!それでも戦力が足りなそうなら伝令を出して伝えろ!」
バルナバはフォード家の親戚にあたるコルテス家とボイド家を派遣することを決める。
 
バーニー「了解!」
 
シモーヌ「了解」
バーニーとユズ、アルシア、シモーヌ、レオナルド(シモーヌの旦那)イマノルは北の森に向かった。
 
 
 
 
リンゴとレッドが撃った弾は、お互い避けたので当たらず、荒野に消えていった。


 
撃っては身を翻し、瞬きさえできないほど緊迫した銃撃戦になっていた。
 
 
リンゴは走り込んで岩陰に隠れた。

 
呼吸を整え、相手の様子を伺う。


 
足音が近くで止まった。
 
 
 
 
風の音だけが荒野に響き、自分の心臓の音と呼吸だけを感じた。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
岩陰を飛び出し、足音がした方向に銃口を向けた瞬間、レッドの撃った銃弾が、リンゴの腕を貫通した。
 
リンゴ
「ーーー!!」
 
 
 
 
リンゴは2丁銃を持っていた。撃たれていないほつの銃の引き金を引き、レッドの足を打ち抜き、レッドから更なる発砲。銃弾は太ももを掠った。
 


リンゴはニ発目を撃つ。

 
レッドの腕に命中し、手から銃が滑り落ちた。

 
 
 
レッドは手をリンゴの方に向け、そこから光の魔法が繰り出されて、身体が宙を舞い、地面に激しく打ち付けられて転がった。
 
 
すぐに起き上がり、リンゴは撃ちながら走り込んだ。
 
レッドの手のひらに銃弾があたり、血が飛びった。
 
 
 
 
 
 
 
 
凍てつい瞳が、リンゴを見上げていた。
 
 
 
 
 
荒野に膝をついたレッドは、微笑した。
 
 
 
レッド
「負けてしまいましたね..」
 
 
 
リンゴは肩で大きく息をついて、冷たい銃口をレッドの頭に向けていた。
 
 
 
リンゴ
「なんで、私だったんですか?」
 

 
レッド
「ーー?」
 



リンゴ
「あの国には龍騎士が2人もいます、なぜ私を相手に選んだんですか?面白いおもちゃに見えたんですか?」
 
 
レッドの目がリンゴを見つめる。
 
 
吸い込まれそうな瞳で、見ていてとても悲しい気持ちになった。
 
 



 
レッド
 「似てるからさ」
 
 
 

リンゴ
「似てる?」
 



 
 
レッド
 「俺と、あなたが」
 
 
 
リンゴ
「共通点が見当たりません...」
 
 
 
 
レッド
「だって、俺たちは
 
 
1番欲しいものが手に入らないじゃない」
 
 


 
リンゴ「ーーー」
 
 
 
 
レッド
 「本当に欲しいものさえ手に入ればいいのに
 
 
俺たちはそれが絶対に手に入らない」
 
 



 
リンゴ「・・本当に、欲しいもの..レッドさんは、なにが欲しいんですか?」

 言われたことに、困惑しつつリンゴは声を振り絞った。



 
レッド
「さあね、自分でももうよくわかりませんね」
 
 
リンゴ「あなたは本当はこんな事したくなかったんじゃないですか?誰かを傷つけたくないはずですよ」
 
レッド
「俺は、エルネア王国に歪みを発生させて、その結果、騎士隊三人は死んだ。ほかの国でも似たようなことをしている」
 
 
リンゴ
「...あなたの得意な魔法は、花火の魔法だと伺いました。よく花火魔法を使っていたって。
 
花火の魔法は美しい...
 
みんなを喜ばせたくって、花火魔法をよく使っていたんでしょう?」
 
 
 
レッド
「ーーー母上は、そんな俺に毒を盛ったけどね。俺が毒で苦しんで倒れた時、母上はただ黙って、冷たい目で俺を見下ろしていた。昔も、今も、俺は存在が邪魔なんですよ。あなたの国にとっても」
 
 
 
言葉がなかなか出てこなかった。ようやく、掠れた声で、
 
リンゴ
「Xさん、言ってました..なぜあなたに手を差し伸べてあげれなかったんだって、、後悔していました。みんながみんなあなたを邪魔だなんて思っていませんよ!」
 
 
レッド
「Xがそんなことをね..まあ、あいつは勉強で宿舎に入って軟禁状態だったし..」
 
 
 
レッドは静かに目を閉じた。
 
 
 
 
「もう十分...
そろそろとどめをさしてください」
 
 
 
 
リンゴ「ーーー」
 
 
 
レッド
「もう俺に、魔術を操る力はない。エルネア王国に出た魔獣はもう消えているころだ。早く戻ったほうがいい」
 
 
 
 
 
 
 
 
リンゴは引き金に指をかけた。
 
 
 
 
 
 
一発の銃声が荒野の空に響いた。
 
 
 
 
 
 
 
エルネア王国に上がっていた花火がぴたりと止まり、北の森の魔獣、ドルム山の魔人、遺跡の古代兵器が、煙のように消えていった。
 
騎士隊は負傷者が出たものの、山岳兵団の応援のおかげでなんとか川辺で魔獣の軍勢を抑え、町への被害は出なかった。
 
 
遺跡で戦っていたXは古代兵器が消えて安堵するどころか顔をしかめた。
 
X(術が消えた...意図的に本人が消したか、消されたのか..)
 
X「皆さんありがとうございました!魔銃師会だけじゃ危なかったかも!本当にありがとう!」
 
一緒に戦ってくれて国民に、魔銃師会はお礼をいった。居合わせたルークも参戦していた。
 
ティアゴ
「国民でいるの勿体ないですよ、せっかく銃持ちなんですから魔銃師会に志願しません?」
ティアゴがルークをスカウトしていた。
 
ルーク
「魔銃師会かぁ、大変そうですね..騎士隊は姉貴たちがいて怖いし..考えておきます」
 
 
ティアゴ
「魔銃師会はここで待機。俺は激戦だったらしい北の森にいく」

ティアゴは魔銃師たちに指示をした。
 
X「私は陛下と殿下のところに行く」
 
ティアゴ
「お願いします。遺跡のことはアルディスさん、お願いしますね」
 
アルディス「導師、了解しました」
 
 
 
 
 
 
ドルム山も、魔人がきえた。
 
バルナバはしばらく確認をしてから、アリス隊長とバーニス隊長、メーベルにドルム山を任せて、ティムと北の森に向かった。
 
川辺までくると数人の騎士隊が倒れていて、それを国民が取り囲み、怪我の具合を見ていた。
辺りには人の血や魔獣の血で赤い染みが広がっていた。
 
森の方からジェレマイアとリリーが歩いてきた。2人とも鎧が返り血で染まっていた。激戦だったことが伺える。
 
リリー
「ドルム山も大変だったみたいだね..無事で良かった」
 
リリーはバルナバの姿をみて安堵した。
 
バルナバ
「リリー隊長もジェレマイア君も無事で良かった..ここは特に激戦だったみたいだね。怪我人運ぶの手伝うよ」
 
ジェレマイア「ありがとうございます」
 
そこにティアゴがやってきた。
 
ティアゴ
「大変だったみたいですね..状況はどうですか?怪我人ですんでます?」
 
リリー
「ティアゴ君!無事でよかった。みんな怪我だけで無事だよ。
山岳兵団の応援がなかったら危なかったけど..」
 
ティアゴ
「この前リンゴとダンジョン入った時にやけに瘴気が多かったですよ..もしかしたらその時からなにが仕掛けられていたのか、自然発生したのか..」
(いや、あの花火魔法がレッドのものなら自然発生はないか..瘴気が増えてる時期に合わせて瘴気を増やす術をかけて魔獣の数を増幅させた可能性はあるが..)
 
 
 
そういえば、とティアゴは導きの蝶を使ってリンゴの居場所を調べようとした。すると後ろか
イマノルがその様子を盗み見ている。
 
ティアゴ「ーーなにかな?」
この前のことを見られているのでティアゴはイマノルに対して複雑な気持ちがあった。なにをどう思われているのか..
 
イマノル
「導師の交友関係ってどーなってるのかなって思って」
 
ティアゴ(ストレートだな..)
 
ティム「たしかに面白そう」
ティムはニヤリと笑った。
 
バルナバ
「お前ら、こんな時になにいってるんだよ。怪我してる人に手を貸せ!」
バルナバは若いティムとイマノルをたしなめた。
 
ティム「うわ、すみません!」
 
ティムとイマノルは慌てて手伝いに向かった。
 
 
ティアゴ
(イマノル...なるべく関わらないでおこう)
 
リリー「ティアゴ君、ちょっといいかな?」
 
ティアゴはリリーに話かけられて、リンゴのことをチェックするのを中断させられてしまった。
 
 


 あとがき
香川に住むおばさんが、関東近辺に用事があるとのことで、こちらに寄ってくれた。
東京観光を満喫していて、こちらに住む私よりたくさん東京を楽しんでいた..
(私の住む場所は、東京まで電車ですぐ。近すぎていつでも行けるからいかない..)

いとこが難関の大学に合格した報告は本当に嬉しかった。それを素直に喜び、おめでとうと伝えると私はなんていい子なんだとなぜか褒められ、そして感謝?された。
おばさんの周りはどうなってるんだと心配になる。