「もしも私に何かあったら...
新しい龍騎士が誕生日するまでその事を隠すこと。
もし死神がついたらジェレマイアには伝えてここに連れてくること..
この状況を、隠すには、エティ女王陛下の協力が不可欠..
エティなら、必ず、我々に手を差し伸べてくれる
お願い、X
エティ女王陛下に、このことを伝えて。お願い」
X「....わかった!!」
Xは女王陛下の元に向かった。

「陛下
人払いをお願いします」
Xはいつになく真剣でエティはその威圧感に一瞬臆するほど鬼気迫ったものがあった。
Xは、エティ女王陛下に全てを話した。
エティはしばらく黙っていた。
リリーの親友でもある陛下はリリーの体調が悪いことは前から気づいていた。
エティ
「それで、リリーの居場所は、今ダンジョンに設定しているの?」
X「はい。しかし、夜2刻を過ぎても出てこなければ、必ず怪しまれます」
エティ「ならば...
ヴォルゴの森で魔獣どもが増え過ぎて猛威を振るっている。
ローゼル近衛騎士隊隊長リリー・フォードに、
ヴォルゴの森での討伐を命じる。
撤退命令が出るまで、ダンジョンから出ることを禁じる!」
X「陛下!
そ、それではそのような命令をお命じになった陛下に民は不満を抱きます!」
エティ
「私はリリーが、苦しんでいるのを知っていて、見て見ぬふりをして、こうして今日まで安全な場所で、平和に過ごしていた..
何もできぬ王に出来ることは、リリーの望みどおり、バグウェル戦が終わるまで、リリーの姿を隠す手伝いをすることだけです。
王の私にしか出来ぬこと、、X、この策はどうだろう?役には立てないか?」
X「...陛下...役に立てないどころか、今はそれしかありません!お願いします」
エティ「X、
ローゼル近衛騎士隊、ガルフィン魔銃師協会、ドルム・ニヴ山岳兵団への伝令を命じる」
X「はい、お任せ下さい。」
王国のアナウンスが響き渡る
ヴォルゴの森の魔獣が急激に増加したため、ローゼル近衛騎士隊隊長リリー・フォードに討伐を命じる。許可なくダンジョンから出ることを禁じる。
リリー・フォード以外のヴォルゴの森への出入りを禁じる。
ジェレマイア「なっ、、なんだこのアナウンスは!?」
国内はざわめいた。
こんなアナウンスは流れたことがない。
☆
山岳兵団の村
リリーに会いにいくのを阻止されたバルナバがXを家に迎えいれる。
その時、アナウンスが流れる。
バルナバが驚愕している。
バルナバ
「ヴォルゴの森で何が起きてるんだ?」
X「エティ女王陛下からの伝達内容はアナウンスの通りです。
魔獣の個体数が増えすぎたため、対処する人間が必要と判断され、エルネア杯での試合が今後なく、実力のあるリリー・フォードに白旗の矢がたちました。
なお、ヴォルゴの森でのリリー・フォードのダンジョンポイントは加算されません」
バルナバ「Xさん?!なんか変だよね?
リリーちゃん、本当は体調悪いはずじゃ..」
そこまでいって、バルナバはハッとした
バルナバ「リリーちゃんに何かあったの?!
そうなんだよね、Xさん!」
バルナバは険しい顔でXを問い詰める。Xはその迫力に押されかけた。ここで、Xが負けるわけにはいかない。
X「考えすぎよ!
そうならば武術職のトップにはそれが伝えられるはず。それに、リリーは先日、エリス薬草が投与されて回復に向かっている。
リリーの体調は、瘴気の影響をほとんど受けないまでに回復したの。なんの問題もないわ
それに、エティ女王陛下が、ほんとうにリリーに何かあったら団長には絶対伝えるわ!
そう思わない?」
Xは畳み掛けるように話した。
X「たしかに病み上がりのリリーに、酷な任務ではあるけれどあの子なら大丈夫よ」
エルネア城に戻ると、ジェレマイアがエティに詰め寄っていた。
ジェレマイア
「陛下!夜も寝ずにヴォルゴの森にこもれなど、そんな命令おかしいです!
ローゼル近衛騎士隊は、隊長だけではありません!このジェレマイアに精鋭の騎士と騎兵が揃っています!交代でその任務あたらせて下さい!」
転移魔法を使ってやってきたバルナバもその様子を見ていた。
エティ
「ジェレマイアはまだエルネア杯の試合が残っているだろう。そなたは試合のことだけに集中するように」
ジェレマイア「しかし..」
エティ「リリーほどの猛者がどこにいる?
今この、国の最強武人はリリー・フォードただ1人。ほかの隊員がそのかわりが務まるのか?
絶対にミスをしないのか?絶対に途中で離脱しないのか?」
ジェレマイア「それは...」
エティ「わかったであろう
そなたたちでは、実力不足なのだ。下がりなさい」
ジェレマイア
「陛下!まるで、リリーが試合に負けたからその罰でお命じになったみたいではありませんか!」
ジェレマイアがなお食い下がる。
バルナバは慌ててジェレマイアを止めようとした。
バルナバ
「陛下、ジェレマイアさんと同じ意見です。陛下らしくもないご判断...なにがあったのですか」
エティ「2人とも立場をわきまえなさい。
王命に納得できぬのなら、ジェレマイア・フォードよ。たった今から、しばらくそなたに謹慎を命じる。
試合の時以外一歩たりとも部屋の外に出ることを許しません」
エティの声は、ひときわ冷たかった。
突然王から下された処分に、ジェレマイアとバルナバは目を見開いた。
リンゴはその光景を目撃して、ヘナヘナと座り込んだ。