

酒場に行くと、Xとバルナバが飲んでいた
この二人はこの数日一緒に飲んでいる
リリーはバルナバたちがいると毎回ではないが大体一緒に飲んでいる。
しかし、いまはバルナバとはなんだか気まずい。
Xはなにを考えているのか分からず、腹がたつ
お前はほんとになんなんだ..
Xたちがなにか熱心に話している。そしてリリーの姿に気づくと一度話を中断した。
エルネア杯の話でもしているんだろうか..
リリーの話なのだろうか。
X
「リリーも一緒に飲もうー」
Xはいつも通り、気さくな態度だった。バルナバは視線をグラスの方に向けていた。
リリー
「ん..せっかくだけど、遠慮しておく」
Xはともかく、今の状態でバルナバと飲むのは気まずい。酒が入れば口が滑ってしまうかもしれない。
それにあの二人は今組んでいると思われる。
そんな二人と一緒にいてもリリーの心は曇るだけ..
この状態がわかっているだろうXは、もしリリーが承諾した場合、多分1人でしゃべり続けることになりそうだが彼女はそれを分かっているのだろうか?
リリーはカウンター席に座り二人に背を向けた。
さっさと強い酒を飲んで帰ろう。
リリー「ウォッカ」
ウィアラ「..はーい」
バルナバと試合をした日から、リリーとバルナバが飲むことはなかった。
リリーが帰ってから、バルナバはため息をついた。
X
「なにため息なんかついて」
バルナバ「別に..」
X「私のせいでリリーに嫌われちゃった?
ごめんねー」
ごめんねーというわりに悪びれた様子は微塵も感じないのはなぜだろう。
バルナバ「別に..
普通に、仕事がやりにくくはなったけど..」
(気まずいな..
王立闘技場で、リリーちゃんと目が合った時..
あの時のリリーちゃんの顔が目に焼きついている。
疑心と、悲しげで苦しそうな表情だった。)

☆まるでお父さんかお兄さん
リンゴは夜、酒場、ヤーノ市場とまわる所が多い。昼間はダンジョンにこもったり忙しいのでダンジョンに入れなくなった夜に買い物をしたりミッションを受けたりする。
買い物をすませていると、ティアゴに遭遇する。
どうやら導きの蝶でわざわざ会いにきたようだ
リンゴ
「どうかした?」
ティアゴ
「どうかした?じゃない、何時だと思ってるの、帰るよ」
リンゴ
「えー??まだ夜3刻だよ?!」
ティアゴ
「えーじゃない、こんな時間まで出歩くなんて、この前のこと忘れた?」
(まだ夜3刻ってリンゴの感覚はどうなってるんだ)
この前とは夜中出歩いいてレッドに遭遇した事を指していると思われる。
リンゴ
「..はーい」
リンゴはおとなしくティアゴに送ってもらった。
リンゴ
「一人で帰れるよーなんなら転移魔法つかうし」
ティアゴ
「リンゴは、転移魔法で使う導きの蝶ケチってるだろ?(900個以上あるのにケチるしな)大人しく毎日それを使って帰るとは思えない」
リンゴ
(相変わらず私の考えを見抜いている..!)
ティアゴ
「Xさんからもなるべくリンゴを家まで送り届けてと言われている。さあ、帰るよ。俺に送られるのが嫌なら早く彼氏を作ってそいつに送ってもらいなさい」
リンゴ
「別に嫌とかじゃないよ、迷惑かなって。アゴくんの家と別方向だし」
ティアゴ
「子供の世話は慣れてる。気にしなくていいよ」
リンゴ「私は子供じゃない!」
バーニー「二人とも仲がいいね」
どこからかの帰りなのか山岳兵団のバルナバ、バーニーが歩いてこちらに向かってきていた。
ティアゴ
「..こんばんは」
ティアゴは内心警戒してバルナバたちに挨拶をする。
バルナバ
「二人とも仲よすぎて、誤解されるんじゃない?ティアゴ君結婚してるんだし、気をつけた方がいいよ」
ティアゴ
「リンゴのこと、赤ちゃんの頃からみてるんですよ!ありえませんよー」
(バルナバさん人の事言えないだろ)
リンゴ
「私も策士で何考えてるか分からないアゴ君となんてあり得ない..」
バルナバ
「最近よくティアゴ君はリンゴちゃんのこと送ってるよね?毎日のように送るなんて、よっぽどリンゴちゃんが大切なんだねぇ」
リンゴ(う..バルナバさんはアゴ君にも目をつけている..アゴ君を挑発している?なにか言わせる気だ..)
ティアゴ
「.....そりゃそうですよ。リンゴは年の離れた妹みたいな存在ですからね!口は悪いけど」
ティアゴはにこにこしながら答えた。リンゴには作り笑顔であると分かった。
リンゴ「口は悪いは余計だよ..」
ティアゴ
「ドルム山とエルネア城、同じ方面ですよね。バルナバさん、バーニーさん、リンゴのこと送ってくれますか」
バーニー「いいよ」
ティアゴ
「じゃあ、お願いします、おやすみなさいー」
ティアゴは帰っていった。
ティアゴの姿が見えなくなってから
バーニー
「ほんとにティアゴ君となにもないの?」
リンゴ
「バーニーさんまでなに言ってるの。やめてくださいよ、本当に..」
バルナバ
「まるで、ティアゴ君はなにかすごく警戒しているようだね」
リンゴ
「...え、そうかな?」
(バルナバさん、やっぱり鋭い!アゴ君から聞き出せないから攻めるのを私にかえたってところ?)
バーニー
「ティアゴ君は過保護だね。帰ろうか。」
不穏な空気を感じ取ったバーニーはリンゴの背中を押して歩きだした。
ジャネットさんの葬儀。
