原題は「MY LIFE WITHOUT ME」
トレラーハウスで貧しい生活の中、子供を育て、まだ若いベリンダ(映画ではアン)が自分の死期を知り、やりたい10のことをリストにし、ひとつずつ実現していく。
暗い内容ではなく、前向きな本です。
そのリストには自分がいなくなった後のことを考えた物も含まれます。
毎日子供たちにアイラヴユーを言い、数年間分のハッピーバースデーのメッセージをカセットに吹き込み、
夫に新しい恋人を、そして子供たちに母親を。
ベリンダが思う良き妻、良き母になってくれそうな人。
そうしなければ、生活が回らないと思ったから。
リストの中の「夫以外の男性を知る(本では、最低でも3人、他の人と愛し合うと書いてあります)」というのに抵抗を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、まだ若く世間を知らず、経験もないと思っているベリンダの正直な好奇心と恋愛・愛とは何かの追求だと思います。
子供ができてしまった事で早くに結婚し、生活と子育てに終われ、それどころではなかったのかもしれません。
私も映画を1度目に見た際はひっかかってしまいました。
自分が望むように生きるということは、自己犠牲と自己満足の繰り返しかもしれません。
周りの人間に配慮するのも必ずどこかでは居相をつける必要があります。
でもこの本や映画の良いところは、変に死や死に際を美化せず、10のリストという目的に向かって淡々と綴られている所です。
唯一、美化されているのが期間限定の恋人。
ベリンダと同じく、他の人々が生きる時間の流れからはみ出してしまった男。
妻だか恋人だかに荷物を全部持って出ていかれ、部屋にポツネンと残され、家具も何もない部屋で本を重ねて椅子にして腰掛け、そのまま暮らし続けている哀れな男。
彼もどんどん痩せて体調の悪すぎるベリンダを迎えに車で駆けつけてくる夫を眼前にして、彼女の死期が近いと悟った筈。
彼もベリンダとの関係でやりきれなさを味わいますが、人生はまた何度でもやり直せるというニュアンスで終わっています。
死を目前に目標をみつけ、精一杯生きるベリンダ。
目標を見失いさまよっていた男。
2人は対照的です。
「明日、死ぬかもしれない。」というと人は笑うけど、笑える人は幸福な人だと思う。
![]() 【中古】単行本(小説・エッセイ) <原作>死ぬまでにしたい10のこと【10P24sep10】 価格:80円(税込、送料別) |
![]() 【中古】洋画DVD 死ぬまでにしたい10のこと(マル得キャンペーン)【10P24sep10】 価格:1,370円(税込、送料別) |
本とDVDを間違えないようにね(✿。◕‿◕。)ノ