これもパウロ・コエーリョ氏の本でテーマは「愛の癒し」です。
主人公の女性、ピラールの心の動きや変化を幼なじみの彼との旅を通して描かれています。
長い間、平凡で穏やかな生活が1番幸せなことなのだと自分に言い聞かせていたピラール。
初めは軽い気持ちで旅立ち、今引き返せばいつでも安定した生活に戻れるはず、今帰らねばという不安に駆りたてられるのに、自分の内なる声に耳を澄ます内にピラールは本当に自分が求めていたものに気づき、神を再発見し、忘れかけていた信仰を取り戻し、勇気を奮い起します。
そんなピラールを彼は無条件で愛し、自由をも与えます。
危険を冒すことを恐れていては、人生は何も変わらない。
節目節目でシグナルを見落とさず、正しい選択をすれば望むものに辿りつける。
長い旅の出来事のひとつ一つに意味があります。
その中で、愛とは何か。
久しぶりに考えたような気がします。
つい尻ごみしてしまいそうな時に勇気をだせるかどうか。
愛に対する犠牲。
「望むなら、まず与えよ。」という言葉がありますが、彼がした自己犠牲は何も求めない無償の愛。
今は「好き」とか「愛している」とか簡単に口にする人がたくさんいるけど。
思った事を好きに口にしてもいいとは思うけれど。
無償の愛。
私は母親の愛くらいしか思い浮かびません。

ピエドラ川のほとりで私は泣いた