昨日の7日は銀之丞と私の結婚記念日でした。16年目は黄玉(おうぎょく)婚式、トパーズ婚式と言うそうですね。
夫は毎年大抵この日はお休みを取って一緒に過ごすのですが、残念ながら今年は出なければならないそうで…。
なので、先週の土曜日の夕食に、ちょっと早めのアニバーサリーディナーに出掛けて来ました。
ロサンジェルスはダウンタウン、ディズニーコンサートホールにほど近いフレンチレストラン「Patina(パティナ)」です。
ホームページはこちらです。→「French Restaurant Los Angeles | Patina」
以前2、3度来た事があるのですが、目新しい野菜をふんだんに使った、重すぎない、モダンなお料理を出す印象がありました。
さて、何を食べましょう…?
少しずつ色々な種類が味わえるコース料理「テイスティングメニュー」に心惹かれたのですが、何しろメインが「ハリバット(オヒョウ)」「鴨胸肉」「牛フィレ」と3種類も付くのは私には多過ぎるかな…。
前菜からデザートまでをアレコレ見比べて、さんざん悩んだのですが(「鴨」と「牛」を見て夫の心は3秒で決まっていた様子)…。
私が一番食べたいと思ったハリバットはアラカルトにはなかったので、結局私もこのコースメニューを頼むことにしました(食べきれなければモチロン、ドギーバッグでお持ち帰りできますしね。^^)
スパークリングのお水と、夫はまずジンのロックを、私はシャンパンを飲みながらわくわくとお料理の到着を待ちました。
写真撮影は、周りの方の迷惑になるようなら諦めようと思っていたのですが、テーブルとテーブルの間隔はゆったりしていたし、また他に撮っている人もいたので、なるべくササッと済ませる事にして許してもらいました。
ということで、構図やピントがイマイチなのはお許し下さい。

調度や什器もモダン。オレンジ色の水玉のグラスがきれいでした。写真の奥はお隣のテーブルのお魚の解体作業の様子です。
このお店では現在、アトラクションとして(?)ゲリドンサービスに力を入れているようで、キャビア、お魚のパイ包み焼き、ビーフステーキがワゴンで運ばれて来て、目の前で仕上げをして供されていました。
「パイ包み焼き」…。運ばれて行くのをちらりと見ただけでしたが、前回のブログで紹介した私が作ったものとは、当然ながら全くの別物でした(笑)。
さて。
一連のお料理は前奏曲、グリーンピースの冷たいスープのアミューズブーシェで始まりました。

*Chilled Green Pea Soup
豆の甘味と爽やかさがすーっと口の中に広がりました。浮き実はクリームとクルトン。添えてある豆の小さな葉っぱと蔓が可愛いかったです(いただきましたが味は殆どしませんでした)。
前菜のダンジェネスクラブのサラダは薄切りのマンゴーにくるまれて出て来ました。

*Dungeness Crab Fraîcheur hayden mango, basil, tomato, crostini
マンゴーの黄色にオレンジ色のトマト、黄色と緑色のソースの水玉に可愛いピンクの花びらを散らした彩りに、思わず歓声を上げました。
淡い緑色の点はアボカド、濃い緑の点はバジルのソースでした。淡い黄色のは微かに甘酸っぱかったんですが、結局何なのかは分からず(もしかしてプラムソースだったのかな…?)。
添えてある小さなクロスティーニのパリッ、サクッとした食感を合間に楽しみつつ。
微かにハラペーニョの辛味のついたドレッシングで和えたカニの身と、極薄のマンゴーの甘酸っぱさとの組み合わせは上々で、量が控えめなのが残念なくらいでしたが、まだまだ、先は長いのです。
次の一品。この日の白眉はこれでした。季節の野菜のつや煮、モザイク仕立てです。

*Seasonal Glazed Vegetable Mosaic ”jus de cuisson”, lemon oil
自然の野菜の色がこんなに美しいとは!
緑と白のアスパラガス、ビーツを含めて色違いのカブが数種、人参、黄人参、パースニップ(白人参)、セロリ、フェンネル、グリーンピースにリーク(ポロネギ)…。
ちょっとだけ効かせた塩が、野菜の甘味を引き立てていました。

それぞれの野菜を煮た煮汁を煮詰めて作ったという赤いソース(ビーツの色なんですね)は、ほんのり甘くて極上のポタージュの様でした。手前に3滴落としてあるレモンオイルで、見た目が更にポップに、心弾むような印象に。
一口ごとに「これは何だろう…?」「フェンネルだ!」「セロリは普通にセロリだなあ。」「リークがすごく甘い!」と、盛り上がり、とても楽しい一皿でした。
既に大満足して迎えたメインの一皿目はアラスカ産ハリバットのバジルサバイヨンソース。

*Alaskan Halibut morel mushroom, white asparagus, basil sabayon
付け合わせは2色のアスパラガスとモリーユ(アミガサ茸)のクリーム煮(私はこれが大好きなのです)。
ウェイター氏が言うところの「優しく穏やかにポーチされた」ハリバットは、中心までやっと火が通ったかどうか、という完璧な茹で加減でした。
とても美味しかったのですが、ソースのバジルの風味がやや大人し過ぎたかな…? もう少し香りがあっても良かったかもしれません。
お次のメインは鴨胸肉のロースト、橙(ダイダイ)風味。

*Maple Leaf Duck Breast farro, broccoli, zucchini blossom, bigarade jus
このお料理に合う赤を、と勧めてもらってソノマのピノノワールと一緒にいただきました。
グラッセした日本のカブとミニ人参、揚げたブロッコリーの葉とズッキーニの花、金柑の甘煮が添えられていました。
写真だとちょっと見えにくいですが、甘辛いソースがよく絡まったファッロ(スペルト小麦)の粒々が鴨の下にしいてあります。ムチッというかブキッというか、面白い食感でした。

鴨肉にオレンジソースは大好きな組み合わせです。
鴨自体もいい物だったのでしょうが、火の通り加減も絶妙でした。噛むとさくっと難なく千切れる鴨なんて初めて食べたかも…(わっ、シャレ!?^^)。
この時点で気持ちも胃袋もほぼ満腹、満足状態だったのですが、もう一品、メインがあるのです。
グラスフェッド(牧草肥育)牛のフィレステーキとショートリブの蒸し煮です。

*Grass Fed Beef Filet braised shortrib, zuckerman asparagus, olive jus
ショートリブはホンの一かけ(お皿の右横にあるキューブ)だったんですが…。
お腹が一杯だと、じっくり煮込んだお肉はレアに焼いたお肉より喉を通りにくいものだということを初めて知りました。
美味しい岩塩でシンプルに味付けされたフィレ肉は二口、コンガリ色よく焼けたじゃがいもと、甘さが良く出ていたエシャロット(揚げたかオーブンでじっくり焼いたかしたもの)、甘酸っぱい焼いたトマトのブランケットをかけたアスパラガスは、全てキッチリ半分だけいただいて、後はお持ち帰り用に包んでもらいました。
夫もフィレ肉は私より一口ほど余計に食べたようですが、後はto go(お持ち帰りのことです)に。
ですが、デザート用には別腹を用意してありました。もちろん。
キャラメルチョコレートのナメラカ風、バナナアイスクリーム添えです。夫はバナナが食べられないので(ちっちゃいからではない^^)代わりにバニラアイスクリームを添えてもらいました。

*Caramel Chocolate Namelaka banana, sponge, sesame
「Namelaka、ナメラカ」とはどこの言葉ぞ、と思ったらどうも日本語だったみたいです。^^
コーヒーを飲みながら、文字通りなめらかで濃厚なチョコレートケーキと、とろりとしたバナナ風味のアイスクリームの組み合わせを堪能しました。
また、両端に添えてあるケーキクラムが「ピーナツバター(これも夫の天敵)のスポンジ」だったので、これは私がもらって食べました。しっとり、モチモチしていて美味しかったです。
添えてある薄いリボン状のチョコレートを食べたら意外にも芳ばしい胡麻の風味が。裏面に胡麻を配するとは心ニクイ演出です。
そしてこれで終わらないのが本格フレンチレストラン。
デザートのデザート、プティフールはメッセージ付きで出て来ました。

*Petits Fours
レモン味のマカロンも、アプリコット…というよりは梅の味(?)のパート・ド・フリュイ(ゼリー菓子)も、口溶けのよいチョコレートも(実はやっとの思いで)全部いただいて…。
幸せな気持ちでお店を出ようとしたところで、お土産までいただきました。
家に帰って開けて見たら…。


*White Chocolate with Lemon Ganache
レモン味のガナッシュが入ったホワイトチョコレートでした(これは翌朝、ラテと一緒にいただきました)。
一皿一皿に作った人の心意気が感じらるようなお料理とゆったりしたサービスで、満足度120%のアニバーサリーディナーになりました。
それにつけても美しかった野菜のモザイク仕立て(写真の枚数が満足度を表していますね)。

その日によって少しずつ野菜の種類が変わるようなので、メニューにあるうちにもう一度くらい食べてみたいな、と言ったら「COCOなら自分で作れるんじゃない?」と銀之丞。
いえいえ、野菜は一種類ずつ別のお鍋で煮てあったし、しかもどれも温かかったんですよ。
一体コンロがいくつあったら足りるのか…? オーブンで保温しながらなら何とかなるかしら? でもそれを全部冷めないうちにきれいに盛りつけて出すとなると…。
…。
やはりレストランでいただきましょう。ちょっとマネしてみたい気はしますがネ。
さて、おいしいお料理で創作意欲を刺激され…た割には地味な内容にまとまった、次回はアニバーサリーディナー<おうちごはん編>です。
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