意識して自分から話題を振ること。
これが結構難しい。


質問に答えるだとか。
意見を言うだとか。
一つの話題に対して会話をするのは普通に出来る。


問題は全くの0からの会話。
どんな相手でも。
一体、どんな話をしてあげたらいいんだろう。


何を聞いてみよう。
何を話してみよう。
学校のこと、バイトのこと、友達のこと。
テレビの内容や雑誌で見たとか、情報はありふれているのに。


なぜだか、会話に上手く出来ない。
話したい気持ちだけ先走って、内容はスカスカで。


結局、よく何も会話しないで静かな雰囲気になる。
自分は静かでも、その相手と一緒にいるだけでも満足できる。
というか、我慢が出来る。
それに、つまらないと思わないから。


でも、相手はどうだろう。
無言の空間は居心地悪いだろうか。
面白くないと思うだろうか。
そう考えると、申し訳なくなる。


いつも明るくても本当は。
話し下手な人。
どうしようもなくなって、前が見えなくなる時がある。
張り詰めていた糸が切れそうになる時がある。
弱音を零して、自分も傷つける時がある。


そうやって、どうしようもなく自分が嫌いになるとき。
いつも、助けてくれたのはあなたでした。


その優しさに触れる度に、温かくて涙が零れそうになる。
言葉が、表情が。
全てを包んでくれたり、大事なことを捜し当ててくれたり、底から掬い上げてくれたり。


そうやって君は、いとも簡単に綺麗にしてくれる。
どんなに汚れていても、見るに堪えないぐらい醜くても。
大事なことを受け止めながら。
ゆっくりと明かりを燈してくれる。


なぜ、君はそんなに優しいんだろう。
なぜ、こんなにも温かいんだろう。
なぜ、悲しくも無いのに涙が出るんだろう。


辛いとか寂しいとか、そんな暗い感情じゃなく。
胸の奥が柔らかくなって。
むせ返るような温もりが咽をついて。
どうしようもなく泣きたくなるんです。


構ってほしい訳でもなく、慰めてほしい訳でもなく。
自分自身でも理由をイマイチ掴めず。
でも、止められない。


でも、一つだけ言えるのは。
君に救われているんだということ。
大袈裟かもしれないけれど。
それでも心からそう思う。


ありがとう。
何度言っても足りないけれど。
君が居てくれて、ありがとう。

何も無くなってしまったと思った。



大切だと思われることも無くなり。

想う相手も無くなり。

広い世界に取り残された気分になった。



それまで狭い世界に居たあたしは。

外の世界に憧れを抱き。

狭い籠から抜け出して。

広い広い世界に飛び出した。



最初は怖くなんかなかった。

自分で一つ、目印を作って。

好き勝手に飛び回れた。



でも、目印はいつの間にか無くなってしまった。

急に行き先が分からなくなってしまった。

でも、戻ることは間違いだと分かっていて。

だけど、籠の中だからこそ、守られていたこともあって。



そのことのありがたさ。

守ってくれる人のいない事実。

世界を歩きたい願望。

けど、歩き方の分からないまま。

立ち尽くすしかなかった。



そして、ある時。

道が出来た。



そうして色んなことに気づかされる。

自分は独りじゃないってこと。

沢山の人に守られていたんだということ。

その中で、出会う色んな人々。



今。

あたしは、沢山大切だと思えるモノがある。

あんなに、独りだと思い込んでいたのに。

こんなにも大事だと思えるようになったなんて。



君のおかげで。

世界は本当に驚くぐらい変わった。

色んな想いと共に。



大切で、大切で。

好きの感情はもちろんあるけれども。

その、一番根本にあるのは。

大きな感謝なんだろう。