たまに。

そう、本当にたまに。

過去に通り過ぎてった人の事を思う。



今も元気にやっているのだろうか。

毎日楽しく過ごしているだろうか。

前よりも笑って過ごしているだろうか。

そんなことばかり思う。



あたしは、きっといっぱい傷つけたから。

あたしの我儘に振り回されて、意固地に悩まされて。

素直じゃなくて、困らせてばかりだったから。

しなくてもいい、しんどい思いを沢山しただろうから。



いつまでも、自分だけが悪いと思わなくていいんだよ。

きっと、相手にも悪いところがあったとも思うから。

一方的じゃなくて、お互いに悪いところがあったんだよって。

優しい人たちは言ってくれるけれども。



それでも。

今でも、あの時のように笑って会えない。

自然に笑えなくて、きっと困った笑顔になるだろうから。

今でも中々会えないまま。



あんなに大切だと思っていたのに。

大切なのに、傷つけた。

それが今でも心に引っ掛かって。

たまに、どうしようもなく、申し訳ない気持ちになる。



だから、いつでも祈るしかない。

隣で幸せにしてくれるのは、あたし以外の人で。

あたしと過ごした時よりも、幸せでいてくれますように。

苦しかったことなんか、綺麗さっぱり忘れてしまって。

もっと、その人のために考えてあげてほしい。

あたしなんか、いなかったと思ってくれればいい。



それは、寂しいことなのだけれども。

置いてけぼりにされたような気持ちになるから。

でも、記憶にあるせいで、その人の邪魔になるのであれば。

忘れてもらったほうがいい、と思うから。

忘れられることは、辛いことだけれど。

きっと、その方が良い。



だから、見えない所で、祈る。

どうか、どうか、前よりも幸せに。



そうやって考えるということは。

カタチが変わっても、「好き」だということ。

出会ったことが、つい先日のような。

もう何年も前のような。

不思議な感覚。



思えばあの時、なんて時間というのはゆっくり流れる物なんだろうと思っていた。

毎日が繰り返しのようで。

その中に少しだけ楽しいことがあって。

あとは、いつも通り。

そんな、つまらない1年を過ごすんだろうと思っていた。



でも、世界は一気に変わって。

今じゃ季節は秋で。

もうしばらくすれば、1年が終わる。



あんなに欲しがらなかった時間は、今じゃ宝物のように大切で。

一日一日がどれ程輝いていたのかを、今になって気付く。



不思議だね。

ただ、去年と違って、君に出会っただけなのに。

今年はとても世界が光って見える。

こんなに、世界は広くて美しい物だったんだ。



目に見えない物も。

新しく手に入った物も。

信じていたい物も。

教えてくれたのは、全部君でした。



その全てを教えてくれた君。

感謝の気持ちでいっぱいで。

その上に好きがあって。

それを含めて愛おしい。



あたしや、君。

そして、全ての人の想い。

全部を取り巻きながら。

今日も今日が過ぎていく。



大切なことを毎日一つ。

覚えて、知って、教えて、与えて、手に入れて。

煌めく毎日が過ぎていく。

それは、いつものふとした瞬間。

普通の人だったら、何一つ気にしないのに。

君だからこそ、気になる。



たとえばそう、街を歩いている時。

並んで歩くことは多いけれども。

人混みの中で、先々行ってしまうところとか。



たとえばそう、駅で別れる時。

あたしは名残惜しいと思うけれど。

君が振り返ることは無かったり。



大きなサインや小さな仕草。

それらの中で感じる。

心の奥の小さな切なさ。



君はあたしのことを好きだとは思っていないということ。



それは、嫌われているということではなくて。

好意が無いというわけではなくて。

君は、何も考えずに無意識でしていることなのだけれども。



所々で思い知らされる。

あたしの「好き」と君の「好き」は違うんだなって。

どんなに焦がれるように想っても。

その気持ちは、きっとほとんど届いていないということ。



口の端に付いた小さな汚れを拭いたり。

服に付いたゴミを取ったり。

歪んだ服装を直したり。

そういった時には意識しない。



だけど、手が当たったり、肩がぶつかったり。

バスや電車で隣に座る時。

ほんの少しの触れている所から、感じる温もりに。

ドキリと焦る自分がいる。

君の無意識が、知らず知らずのうちに。

こんなにあたしを悩ませる。



けど、どんなに意識したって意味が無い。

君は、いたっていつも通り。

こんな風に想っているなんて、思いもしないでしょう。



片思いという事実。

紛れも無い本当の話。

それに、気づかされる夜は。



なんだかいつも、少し切ない。