思えばわたしは幼いときから、「夢」というものをあまり抱かない子どもでした。
それは、すでに未来に失望していた、とかいうことではまったくなくむしろその逆で、
この世界には胸がはちきれそうなほどドキドキして、やってみずにはいられないことがいっぱい!
あえて男の子と競うかけっこ。
なりきりピンクレディー。
鳥と同じ目線を求めて木登り。
追跡、アリさんの大行列!
常に何かに夢中だったから、たぶん文字通り、すでに「夢」の中にいたのだと思います。
「今」に全力投球しすぎるあまり、未来の意味がよく理解できない子(笑)。
考えられるのはせいぜい明日のことまでだったから、
「お嫁さんになりたい」とか「ピアノの先生になりたい」とか、
まわりの子たちの夢を聞くと、
「そんな先のことがもう決められるなんてスゴイ!!」
と心底驚いたものです。
大人になるにつれて、夢を抱くってこういうことかと、人並みには学んだものの、
やはり長期的なヴィジョンはうまく描けないままOLをしていました。
そんなわたしが、ついに具体的な夢を持てるようになったのは、
「オートバイ」に乗り始めたことがきっかけでした。
このコがいれば、どこにでも行ける!
日本中を見て走りたい。
大陸も走ってみたい!
この世界を、自分のことを、もっともっと知りたい!!
そんな中で生まれたのが、
「このバイク旅の経験から生まれた想いを文にすることで、旅のすばらしさを広く伝えたい」
という夢でした。
そうして、脱サラして旅と執筆を生業とするようになり、
まさに「夢中」の年月が十年余り、続いています。
ありがたいことに長年にわたり続いている連載もあるので、
「エッセイ本を出したい」というさらなる夢も生まれました。
一方で、執筆とは別の情報発信の場として、
オートバイ乗りのためのアウトドアブランド「nomadica」を立ち上げ、
モノ・コト・バショのプロデュースを進めるにつれて、
まるで磁石に吸い寄せられるかのように、抗いようもなく深まった、
”軽井沢”との縁。
北軽井沢で「アースマイルビレッジ」(キャンプ場)のプロデュースを始めてからは、
ノマド体質だと思っていた自分がひとつの場所にこれほど魅了されるという
想定外の事態に戸惑いながらも、
エッセイにもたびたび浅間山麓のことを綴るようになりました。
キタカルの美しい自然と、やさしく迎え入れてくださる地域の方々と、
わたしの間に生まれた幸せな化学反応は、
いつしかわたしの夢のかたちをじわじわと変えてゆき、
それはみるみる膨らんで、このちっぽけな体内には抑えきれなくなって、
ついに、口からこぼれました…。
「軽井沢エリアをテーマにした本をつくりたい!」
その夢のさらにその先に、抱えきれないほどの夢が待っているから!!
というわけで、新しいチャレンジに向けて走り出したことをここに宣言いたします。
詳しくは、また後日☆