きっかけ
YouTubeで、海外発の道路への飛び出し事故を見ちゃいました。
どういったパターンの事故が多いのか、自分なら回避出来るのか、といった視点で考える為に覗いたんですが、結構ショッキングなので、リンクを貼るのは控えます。
その中でも、大人の無防備な飛び出しによる事故がとっても多く掲載されてます。
どうして飛び出しちゃうかというと、死角からの飛び出しなんです。
実際の画像は控えるので、図を作ってみました。
上図の様に、片側2車線などのケースで、外側車線が渋滞や駐車などで埋まってるケース。
一旦死角から出る際に、立ち止まればいいのに、道の端から小走りで一気に渡りきっちゃおうとするので、死角のゾーンを走行中の車両と衝突して終了・・
今日は、死角について、徹底検証です。
死角はこうやって出来る
平面的には、このゾーンに入っている物体は見えません。
死角は、意外と広い!
そこで、車両一台でどれだけの死角のゾーンを作るのかを算出!
計算を簡単にする為、視界妨害となる車両の大きさを、全長4m、車幅2mと前提条件としました。
さらにその時、車両前方1m手前の車道の端を視点としたのが下図。
※見づらい場合は、拡大して下さい。
これでわかる様に、2車線あるうち、隣の内側車道は死角ゾーンを作っている車両の後方15mは100%死角になっています!
また、たった一台の車両で、死角ゾーンの全長は後方35mにまで及ぶ事が分かります。
上図の例のように、内側車道を後方15mから車両が走行してくるケースでは、走行車両は僅か20mの走行で横断中の歩行者と衝突する事になります。
20mと言ったら、時速40kmでも2秒かかりません。なので、小走りでなんかで横断したら死角を走行中の車両にぶつかって、あっという間にあっちの世界に行っちゃうんです。
こういうのは、知っておいて損はありません。
死角ゾーンの算出
さて、先ほどの例では、車両の全長や全幅、車線の幅員などを、計算しやすい様に勝手に決めましたが、それらが変数になると、どうなるのか?という疑問が。
これ、三角形の相似関係が分かれば、サインもコサインも関数一切不要で求める事が出来ます(のはず)。
それで、こうなります。
※見づらい場合は拡大して下さい
車両の全長: x
歩行者の車両からの距離: y
道路1車線の幅員: d
この場合、前例の15mに相当するのは、
(x+y)•(d+w)/(d-w)
※隣の車線が100%死角になる障害車両後方からの距離
前例の35mに相当する、死角全長は、
(x+y)•(3d+w)/(d-w)
になります。
まとめ
ドライバー側も歩行者の死角ゾーンを理解する事が大事です。
また、死角なんか、お構い無しに飛び出す人もいるって事を常に意識しての運転が必要です。
無益な事故にNo!
おまけ
車両からの距離yの値によって、死角ゾーンの前方の境界線が、車両後端の前に来るか、後ろに来るかが決まります。
念のため、後端からの境界線までの距離の関係式を下図にまとめました。
境界線が、車両後端の前に来るか後ろに来るかで、符号が変わります。
ちなみに、例題に適用すると、7/3m(≒2.3m)となります。
※式や計算結果が誤ってたら、何かのタイミングで修正させて頂きます。その時はご容赦下さい。