今回は公認会計士×プロコーチの塙健一郎が担当します。
2024年が始まりました。
本年もよろしくお願い致します。
昨年末の阿部コーチの記事に出てきた「どうしたの!?」と「だいじょうぶ!?」。
そもそも、「どうしたの」は状況を問う質問。
本来は異なる意味合いの質問が、阿部コーチの例にみられるように同じ目的で用いられる(いずれも阿部コーチを心配する感情から来る「気遣い」の言葉と言えます)。
その上で、質問の発し手は「どうしたの!?」と「だいじょうぶ!?」を、自身が置かれた状況と、相手との関係性で意識的に使い分けているようにも思えます。
(そうでなければ、身内に対する場合とそうで無い場合とで、問いかけが異なることはないはずです)。
そんな使い分けられた質問に対して、受け手は微妙に異なる受け止め方をするので、結果としてコミュニケーションは影響を受ける。
さらに、質問は発言時の表情や声のトーンによっても伝わる意味合いは変わりそうです。
例えば、心配そうなトーンで「どうしたの!?」と問う場合と、半ば嘲笑を含めたトーンで「どうしたの!?」とでは伝わる意味合いは明らかに変わります。
そんな表情や声のトーンも、自身が置かれた状況と相手との関係性で、使い分けられているように見えます。
(例えば、身内に対する時の表情や声のトーンと、仕事中のそれとは異なることも多い)
そんなことは当たり前なのかもしれませんが、改めて考えてみると面白いと感じました。
多くの人は、円滑なコミュニケーションや良好な関係構築のために、自分なりの「望ましい質問」や「望ましい表情」を知っていると思います。この場面ではこの質問だよな、とかこういう表情が良いよな、とか。
もちろん、どんな質問や表情が良いと判断しているのかは、その人の知識や経験に応じて異なるでしょうし、他者と比べてより有効な選択肢を持っている人もいると思います。
そうであるにもかかわらず、置かれた状況や相手との関係性で、「望ましい質問」が置き去りにされてしまう事がある。それも頻繁に。
コーチングを学んだ身でも、コーチとして相対する場合にはできる「望ましい質問」が、普段のコミュニケーションの場になると、同じようにはできないことも多くあります。
また、コーチングの場面でも、「望ましい質問」として頭に浮かんだものを選択肢から外してしまうこともあります。
状況や関係性によって、選択する質問や表情が影響を受けてしまっていないか?
恐れや緊張感に押し流されて、声のトーンが下がり、表情が硬くなっていないか?
そんなことにも意識を向けながら、2024年、改めてコーチングに向き合っていきたいなと思います。