適語換言スキル | コーチング・ガレージ

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公認会計士、弁護士、中小企業診断士、理学療法士、薬剤師、建築士、経験豊富な企業人のプロコーチチームが執筆するブログ。

本日の担当は、中小企業診断士×プロコーチの森琢也です。

 

コーチングは、傾聴・発問に注目が集まりやすく、話し手(クライアント)が主体であるべき、と言われます。

しかし、そこから+αをしていくことが、個人的には大切だと考えます。

「コーチは自分の意見や考えを押し付けてはいけない」という大前提を強調するがゆえに、コーチが要望や意見、感想を伝えることはNGだと解釈されがちですが、実際にはコーチ側の働きかけが必要になる場面も多々あります。

 

その一つがフィードバックであり、要約やまとめといった対応です。個人的には、これらを「適語換言」(=適切な言葉に言い換える)と表現しています。

 

適語換言において、適切な言葉とは何か?というと、私の定義としては、①相手にありありとイメージさせる、②何かと何かをつなぐ、③ ①②を通じてその人の価値を高める、という3つの効果を発揮する言葉です。

 

時には、キャッチコピーやニックネームにも活用できる言葉となります。

例えば、当ブログのメンバーである福田さんの「思考整理の案内人」なんて、秀逸な例です。

 

私自身も、以前転職活動で3社すべて一次面接で落ち、一度自分自身の棚卸を行った際に、1つのキーワードが頭に浮かび、状況が一変しました。

 

具体的には、私が当時行っていた業務経験は、トヨタ系企業での原価改善でした。

原価改善といえば、メーカーの経理関連業務。

同じ業界・職種では重宝されますが、業界や職種を超えたキャリアチェンジは難しい。

 

しかし、『原価改善』を『問題解決』と適語換言しました。

⇒「私は、原価改善業務を通じて、事業採算を立て直すという問題解決に取り組んできました」といった具合に。

 

『問題解決』に適語換言した途端に、状況は一変。

『問題解決』となれば、さまざまな業界・職種で求められる能力です。

その最たる例がコンサル業界。おかげさまでコンサル会社さんから多くの内定をいただきました。

 

言葉ひとつでその人の視座や視点、人材価値をも大きく変える可能性があります。

 

コーチとして、ただ傾聴・発問を行うだけでなく、じっくり相手の話を聴き、相手の根底に流れる一貫した価値観や行動を見出し、『適語換言』のフィードバックを行っていくことで、コーチングの価値提供をさらに高めていけると思います。

 

個人的にも今後さらに磨いていきたいなと思う分野です。

さて、みなさまはどうお考えでしょうか?

 

以上、