今回は、薬剤師×コーチ・阿部雅美がお話をします。
長年会社員をしている私がよく耳にするテーマに「コミュニケーションができていない」があります。
当人と同僚やクライアントとの間に、必要な情報を十分に交換できないなどで、コミュニケーション不足を感じている人たちがいます。
コミュニケーションというと思い出すのは頻回に開催される飲み会、喫煙所での駄弁り。
和やかな雰囲気の中で安心して情報を交換するとともに、相手に対する理解も増やしました。
これらも今は昔。人々の考え方や行動が変わり、このような機会は減少しています。
もともと欧米では頻回に開催される飲み会なんてない、と聞いています。それでも彼らはコミュニケーションできる人は多い。
また、コミュニケーションの相手は初めての人から長年知っている人まで、さまざま。そのテーマは気軽なものからシビアなものまで、さまざま。
コミュニケーションには前提や背景があります。
状況によってコミュニケーションの意味合いが異なるので、その定義は一様ではないように感じます。
しかしながら変わらないことは、安心して情報交換ができること。
状況に応じて程度は異なりますが、自分と相手との間に「信頼」があると、安心すると言えそうです。
信頼の第一歩は、相手を受けとめること。
相手を受けとめていることが伝わると必要な信頼が目覚めます。
コミュニケーションのカギは、「まず理解に徹し、そして理解される」が効果的な人間関係の原則だ、とスティーブン・コヴィーは7つの習慣で述べています。
理解に徹するには、まず意識して聴くこと。
しかしながら、私たちは、相手の立場になって、相手を深く理解できる聴き方を身に着けるためにこれまでどのような訓練や教育を受けただろうかと、本書の中で疑問を呈しています。
読む、書く、話すは学んだのに、残念ながら聴くは学んでいません。
そこかしこにあるコミュニケーションですが、経験でしかコミュニケーションをとらえておらず、どうすると効果的にコミュニケーションできるかを体系的に学んでいないので、コミュニケーションできていないことが常にテーマに上がるのかもしれません。
意識した傾聴が、求めるコミュニケーションにつながるのではないでしょうか。
聴く、受けとめる、信頼、安心、コミュニケーション。
まさにコーチングです。
仕事仲間に、どうしてコミュニケーションが取れないと思いますか?と聞いたことがあります。
回答は、自分が発言すると相手が、「でも、しかし」から発言するケースが多いのだとか。
相手の発言を受けとめないで、否定から入ってしまっている。
「ダイアログ(対話)ではなく、ディスカッション(議論)してしまっているのですね」と伝えると、深くうなずいていました。
まず、相手の話を受けとめようと伝えたら、「そうですね。阿部さんの言う通り。阿部さん傾聴してくれるのでメチャ話しやすいです」と言われました。ちょっと嬉しかったです。
まず受けとめて、コミュニケーションしよう!
またお話をさせて下さい。