部下にフィードバックができない、自分と違う意見に対して強く反対できない
日々コーチングの中でも、こうした対立や摩擦(コンフリクト)に対する苦手意識をテーマに挙げられる方が多くいらっしゃいます
近年では、ハラスメントへの配慮や退職代行の普及などもあり、心理的に厳しめのコミュニケーションを躊躇う世情も影響しているのかもしれません
しかし本来、組織内で最良の意思決定を行うためには、活発な「議論」が不可欠です
それにもかかわらず、議論そのものを避けてしまう人が増えているように感じます
私たちに議論を妨げさせているものは何でしょうか?
それは「相手に嫌われたくない」「相手を傷つけたくない」「ネガティブな感情を抱かせたくない」という、配慮や恐れの気持ちなどが、代表的なものです
ですが、対立(コンフリクト)に対して、少しだけ理解を深めることができれば、組織を前進させるきっかけに変わります
対立とは、建設的な対立、いわゆる「ヘルシーコンフリクト」が重要で、組織やチームの目的や目標、変革に向けた「コト(課題・意見・アイデア)」に焦点を当てて話し合う状態のことです「どうしたら達成できるのか」に向けて、異なる意見も含めて前向きにぶつけ合える状態を指します
上司が「自分のアイデアを通したい」と他者の意見を排除してしまったり、時間や成果を焦るあまり丁寧なすり合わせを怠ったりすると、ヘルシーコンフリクトは起こらず、議論を通じた最善手を打つことができなくなってしまいます
そして対立=コンフリクトには、大きく分けて二つの側面があります
ひとつは人間関係や感情における対立を指す「リレーション・コンフリクト」です。これはお互いの関係性を損なってしまい、組織に良い影響を与えません
もうひとつは仕事や意見の相違に関するぶつかり合いである「タスク・コンフリクト」です。こちらはそれぞれの視点や立ち位置における「異なる部分」と「同意できる部分」を明らかにし、相互の視点から組織の集合知を引き出して「最善手」を導き出すための大切なエンジンとなります
この違いは日常の言葉選びにも表れます。「お前の言っていることは違う」という表現は、「お前」という人格に向けた強いメッセージになりやすく、リレーション・コンフリクトを引き起こしがちです
一方で「〇〇さんの意見に対して、自分の考えはここが違っている」と伝えれば、意見そのものに焦点を当てたタスク・コンフリクトとして機能します
リーダーに求められるのは、いま起きている対立が見極め、それをタスク・コンフリクトの方向へ導いていくファシリテーション能力が必要です
ただし、どれだけ上司側がタスクに対して適切なフィードバックを行っても、受け手である部下が「自分自身を否定された」と感じてしまっては思うような成果につながりません
議論の前提として
「意見」と「事実」を分けること
人と問題を分けることなど
ビジネスをうまく進めるための根本的な捉え方を組織全体で育てていく教育も必要です
あなたの組織やチームでは、日頃から心地よいタスク・コンフリクトを起こせていますか?
