経営者の方々との対話を通して、いつも私自身も多くの視点を学ばせていただいています
先日、ある組織の経営者の方から
「部下がなかなか締め切りを守らなくて……。何度も注意しているのですが、一向に変わりません」現場でよく耳にすることですね
「なぜできないんだ?」と理由を尋ねてみても、的を射た答えは返ってこない
注意した直後は一時的に守るものの、次第に言わなくなるとまた元の状態に戻ってしまう、その繰り返し
同じループを回り続けるうちに、経営者はその部下に「仕事ができない」というレッテルを貼ることを考えてしまう
しかし、本当はそんなレッテルを貼りたくない
その葛藤の中で、経営者ご自身も苦しんでおられました
「はっきり強く言うべきか……。でも、必要なことはもう伝えているはずだし……」
こうした状況が続くと、経営者やリーダーは自分の能力の限界を感じ、燃え尽き症候群(バーンアウト)につながることがあります
ここで大切なのは、「あなたの能力の限界ではありませんよ」とアドバイスではなく、いかに肯定的に、これからの「変化」に向き合ってもらうか。それが解決のカギとなると思います
一見シンプルな問題だからこそ、解決へのアプローチには難しさも伴います。
そんな折、ある企業の人事トップの方が、マネジメント研修の冒頭でこう話されていたのを思い出しました
「これからのマネジメントは『変幻自在』というキーワードで捉えていくことが大切だと思います。VUCAやBANIの世界観では、環境が超加速化する中で、人も価値観や強み、経験も様々。正解があるのではなく、最適解やその相手に必要な打ち手を打ち続けることが大切。マネジメントやリーダーシップは「変幻自在」。そのために様々な知識や経験が必要だと思います」
とおっしゃっていたのを聞いて、その通りだと思いました
それと同時に、私の頭にふと浮かんだのが「不易流行(ふえきりゅうこう)」という言葉でした。
変えてはいけないもの(不易)と、時代や状況に応じて変えるべきもの(流行)。
経営者・リーダーが変えてはいけないものとは何でしょうか
それは、哲学とも言える考え方の軸。社員とその家族の生活を安定・向上させること。そして、企業理念に基づいた経営を継続・発展させ、社会をより良くするお手伝いをすることです。
一方で、経営者が変えるべきものとは何か。
それは、その目的を果たすための「届ける手段やアプローチ」です。
改めて整理してみると、様々な打ち手が見えてきます。
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部下が締め切りを守らないことで生じる「生産性の低下」が、会社やチームにどれほど影響を与えるのか、真意が伝わっているか?
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そもそも「この集団で何を成し遂げたいのか」という大義(一人ではできないことを成し遂げるために組織を作っているという前提)を共有できているか?
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「なぜ守れないのか?」と詰問する以外に、相手の自発的な行動を促す関わり方はできないか?
本来、打ち手は無数にあるはずです
しかし、「上司」「経営者」という立場や固定観念が邪魔をして、せっかくの可能性を遮ってしまっていることも
どんなに締め切りを守らない、変わらないように見える相手であっても、過去に締め切りを守っている瞬間があったはずです
「なぜあの時はできたのか?」「どうすれば動くのか?」を考え抜くことができれば、必ず道は開けます
そして、一番まずいのは、「方法は変えないのに、信念がブレてしまうこと」
私はその経営者の方に、こうお伝えしました。
「私は、〇〇社長が本当に成し遂げたいことを知っていますから、どうぞ安心してください。 手段ややり方は無限にあります。表面しか見えていない人は『やり方がコロコロ変わって節操がない』と言うかもしれません。 ですが、社長の大義を知っている人には、その想いは必ず伝わります。信念のもとで試行錯誤する『あの手この手』は、ブレではなく、むしろ信頼を増していくものですよ」
目的という「不易」があるからこそ、手段という「流行」を自由自在に変えることができる。
あなたの経営やリーダーシップにおける「不易」は何ですか?
