本日もおつきあいくださり、ありがとうございます。
カンヌでグランプリを受賞した映画を観てきました。
今まで観た是枝監督の映画の中で、やっぱり、一番強烈な作品でした。
この「万引き家族」がどういう家族なのか、ひどい犯罪集団なのか、
その謎解きをしながら映画を観ていたような気がします。
このポスター見ても、みんな、すごい笑顔だもんね。
こんな自然に笑いながら、みんなで支え合える家族は素晴らしいですよね。
でも、想像してたのとちょっと違いましたよ。
怖い映画でも、悲しすぎる映画でも、腹が立って涙が出る映画でもないんです。
とんでもない悪人がいるわけでも、正義の味方が助けてくれるわけでもない。
俳優さんのレベルが高いし、本当に自然の演技をしてる感じなので、
ほとんどドキュメンタリーのような感じで、すごく心にずしっと来る。
だからこそ、観終わってから引きずっちゃったのかもしれません。
人間が生きていくということには、どこにも「正解」なんてないわけで、
「幸せ」の定義はそれぞれが決めればいいことなんですよ。
犯罪はもちろん悪いことなんだけど、犯罪者でなくても冷酷なことをしてるし。
「犯罪」という括りで縛られないことだって、ひどいことしてる人もいる。
どっかの誰かが、「セクハラ罪なんてない」とか言ってたけどさ。
悪いってどういうことなんだ?ちゃんとしてるってどういうことなんだ?
って、いろんな場面ですご~く考えさせられちゃいました。
いずれにしても、今の日本は問題が山積みですよ。
働いても働いても食っていけない若者がたくさんいるのに、
企業ばかりを守って、労働者を守ろうとしない国家の横暴が炸裂している昨今。
「偉い人」と言われる人が、自分のことばかり考えてるんだから、
一人一人の民間人が自分のことしか考えられないのは当たり前なのかも。
「世界一心が貧しい国」と言われて久しい日本。
自分のことで精一杯で、ますます他人に関心を持たないように生きてる。
まだまだ不便なことが多かった昭和の時代の方がずっと良かったとも思ったり。
この「万引き家族」は、
日本に巣食った大きな「病気」に直球勝負した映画なんだと思いました。
前半のほのぼのとした「家族」の温かい心の交流が描かれたからこそ、
後半に入ってからの怒涛の展開の一つ一つが、とてつもなく悲しくなります。
この映画で、何が一番印象に残ったかと聞かれたら、やっぱり、子供の表情かな。
子供が子供らしくいられることこそ、幸せな世の中なんだなって思う。
そんな世の中であってほしいって、改めてそう思うのであります。
あらすじ書いたら、即ネタバレになってしまいそうなので、
結局、自分の大雑把な感想だけで終わってしまいました。
中途半端な映画紹介ブログで、すみません。(^^;