改憲勢力に2/3をどうしても渡してはいけない大きな理由
憲法は、時の最高権力者、為政者の独裁や横暴を制限するためにある。
だとすると、この基本的な憲法について
理解しないものが改憲を言うのは危険である。
改憲的護憲派の小林節先生の話は興味深い
集団的自衛権関連法案に対する意見を述べる小林節氏
国民的な熟議が未だなされておらず、
憲法を議論するための共通土台が議論されていないまま
改憲が発議されたならば、
憲法は砂上の楼閣となり
国民投票の結果は英国EU離脱に見るように
禍根を残すのではないか。
【憲法改正を考える㊤】
一時的な多数で対立点の憲法化許されず
京大教授 曽我部真裕氏20160609日経より
(前略)
憲法には
①国の基本的な性格やその象徴に関わるような規定
②平和主義や人権保障のような基本的原則など
国の政治のあり方の基本原則を定めるような規定
③統治機構に関する専門技術的な色彩の強い規定、
などが混在する。
(中略)
①や②については、国民的な熟議は求められる。
ある事項を憲法に規定するということは、
国会による法律の制定に帰結する通常の民主政プロセスでは手の届かないところに
その事項を置くということだ。
通常の民主政プロセスで激しく対立している争点について、
一時的な多数を頼んで憲法化することはあってはならない。
国民的な熟議をするためにはできるだけ幅広い層の国民が参加することや、
議論のための共通の土台を見出すことが重要だ。
しかし、現状はそうしたあるべき姿に程遠い。
【憲法改正を考える㊦】
憲法は「国民」形成する政治プロセス生む
東京大学教授 宍戸常寿氏2016年0610日経より
(前略)
「国民自身の手で新しい憲法を制定しよう」というあおり文句にみられるように、
憲法論議ではしばしば非現実的な想定がなされる。
あらかじめ一枚岩のまとまりを形成している「国民」が、
全能の神よろしく1回限りの決断を下し、
瞬く間に自分と周囲の環境を一変させるーといったイメージである。
(中略)
複雑化し多様でグローバル化の進行する現代社会で、
所与の「国民」は存在しない。
むしろ、政治家、公務員、市民などの活動の総体が
一定の手続きに従って組織され方向づけられることで、
国民をその都度形成される。
このように「国民」は時間軸の中で多様に併存し、
多層的に競合している。
(中略)
憲法改正によらずとも政治プロセスのあり方は大きく変化してきた。
憲法論議はこうした注)「憲法改革」の成果と課題の検証から出発すべきだろう。
注)憲法改正ではなく、法律改正により統治機構の改革を行うこと。
以上