真空管アンプの出力トランス変更(1)  取り付け | そうそう変わるもんじゃねえな (前略、ドイツにて。あらため)

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ゆるーく日常をつづります。と言いながら、6年ぐらいほったらかしにしていたブログ。2018年に入ってから思うところあって復活したけれど、とりあえず三日坊主の危機は脱出。でも、あまり更新しないなぁ。

思うところがあって、我が家の真空管アンプ(現在はJJの6V6 PP)のOPT(タムラF486)を、実験的にゼネラルトランス販売のPMF-22P-10K-NFに載せ替えをしました。

 

といっても2023年の春先にはトランスを手にいれていましたので、1年近く作業というか実験を放置していました。

 

普通に考えて調子よく音の出ているアンプのOPTをわざわざ変更することはしません。 1年前に知り合いに私の使っているアンプと同じ仕様のアンプを1台作ってくれと頼まれたのだけど、今更タムラのF486を買ったらめちゃくちゃ高いし、そもそもF486なんてタムラの出力トランスの中でいえば普及品グレードでなおかつ小出力トランス。同等の性能のトランスが安く入手できるならばそちらを薦めるのはいたって自然な話。  ということで、実験がてら、ゼネラルトランス販売のPMF-22P-10K-NFに載せ替えて、f特や歪を図ってみようかなと思った次第。今回はとりあえずトランスの置き換えまでの作業。

 

さてゼネラルトランス販売のPMF-22P-10K-NF。  PP用で1次側が、10KΩ、出力側は0, 4, 6,16で、NF巻がCT付きの16Ωです。 F486でUL接続しているアンプには置き換えできませんが、UL端子が不要であれば、置き換え可能です。

 

データーシートpmf22p10knf.pdf (gtrans.co.jp)を見る限りではf特性も、F486よりも低域も高域もフラットで性能もよさそうです。


コア寸法も、F486よりも微妙に大きそうな寸法です。こうなってくると、f特もF486よりも良いとしても納得です。

 

そしてF486を使わずにPMF-22P-10K-NFを使うメリットを挙げると、

  • 妥当な価格で流通している。(22w級で13330円/個 程度(2024年3月)
  • 2次側に6Ωタップがあるので、今どきのスピーカー(6オーム系)につないだ時の整合性がとりやすい。
  • CT付きのNF巻なので、NFBをかけるときの自由度が高い。

デメリットは

  • UL接続タップが無いので、ULはできない。
  • ケースが高級感が無い/磁力の影響未知数。

 

はい。今どき6オームインピーダンスのスピーカーが多いので、こういう部分は、OPTのブランドにこだわらなければ設計の新しいOPTに軍配が上がります。まあ、スピーカーのインピーダンスなんて周波数帯域で変わってしまうので、あまりあてにならないですが、、、、、。

 

NF巻線のCTは使ったことがないですが、プッシュプル構成でも出力段に分割してNFBが与えられます。初段に返すよりも位相の反転は起きにくいNFBがかけられるはずなのでそのうち検討します。SNの改善の場合には初段に返したほうが有利な気がしますが、やってみないと判らんです。

 

さらには、OPTの載せ替えついでに、チョークトランスも別体電源側に移設しました。

 

タムラF486搭載状態(もともと)。6V6仕様。

 

撮影年次が異なりますが、斜め上からみた図。奥の3つのトランスの真ん中がチョークトランス。


ゼネラルトランスのPMF-22P-10K-NFに載せ替えた後の天板。初段/反転段はphiliipsの6SN7GT,出力管はPhilipsの6L6GCに変更。おお、Philips祭り。でもSG電圧の真空管抵抗だけ、RCAの球を使ってます。Phiipsの球を見つけてみようかなぁ。 

チョークトランスを外した穴はいずれふさぎますが、もともとOPTのあった場所には

小型のアルミケースを取り付けてその上にPMF-22P-10K-NFを固定しました。

 

さすがにタムラのトランスと比較すると見栄えは悪いですね。

でもカタログスペックだけで言えばタムラF486よりも劣るところが見当たらない。

 

PMF-22P-10K-NFを使ううえでタムラのトランスよりもシビアなのは、

アンバランス電流が7mA maxと、F486の許容アンバランス電流(10mA)よりもシビアなので、

出力管のペア選別にシビアさを求めるかな、というレベル。まあ、7mAもずれないように選別しますが、アイドリング時の出力管のプレート電流を合わせても意味がないですね。

バイアス電圧ででフルスイング中に7mAのアンバランスが出ないように、という点がポイントなのですが。

 

とりあえず、過去の実績に基づいてバイアスとSG電圧を合わせこんで、視聴。久しぶりに6L6に戻したけど、小音量で聴いてみても、歪は少ないように感じる。大音量の歪の少なさは言うまでもないけど、別にClassicを聞いているわけではなく、EDMとかベースのバンバン流してみたうえでの感想。

 

EDM言うてもKlaas のMR. Saxobeatとか。

ベースの音をバンバン流すといっても、Victor wootenのFunky Dとか。

 

予想以上に好感触です。コスパ高いな、ゼネラルトランス。 下(低域)もしっかり出ているし、上(高域)も苦しそうじゃない。 22Wのトランスに 3W~5W程度の仕事させているのだから、歪なんてほとんど感じられない。余裕。

 

次回、f特と歪率測定でもしようかな、と思っています。すでに測定を終えてデータもあるのですけど、グラフにするのがめんどくさいんだよなぁ。。。。

 

 

あと、別筐体の電源ユニット。 平滑用のコンデンサーとチョークは短い距離の結線がいいですね。正面の穴はバイアス調整のため、内部にある可変抵抗器を調整する際にドライバーを差し込む必要があったので、設けました。外に可変抵抗のツマミを出すと、不用意にいじってしまう可能性がありますので、中に入れました。