そうそう変わるもんじゃねえな (前略、ドイツにて。あらため)

そうそう変わるもんじゃねえな (前略、ドイツにて。あらため)

ゆるーく日常をつづります。と言いながら、6年ぐらいほったらかしにしていたブログ。2018年に入ってから思うところあって復活したけれど、とりあえず三日坊主の危機は脱出。でも、あまり更新しないなぁ。

 

4400円で買ってきた中古のD-152Eをマルチアンプ駆動してなんか意味があるのか。

 

まあ、そんなのはやってみないと判りません。そして意味なんてあっても無くてもいいのです。

趣味なんてそんなものです。

 

①まずはD-152Eを改造。

 

D-152Eのスピーカー内部のネットワーク(クロス周波数 2.5KHz)を通さずに、エンクロージャの外までツイーターとウーハーの配線をそれぞれ引き出しました。

 

  

上側がツイーターの端子。そこら辺い落ちていた陸軍端子を使いました。下側がウーハーの端子。もともとD-152Eの端子を流用しました。

 

バイワイヤ仕様風にも見えますが、HPFもLPFも通していないので、実験終わったら戻しておかないと、間違えそうです。

だから復元可能なように、もともとのスピーカーターミナルの枠の固定用のねじ穴を使って暫定のターミナル固定板を取り付けました。

 

②アンプをつなぎます。

PCのDACから出力したオーディオ信号をチャンネルディバイダ+マルチアンプ経由でスピーカーに流し込みます。

 

チャンネルディバイダはとりあえずテーブルの上に置いてそのまま使います。

取り合えず音出し優先で、配線をつなぎこみます。

かなり雑に配線作業を済ませていますが、暫定結線ということで。

 

そしてウーハー駆動用のTA-F555ESR (1号機) 

ツイーター駆動用TA-F555ESR (2号機)

 

ここから先はいろいろ音楽を聴きながら、聴感だけでセッティングを決めていきます。

実際にはベンチマークのスピーカー(某 2way )を基準に音を聞き比べながら、それよりも再現性を高めるような音作りを心掛けました。  その結果、ベンチマークのスピーカーの音(メーカーの吊るしセッティング)よりも、いい音出せたかなと思えるレベルまで煮詰めました。
 

③どんな特性になったか。

ここ最近セッティングをほとんど変えずに運用できているので、暫定の成果確認として「とある日のD-152Eのf特(チャンネルディバイダ+マルチアンプ駆動)」 を測定してみました。

私の感覚的には若干ハイ上がりにしたつもりでしたが、、、、、ちょっとディップが出ているけど、

思ったよりフラットでした。

 

アンプ側の設定でLow側はおおよそ25Hz以下をカットしていますが、低温側は40Hz付近でもそれなりに音が出ています。

 

1か月程度、いろいろいじって、どんな音楽もそれなりによく聞けるように耳を頼りに合わせていった結果が、まさかフラットな特性に収束してしまったことに驚きというか、感心してしまいました。  

ちなみにD-152Eの本来のパッシブネットワークのクロスポイントは2.5KHzですが、私は最終的に2KHzぐらいにクロスポイントを設定しました。

もちろん、本来のパッシブネットワークのLC構成の減衰特性(12dB/Oct)と、今回使ったアクティブネットワークの24dB/Octの減衰特性だと、セッティングが違って当然です。


 

ちなみにチャンネルディバイダで2KHz付近にクロスを設定した状態で、ウーハーだけ鳴らしたときの図。2KHzから上で本当は-24dB/Octの減衰がでているかな、と思ったのですが、諸々の理由で、そこまでの減衰は見られませんでした。

 

同様にチャンネルディバイダを生かした状態で、ツイーターだけ鳴らしたときの図。24dB/Octの減衰なので、2KHz付近を基準(0dB)にすると、1KHzでだいたい-24dBです。

 

④ボツになったネタ

個人的にD-152Eのクロス周波数の設定で面白かったのは、1.2KHzぐらいにクロスを設定するか2KHz付近にクロスを設定するかでかなり悩んだことです。

ツイーターとウーハーの音量バランス次第では、1.2KHzクロスでもいいと思う音楽ソースというかジャンルが結構ありました。 

 

まあ、1.2KHzクロス周波数は、高音と低音がリッチなセッティング、とでも言いましょうか。 

世間一般では中音域がスッカスカというか、いわゆる

ドンシャリ

です。

 

悩ましいのは世間一般「ドンシャリ傾向の音とは安いスピーカーで頑張って出している音=安っぽい音というネガティブなとらえ方が普通ですが、 80年代から90年代のロックとか意図的なドンシャリの音作りです。お金をかけてドンシャリな音をを作りこんでいます。 そりゃあクラッシックとかを再生するのに、お金かけて作りこんだドンシャリな再生環境で聴いたら、、、、、そりゃあバランスが悪くて仕方ないでしょう。  でも、世の中にはドンシャリな再生環境で聴いたほうがいい音楽もあります。そういう音楽を聴くのならば1.2Kにクロス周波数を動かして、ツイーター側の音量を少し増やし気味にするのも悪くない(むしろご褒美)と思いました。

 

ただ、ウーハーとツイーターのバランスとしてツイーター側の音量を上げる必要があるので、全体の音量を上げていったときに、D-152Eのツイーターの限界というか、飽和してしまっていて、音が割れて苦しそうなので、音量の上限が、若干下がります。 ということで、1.2KHzのクロス周波数での煮詰め検討を断念しました。   D-152のユニットの組み合わせでは、音量を上げていっても破綻しない(しにくい)2KHz付近のクロス周波数で良しとして実験を終えました。

 

 

⑤結論

 D-152エンクロージャーとD-152Eのユニットで、周波数的にはかなりフラットな再生特性にセッティング可能であることと、D-152Eを効率よく鳴らすにはドンシャリのセッティングではなく、f特としてはフラットなセッティングが好ましいと感じました。

 

 スピーカーからの出音でフラットなf特性のセッティングが一番よかった、ってオチは予想していませんでした。  フラットな特性は、やはり面白みがないと思っていましたが、少なくとも私の視聴環境(6畳の部屋)では、フラットにしても、D-152EらしさというかONKYOのスピーカーらしさはしっかりと残った結果になりました。 

 

 エンクロージャーのフロント下方のスリット状のバスレフポートについては一切いじっていないことがONKYOらしさになっているのかもしれません。

 

 f特性を測定して貼り付けておきながら今更言うのはちょっと「脳が残念なヤツ」を自認するような話ですが、スピーカーの聴感上のキャラクターは、f特で語れない部分の影響のほうがはるかに多く、かつf特以外のパラメーターこそが重要なのだと思います。  

 まあ、2way スピーカーをステレオで使うということは、部屋の中で4つの電気式アクチュエーターをオープンループ(フィードバック無し)で駆動して部屋の中の空気をかき混ぜている仕事です。4つのスピーカーユニットの位相や応答性などのほうがより大きな影響を及ぼしているといえますが、このあたりの測定は大変めんどくさいです。いずれそういったところまで検証できれば面白いかなと思いますが、まだまだ先の話になりそうです。

  

 チャンネルディバイダを使ったマルチアンプ化は小さな2wayスピーカーのドライブであっても、音に変化があることと、そのセッティングは面白いということが分かったのは収穫です。折を見て家にあるほかのスピーカ-でも試してみたいなと思いました。エンクロージャーまで設計して作成したり、スピーカーユニットへの入れ替えなどのハードルの高さと比べれば、エンクロージャー内のネットワークを外して、各スピーカーユニットの配線を引っ張り出しさえすれば、自分の好みでスピーカーの音を作りこむ面白さを味わえるということを感じました。  

 

オーディオ遊びというか実験をやるのに、アンバランス(RCA)とバランス(XLR)をつなぐケーブルを作る必要があります。

 

どんな実験をやるかというと、GW前に買ったD-152Eをもっとゴキゲンに鳴らそうと思った次第。

いろいろ考えた結果、私のところにはプリメインアンプが整備済みで休眠中のやつだけでも3台もある。

 

 

 

で、このアンプを有効活用するならば、と考えた結果、

ベリンガーのCX3400 v2 をぽちっと買ってしまった次第。

 

 

かなり激安なチャンデバ。激安といっても定価は2.5万円ぐらいですが、

セールなどで実質3割引きぐらいで購入できました。

 

まあ、ネットワークとっぱずして、マルチアンプ駆動するためにチャンデバを買うにしても、4400円の中古スピーカー鳴らすためにやることではない。

 

いまさら15年以上昔のD-152Eをネタにいじり倒しても誰にも刺さらないのも判っているし、

手間暇のかけ方も間違っていることは判っているけど、

重要なのは他人に刺さるかどうかではなく、私が面白いと思うか思わないかです。

やりたいことをやる。

 

今回購入したチャンデバは激安品とはいっても、一応はPA用なので入出力がバランス接続なので、、民生用のアンプにはアンバランス接続とバランス接続の変換ケーブルを用意しないと、つなげられません。  つまりは、チャンデバ以外にも、ケーブル類にそれなりにお金がかかります。少なくとも変換ケーブルを6本作らないと試すこともできません。そしてスピーカーケーブルも端末にバナナプラグをつけたものが4本必要になります。つまり、チャンデバ使ってマルチアンプ駆動察せるだけで、ケーブル10本必要になります。

 

ほかにもスピーカーのエンクロージャ内のネットワーク回路の結線をスピーカーから外して、スピーカーユニットごとにアンプが接続できるようにスピーカーターミナルの増設が必要になります。

 

基本的にオーディオ関連のケーブルは必要な長さを測って自分で作るに限るという人なので、

必要な時にいつでも作れるようにコネクターやケーブル類は、常に在庫として買いためておくのですが、今回の実験でコネクター在庫としてRCAピンプラグと、XLRコネクタが減ってしまうので、買い足しました。自作だからケーブル類hあそれなりの品質のものをリーズナブルに作っていますが、数セ年ぐらいの部品代がかかります。

 

ということで、さらに散財(お布施)。

 

REAN のNYS352G。定番のRCAコネクタ。コンパクトで6mmのコードと相性が良くてそこそこ安いので、常に10セット以上は在庫しているのだが、これから使う予定があったので、多めに買い足しました。今回は6個必要。

 

ちなみに旧ロットの袋はこちらのデザインです(手持ち在庫より)。袋は旧デザインのほうが好きですが、中身は一緒。

 

ちなみに購入先によっては、こんな簡易包装でNYS-352Gが届く場合もあります。

REANはNeutrikからボトムレンジのコネクター類だけを引き継いで、分社化したような

成り立ちです。

NYS352GのREAN品は中国製ですが、簡易包装がなんとなくREANの委託工場からの

横流し品のようにもみえるけど真相は不明。

何気にこの簡易包装版も20個ぐらい入手して使っているけれど、

この簡易包装版のほうが、金メッキの厚みがあるように感じます。

 

CX3400V2側は入出力ともバランス接続なので、XLRコネクターも手配します。私のオーディオ趣味ではバランス接続はあまり使わないけれど、ミキサーにマイクつなぐときなど、何気にXLRのバランスケーブルは必要で、何本か作っています。 Neutrik品のXLRはオスメスのセットで大体1100円ぐらいです。XLRコネクタの本家ITT製と比べて若干安いです。昔はITTのコネクタを使っていましたが、組み立てのしやすさから今はNeutrik品に移行しました。写真はメス側のXLRコネクターですが、オス側も4個ほど買い足しました。

 

バランスケーブルは入と出でコネクターのオス メスが異なるので、アンバランス→バランスのケーブルとバランス→アンバランスのケーブルは共用できません。さらに、トランスバランスと電子バランスでコネクタ内のコールド側の処理方法が異なるため、ケーブルを作っても、結線が違うと識別管理が何気にめんどくさい。

しかも、バランスーアンバランスのケーブルなんて実験で使う程度で、使いまわしがきかないのもが、なんとも微妙。

 

ケーブルはカナレのL4E6Sの青や白がたまたま20メートルほど安く手に入れたものが在庫にあったのでそれを使って、2mの青を3本、2mの白3本を用意しました。

 

あとは、モガミの2549.これを使って、2メートルの長さで2本作りました。

何気に自作でケーブル作ってみると、材料費が馬鹿になりません。

2メートルモノを作ると、XLRコネクタがざっくり550円ん、RCAピンプラグが200円、マイクケーブルが2メートルで300~400円ぐらい。1本あたり1000円以上かかりますので、10本も作ると、結局1万円越えの出費です。そして、何気に作業時間もかかります。ていねいに作ろうとすると、半日ぐらいかな。

 

 

さて、スピーカー側の端子周りの改造もしないとなぁ。。。。こっちの作業は散財しないようにしないといかんなぁ。

(続く)

GWに入ってここ最近を振り返ってみると、アンプの修理というかメンテが続いてしまい、スピーカーのセット数よりもアンプの数のほうが多い始末。

 

アンプ修理などでスピーカーの繋ぎ変えが頻繁になり、音出し確認に使うための中古スピーカーを激安で買おうと思ったのがコトの始まりです。

 

仕込みとして、GW前にONKYO D-152Eが4400円で買ってきたのですが、そのまま放置。買ってきた時点では、こいつの本当の実力には気づいていませんでした。

 

4400円の個体は、①天板の色むらがあって、②裏面から見たときに、パネルの小口を隠すための黒い艶消しの樹脂シールが剥がれてなくなっていて、外板のMDFが丸見えな状態でした。

裏面には銘板があり、基本諸元が書かれています。

インピーダンス4Ω、Max Power handling 80W。そしてMade in Japan。

 

ダンピングファクターを高くとれない真空管アンプには

4Ωのスピーカーは、ちと厳しいなと思うが、

パワートランジスタやFETなどでドライブする分には問題ないだろう。

 

しかし、

最大入力 80W (本当か?)

まあ、一回り小さいD-112NFXだって最大80Wだけど、、、、、

最大入力ではなく連続耐入力が何ワットなのかが重要。

 

Made In Japanって、さすがに眉唾物である。

同年代のONKYOのD-112Eや後発D-112ELTDなどは中国製造にシフトしている。

いつまで日本国内で製造していたのか知らんけど、 

その前後で製造場所が変わったにしても、設計と品質管理がしっかりしていれば、

MDFの箱をわざわざ日本で作るのは意味がないような気がする。

 

ネットの口コミを頼りに特徴を探ると、D-112Eよりも上の機種で、同価格帯のD-112ELTDよりは評判がよく、D-212EXのレベルには達していないけれど、D-212EXよりも音に艶(つや)があるそうな。

 

まあ、価格帯とかスペックで並べた模範解答のような口コミである。

うーん、間違っちゃいないだろうけど、正しくもないのだろうな。

 

それから

艶 ?

ツヤなんじゃそりゃ。

 

艶とやらが何なのかは家に持ち帰って、アンプにつないで鳴らしてみれば

判るのだろうか。判るといいな。

 

D-112Eよりも上位機種なら、それなりの音は出るだろうと思う。

そしてD-112EXTよりも良い音が出る可能性があるのならば、

税込み4400円は安い。まあ、音が悪かったとしても、アンプの音出しチェック用には充分である。
 

瑕疵があるのは天面と裏面だけど、これも常に見える場所ではない。

むしろこのおかげで相場よりも安いならお買い得である。

 

メインユニットのコーンには薄い焼け色を感じるけれど、

20年ぐらい昔のスピーカーなので相応のレベル。

コーン面に変なシミ、汚れ、破れ、変形は無いので、脱色はしなくてもいいかな。

これでまともな音が出たら、お得だったな、と思えるだろう。

 

D-152Eのメインユニットのエッジは布エッジなので、とりあえず穴がいなければ張り替える必要もないかな。

この口径のスピーカーだと、そこまでコーンやボイスコイルが重いわけでもないので偏芯することは無いと思っていましたが、さすがに20年前のスピーカーなので、エッジが下側に若干偏芯している様子。コイルはタッチしていないけれど、手を打ったほうがいいかな。

 

手を打つといっても、こんなのは、メインユニットを180°回して取り付ければ済む話。20年かけて垂れてきたのなら、天地を入れ替えれば(20年後とは言わなくても)そのうち元に戻るだろうという、

気の長い話。

チャチャっと作業。

 

ん?ユニットの裏をを見ると、チープな板金の防磁シールド(?)仕上げ風の

 Made in Chinaのユニット。

 

これ、ペア(2本)で発売当時6万円のスピーカーだったと思うのだけど、

本当にペア6万円の中身かどうか不安に思う。

25W そして 3.5Ω の記載が。

 

インピーダンスなんて周波数で変わるとはいえ、

3.5Ωは低いなぁ。もしかするとアンプを選ぶかもしれない。

 

 

 

耐入力は25ワットか?    多分そうだろうな。

まあ、このサイズのスピーカーに80Wの信号を流し込んでも、音が割れてまともな音なんて出ません。 

そもそも、瞬間でも25ワットも流し込んだらボイスコイルが一発でブチ切れてご臨終かな、と思えるレベルの作りのしょぼいユニットに見えます。

最初から耐えられそうなイメージが湧いてきません。

(註:まだD-152Eの音を聞く前の感想です)

 

磁気回路はむき出しではなく板金の防磁シールド(?)がされているようだけど、

ゴムダンパーなどがついているわけでもなく、変な共鳴音が出そうです。今どきブラウン管のモニターを使っているわけではないので、磁気シールドとか要らないけど、

 

この辺りの部分は、音出しする前にとやかく言うことではないかもしれないけれど、

そこはかとなく

クセの強いスピーカー

の予感。

 

ちなみにエンクロージャーの内面をのぞき込むと、しっかりと吸音材が入っています。目の粗い比較的硬めの吸音材で4.5面分ぐらい貼られていました。貼られていない部分は、正面の板の内面、ツイーター周辺の左右側板の天面から下に向かってわずか5cmぐ程度の長さ。MDFむき出し。正面の板の裏側には吸音材が貼られていないが、こちらは普通の処理。

ツイーターの周辺の側板に吸音材を意図的に貼っていない理由は減衰を考えてあえて貼っていないのか、どうかは知らんけど、6万円のスピーカーで吸音材の長さを10cmかそこらケチってどうするという話。意図があって貼らなかったのだろうと思い込むことが精神の安定には必要です。

まずは音出しのため、メインユニットの天地を変える以外は元通りに組付けていきます。

そして アンプに繋いで、音出し開始です。

 

。。。おいおい、D-112NFXよりも自然な臨場感がありながら、

全然良い音を出しているぞ、

これ。

 

ニアフィールドでの比較で、D-112NFXが完全に負けている。

しかも、D-152Eのほうが中高音が前に出ている。総じて華やか。だけど締まって聞こえる。

よく情報量が多いとか、少ないとかそういう言い方があるけれど、D-152Eはこもったり、もやもやするような余計な情報がD-112NFXよりも少なく、解像度が高く感じます。

ツイーターも自然な鳴り方で、近くで聴いても、しっかりとメインのユニットをサポートしている。

低音もこのサイズのスピーカーにしては驚くぐらいに出ている。

確かに、D-112NFXのほうが音に包まれているし、ボーカルも近く感じるけれど、D-152Eと比べると、残念ながらD-112NFXはピントが合っていない感じがする。

 

いつの間にか、D-152Eを基準にD-112NFXを評価してしまった。

 

うれしい誤算。

良い意味でD-152Eの内部の見た目に騙されました。

D-152Eのメインのユニットを裏から見ると、D-112NFXと比べて、しょぼいのです。おもちゃみたいなチープなユニットです。エンクロージャの銘板にはMAX POWER HANDLING 80Wと書いてあるのに、25Wと書かれた中国製 の板金フレームのユニットが出てくるのですから、まともな音が出なくても、「ネタ」に使えるかな、と思っていたのに。

音だけ聞いたらめちゃくちゃコスパが高い。

ペアで6万円のSPに入っているユニットには見えないが、音は極めてまともです。

 

ただ、ユニットのインピーダンスが低いので、トランジスタ/FETを増幅素子に使うアンプならば、そこそこパワーの余裕は必要かな。見た目しょぼいし、25Wのユニットだけど(苦笑。

 

真空管アンプは、OPTに4Ωタップがあれば使えるかな。でも、真空管で鳴らすのならば、動作点と負帰還量を見直したいかな。まあ、動作点が適当でもどうにかなるのが真空管のいいところだけど。。。。 おっと、脱線してしまった。今日はスピーカーネタでした。

 

さて、中間結論。

D-152Eが思ったよりも

まともなスピーカー

だということ。ちょっと前の自分に「内部のユニットのしょぼい見た目に惑わされるな」、と言いたいです。

 

一方で残念な点として、低音側で音程の繋がりが悪いというか、

低音域でやたら響く音とまったく響かない音があって、

低音側のf特性がガタガタしているというか、暴れん坊状態。

 

この辺りは、もう少し吸音材やバスレフポートまでの音の経路、部屋の中でスピーカーを置く位置を見直していけば改善できそうな感じです。

 

先ほどユニットをエンクロージャから外した際に内部の吸音材を見たときには問題ない感じだったが、気になったのは吸音材の硬さです。もっとグラスウール寄りの繊維の細かさと柔らかさが欲しいかな。

 

このままD-152E標準の吸音材のままでチューニングするのは、調整の方向性の予測が立てづらいので、早々に使い慣れた銘柄の吸音材に変更することにしました。

 

ということで吸音材を入れ替えるために、スピーカーをサクサク分解していきます。

 

スピーカーを正面から見ると、底部に黒い袴状態の全面バスレフポートがありますが、エンクロージャ底面奥にバスレフポートを設けて、そこから、黒い袴部分でフロント側にバスレフポートから出る音をを導いているのだけど、これが2000年以降のONKYOのスピーカーらしい音を作っていると感じています。 

 

底面の4本のねじを外すと、エンクロージャーの底面にあけられた本来のバスレフポートがあります。ポートの中を覗き見ると、エンクロージャー背面下方にメインで使っている吸音材よりも低密度で薄い(10mm程度)のスポンジ状の吸音シート(モルトフィルタ)が貼られていましたが、劣化が激しく、触っただけでぼろぼろ崩れてしまいます。背面のMDFが透けて見えるような目の粗い吸音材というか、まったく役に立っていないようなスポンジの密度です。加水分解も進行しており、手でつぶすとべたべたして始末に悪いので、掃除機ですべて吸い取りました。

 

ちなみにオリジナルに近い密度のスポンジは、100均などで販売している使い捨ての台所用スポンジでも代用できそうかな。

色は全く違いますが、厚みも目の粗さもオリジナルのD-152Eのモルトフィルタにかなり近似しています。

いや、ちゃんとモルトフィルタを買ってもいいけど、おそらく120mm×40mmぐらいを2枚とか、少なすぎです。シート1枚単位で、入手しても、数年で加水分解とかするから、オリジナルにこだわる必要はないかな。

 

ただ、こんな後ろが透けて見えるようなスポンジだと、低音域の減衰はほとんど期待できません。今回私が目指している方向性には合いませんので、使いません。

 

 

エンクロージャ内に貼ってあるメインの吸音材も取り外します。

写真手前にある白い吸音材がD-152純正の吸音材です。天面-背面で1枚、側面-底面-側面で1枚。左右分なので、合計で4枚です。

こちらは、熱帯魚の水槽の濾過用のフィルター材の硬さや密度に近いです。

 

 

上の写真の左上にもちょっと見えていますが、新しい吸音材はミクロンウールを使います。

個人的には、吸音材をエンクロージャ容積で中型から大型はグラスウール、小型はミクロンウールという感じで使い分けています。小型スピーカーにグラスウールを入れると、変化が大きすぎて微調整が難しいです。 

 

ミクロンウールのいい点は、若干多めに入れても、低音が不足するようなことはない。詰め込めば中音域がどんどん下がっていく。いわゆる「かまぼこ」カーブのf特の補正にはこれ一択。あとは、エンクロージャ内の場所場所で厚さや膨らませ方を変えて、調整していきます。 

 

 

吸音材を完全に撤去した後のD-152Eのエンクロージャ内の写真。ツイーターの取付穴から覗き込んだ形。右側が底面(底板)。底板内面側に斜めの梁を入れているのは底板の下をバスレフポートとして使っているので、共振を防止する目的かな。。

 

さて、ミクロンウールを内部に敷き詰めて固定していきます。

次の写真は、上記写真を時計方向に90度回した画像になっていますので、

下方奥が、エンクロージャの底部にあけられたバスレフのポートになります。

ちゃんとバスレフポートに向けて空間を確保し、吸音材が障害物にならないように注意します。

寸法的には、エンクロージャ内部の天面から背面を150mm×500mm1枚で成形しながら貼り付け。

側面と底面は、180mm×500mmに切り出した吸音材で側板上部50mmから70mmほどの空間は板が露出した状態になるように調整。背面内側に貼る吸音材は、効率よく吸音させるために、若干しわが寄るぐらいに貼り付けます。均質にしわを作るのが結構難しい。

 

 

ここまでくれば、あとは元通りにユニットを仮組で組みつけて、そしてひたすら音楽を鳴らしてみて吸音材を足したり引いたり、膨らませたり、薄くしたり、隙間に吸音材を追加したり、厚みを変えたりして再び鳴らす、を繰り返す。

 

今日は邦楽中心に節操のない選曲になってしまいましたが、

 

  • 踊り子/村下孝蔵
  • さらばシベリア鉄道/大瀧詠一
  • Nostalgia/浜田麻里
  • Cry for the Moon/浜田麻里
  • 木枯らしに抱かれて/The Alfee
  • バラと雨/布袋寅泰
  • Yes-No /オフコース

 

ほか昭和から平成初期の曲を中心に。。。。

 

 

で、D-152Eの吸音材変更前と比べると、吸音材変更後は、中音域をかなり絞った状態にしました。おかげで中音域の解像度が高くなったことと、低音が相対的に大きな音になったので、ここから変に響く帯域をつぶしていきましたが、   最初は音楽聞きながらカット&トライでやっていましたが、音楽聞きながらではすべての低音域での暴れを解消できませんでした。

 

で、1時間ほどかけて、アンプに正弦波を入れて周波数を変えていきながら、エンクロージャが共鳴する波長と、共振位置を触って調べて、エンクロージャ内の一部に鉛シートを貼ったりして、ハコ鳴りをコントロールしたりと、吸音材以外の改造も必要でしたが、そのあと再び音楽をかけて聴いてみてとりあえず納得できるレベルに仕上げました。

 

欠点は、、、、、、スピーカーとしての効率はかなり落ちた状態です。吸音材で減衰させている部分が増えているので、同じ音量で聴くのに、アンプのアッテネーターを今までよりも開け気味にしないといけないです。、

そして、今日1日D-152Eをいじり続けていたら、D-112NFXの音について(ニアフィールドで単独で聴く限りでは)不満がなかったはずなのに、D-152Eと比べると、なんだか音がこもっているように聞こえてしまうという不満を持つようになってしまいました。

 

 

D-112NFXで音がモヤモヤしているように聞こえる原因は、D-112NFXは200Hz以下、特に120Hz以下の音が入ってくると、音質がこもる癖があるようだということまでは突き止めました。その辺りの帯域をカットすると、濁りが消えますが、低音がスッカスカになるので、あとはどうやって両立させることができるか、です。

 

いままでニアフィールドでD-112NFXで聴いていて感じていた包まれるような臨場感は、D-152Eと比べてしまうと、臨場感ではなく、エンクロージャ内で余計な音を殺しきれていなかった濁りがニアフィールドで聴く音量で鳴らしている分には、臨場感っぽく聞こえるバランスが成立していた、ということかなぁ、と想像します。

 

何にせよ、D-152Eのチューニング(というか、ほとんどデッドニング)を通じてD-112NFXで感じていた臨場感は、エンクロージャー内のコントロール不足で、たまたま小音量・ニアフィールドで臨場感を感じるような残響に聞こえただけだった、といえます。

 

チューニングしたD-152E、メインスピーカーとしてしばらく使おうと思います。