★リノ・サルヴィアーティ (vm) RINO SALVIATI

1922年6月12日ローマの北東30kmの山中にある小さな町モンテリブレッティ(Montelibretti)生、2016年1月2日ローマ没、歌手、俳優。

 

             LP・S-40146

 

活動期間:1938年 – 2012年

所属レコード会社:Phonotype , V.d.P., Durium, Colt

サンレモ音楽祭出場0回

サンレモ音楽祭出品0曲

 

 

 前レコード発売から約10年たった1966年アルバム歌手としてドゥリウムに戻ってきました。サルヴィアーティの古いヒット曲を集めたベスト盤として発売され、73年に廉価盤シリーズ・チカラから再販されます。

 

 66年クライディオ・ビルラはサンレモ音楽祭にピノ・ドナッジォ(Pino Donaggioの“青空に住もう(Una Casa In Cima Al Mondo)”で入賞し、66年の年間ヒット・ランク90位に食い込んでいましたし、翌年67年サンレモではイヴァ・ザニッキ(Iva Zanicchi)をパートナーに“愛のわかれ(Non Pensare A Me)”で優勝し、意気軒昂でした。

 ルチアーノ・タヨーリ(Luciano Tajoli)は存在感は薄くなってきていましたが、70年の第20回サンレモ音楽祭に記念大会もあって過去の優勝歌手が優待されて出場し、若いマル(Mal)のパートナーとして“太陽と雨と風 (Sole, Pioggia E Vento)”を歌っています。

 

 年齢的にもタヨーリとビルラの間のリノ・サルヴィアーティは40才の半ば、声の質も二人の間くらいで、ソフトな歌い方でした。またレコード会社のドゥリウムもベテラン男性歌手がいなかったので、サルヴィアーティがアルバム歌手として復帰できたと思われます。

 

 本格的にアルバムが発売されるのは66年にでた「Rino Salviati – Il Primo Amore」からでした。曲の後ろの数字はサルヴィアーティがSP盤またはシングル盤を出した年で未表記は新たな吹込み曲と考えられます。私も再発廉価盤BL-7011を持っていて聞いた限りではアルバム用再録音と思います。

 

ms・A-77125 (1966年Durium - Durium) Rino Salviati – Il Primo Amore

BL-7011 (1973年Cicala - Durium) Rino Salviati – Il Primo Amore

1.Il Primo Amore (最初の恋) 1948-9

2.E' La Vita Di Ogni Giorno

3.Prigioniero Di Un Sogno (夢の囚人) 1950

4.Dillo Piano Piano 1958

5....E Poi Si Fece Sera 1958

6.Roma Nun Fa' La Stupida Stasera (ローマよ今夜はふざけないで)

7.Fontane (いずみ) 1946

8.Serenata Messicana (セレナータ・メキシカーナ)

10.Canzone Di Lima (リマの唄) 1958

11.Croce Di Oro (金の十字架) 1955

12.Serenata Di Chitarre 1962

13.La Valle Senza Eco

14.Mandolini Al Chairo Di Luna (月夜のマンドリン)

15.Mexico (メキシコ) 1958

ms・A-77125  BL-7011

 

 66年にもう一枚のアルバム「Rino Salviati ‎– Tres Palabras」は彼の重要なレパートリーであるラテン曲を集めた物。25cmLPで57年に出していますし、多くのシングル盤を発売しているので、旧録音音源を使っている可能性もありますがms・A-77000シリーズはステレオ盤なのでアルバム用新吹込みと考えられます。

 

ms・A-77126 (1966年Durium - Durium) Rino Salviati ‎– Tres Palabras

BL-7012 (1973年Cicala - Durium) Rino Salviati ‎– Tres Palabras

1:8.Historia De Un Amor (ある恋の物語)

2:9 Alma Llanera (平原児魂)3:10.Cu-Cu-Rru-Cu-Cu Paloma (ク・ク・ル・ク・ク・パロマ)

4:11.Mahna De Carnival (オルフェの歌)

5:12.India

6:13.Senor Eterno Dios

7:14.Galopera (ガロペーラ)

8:1.Tres Palabras (恋のボレロ)

9:2.Asuncion

10:3.Princesita (プリンセシータ)

11:4.Pecado

12:5.Malagueña (マラゲーニア)

13:6.Ave Maria No Morro (アヴェ・マリア・ノ・モロ)

14:7.Granada (グラナダ)

ms・A-77126  BL-7012

 

 68年に2枚のシングル盤が出ています。多分契約の問題で出したものとみています。

 

Ld・A-7574 (1968年Durium - Durium) Tristezze/Sogno D'Amore

Ld・A-7574  Ld・A-7575

Ld・A-7575 (1968年Durium - Durium) Serenata Ad Un Angelo/Bambina Innamorata (恋する少女)

 

 68年にランポルディ(Rampoldi)が戦前の39年に作詞作曲した名曲“小さな教会”をタイトル曲としたアルバムをリリースしました。映画「ドクトル・ジバゴ」のテーマ曲“ララのテーマ”も入っているので、戦前の名曲を集めたアルバムではなさそうです。

 

ms・A-77195 (1968年Durium - Durium) Rino Salviati – C'e Una Chiesetta

BL-7053 (197?年Cicala - Durium) Rino Salviati – C'e Una Chiesetta

1.C'e Una Chiesetta (小さな教会)

2.Bambina Innamorata (恋する少女)

3. Sogno D'Amore

4.Gli Zingari (恋のジプシー)

5.Tristezze

6.Tema Di Lara (ララのテーマ)

7.Serenata Ad Un Angelo

8.Ultime Foglie (最後の枯葉)

9.Luna Marinara (舟人の月)

10.Dite A Laura Che L'Amo (TELL LAURA I LOVE HER) (ローラに好きだと云ってくれ)

11.Vaya Con Dios (バイア・コンディオス)

12.Firenze Sogna (夢のフローレンス)

ms・A-77195  BL-7053

 

 オーストリアのレハールが書いた喜歌劇「ほほえみの国」のアリア“君はわが心”をタイトル・テーマ曲としたアルバムっを69年に出しました。イタリア人にとってスタンダード曲を集めた盤を作っています。

 

ms・A- 77221 (1969年Durium - Durium) Rino Salviati – Tu Che M'Hai Preso Il Cuor

BL-7112 (1977年 Cicala - Durium) Rino Salviati – Tu Che M'Hai Preso Il Cuor

1.Tu Che M'Hai Preso Il Cuor (君はわが心)

2.Acquarello Napoletano (ナポリ人の水彩画)

3.Erba Di Mare

4.Ava Maria (アヴェ・マリア)

5.La Canzone Dell'Amore (愛のカンツォーネ)

6.Torna Al Paesello (故郷へ帰ろう)

7.Povero Cuore (哀れな心 (ホフマンの舟歌))

8.Calendimaggio

9.Accompagnami Chitarra

10.Mattino (マッティーノ(マッティナータ))

11.Madonna Fiorentina (フィレンツェのマドンナ)

12.Emmanuel

ms・A- 77221  BL-7112

 

 これまでの4枚のアルバムは70年代になりドゥリウムのレンカバンシリーズ・チカラで再発売されました。

 

 70年に出たファブリ出版の書籍ラ・カンツォーネ・イタリアーナ38号(La Canzone Italiana N゚38)の付録についていたEP盤は50年代のヒット曲を集めたオムニバス盤でフォニット・チェトラ製作でした。

 

CAI- 38 (1970年 Fratelli Fabbri Editori – Fonit Cetra) La Canzone Iitaliana

1.Perche’ Non Sognar (なぜ夢見ない) - LUCIANO TAJOLI

2.Prigioniero Di Un Sogno (夢の囚人) - RINO SALVIATI

3.La Signora Di 30 Anni Fa (三十才の女(ひと)) - LUCIANO VIRGILI

4.Acque Amare (苦い水) - CARLA BONI

                        CAI- 38

 

 76年カリブ海諸国をイメージしたコンセプトアルバム「At Paradise Island's With Rino Salviati」を出しました。この頃から彼のアルバムは新録音でも廉価盤シリーズで発売されます。

 

BL-7123 (1976年 Cicala - Durium) At Paradise Island's With Rino Salviati

1.Canadian Sunset (カナダの夕陽)

2.Dime (Feelings) (愛のフィーリング)

3.To The Door Of The Sun (Alle Porte Del Sole) (太陽のとびら)

4.Quireme Mucho (Yours) (キエレメ・ムーチョ)

5.Mi Par Di Udir Ancor

6.Cuando Sali De Cuba (さよならキューバ)

7.'O Marenariello (舟人の歌)

8.Souvenir D'Italie (イタリーの想い出)

9.Malafemmena (悪い女)

10.Mas Que Nada (マシュ・ケ・ナダ)

11.Non Ti Scordar Di Me (忘れな草)

12.Sunrise Sunset (サンライズ・サンセット)

13.Cavallo Bianco (白い馬)

14.Paloma Blanca

BL-7123  BL-7139

BL-7139 (1977年 Cicala - Durium) Rino Salviati – At Caraibi [Live performance "At Caraibi"]

1.Eres Tu (Touch The Wind) (エレス・トゥ)

2.Al Di La' (アル・ディ・ラ)

3.Virgen Del La Macarena

4.Ma Cabane Au Canada (カナダのわたしの小屋)

5.My Way (マイ・ウェイ)

6.Core 'Ngrato (カタリ・カタリ)

7.Yellov Bird (黄色い小鳥)

8.Ma Ritoutnelle

9.Yesterday (When I Was Young) (HIER ENCORE) (帰り来ぬ青春)

10.Quando Quando Quando (クァンド・クァンド・クァンド)

11.Shalom (シャロム)

12.Torna A Surriento (帰れソレントへ)

 

 77年、前年のコンセプトアルバム「At Paradise Island's With Rino Salviatiの姉妹編ともいえるアルバム「Rino Salviati – At Caraibi」を出します。注書きではカリブ海諸国にツアーに出かけ、そこで録音したライヴ盤とも読めます。

 

 80年スタンダード曲を集めた引退を思わすタイトルのアルバム「Rino Salviati ‎– The Last Farewell (最後の別れ)」が出ました。サルヴィアーティももうすぐ60代になろうかと言うお年だったのでした。

 

BL-7171 (1980年 Cicala - Durium) Rino Salviati ‎– The Last Farewell

1.Island In The Sun (日のあたる島)

2.Siboney (シボネー)

3a.Statte Vicino A Me (私のそばにいて)

3b.Anema E Core (アネマ・エ・コーレ)

4a.My Yddish Momme

4a.Mamma (マンマ)

5a.Sabor A Mi (サボール・アミ)

5b.Perfidia (パーフェディア)

6.My Melody Of Love (愛のメロディ)

7.Cielito Lindo (シェリト・リンド)

8.The Last Farewell

9a.La Mer (ラ・メール)

9b.Et Maintenant (そして今は)

10.Love Me Tonight (ラヴ・ミー・トゥナイト)

11.Dominique (ドミニク)

12.Danny Boy (ダニー・ボーイ)

13.Ti Voglio Tanto Bene (世界でただ一人君を愛す)

14.La Luna Ammenzu 'O Mari

              BL-7171

 

 81年ドゥリウムの新らたな廉価盤シリーズのスタートからアルバム「Rino Salviati ‎– Dodici Canzoni Da Ricordare」を出します。タイトル通り優しく懐かしい歌をあつめたアルバムでした。これがリノ・サルヴィアーティ最後のレコードとなりました。

 

LP・S-40146 (1981年 Start - Durium) Rino Salviati ‎– Dodici Canzoni Da Ricordare ※ジャケット画像は顔写真画像をご参照

1.Che Sarà (ケ・サラ)

2.Vecchio Frack (古い燕尾服)

3.Porto Di Mare

4.La Mia Libertà

5.Scalinatella (スカリナテッラ)

6.Albergo A Ore (いつかのふたり)

7.Addio Sogni Di Gloria (さらば栄光の夢)

8.Sulla Rotta Di Cristoforo Colombo

9.'O Ciucciariello (お聞きよ、ロバ公)

10.Bimba Mia

11.Melodia

12.Angeli Negri (黒い天使)

 

 2007年長い沈黙の後、彼は彼の古いレパートリーを歌う歌手として、くつかのテレビ番組に出演しています。年齢は80才半ばになっていました。

 

 16年1月2日午後、ローマでで亡くなりました。御年93才でした。

 

リノ・サルヴィアーティの国内盤は前回「サンレモに出なかった歌手達 90 リノ・サルヴィアーティ 2」で紹介しています。

 

 

リノ・サルヴィアーティは以上です。