★マル (vm)Mal
本名ポール・ブラッドリー・クーリング(PaulBradley Couling) 1944 年 2 月 27 日英国ウェールズのLlanfrechfa(正しい読み方が判りません)生。英国出身のイタリアの歌手、俳優。
プリミティヴスのヴォーカルで、芸名はマルの他、プリミティヴスのマル(Mal dei Primitives)、マルとプリミティヴス(Mal & i Primitives)、本名のポール・ブラッドリー・クーリング(PaulBradley Couling)、ポール・ブラッドリー (Paul Bradley)、あるいはM=P.B、英国ではマル・ライダー(Mal Ryder)を使っていました。俳優の場合マイケル・フローレンス(Michael Florence)を使っています。
PSL-10439

3才の頃父の故郷にオックスフォードに引越し、二人の妹が生まれました。戦後貧しく、母は菓子工場で、彼は新聞売りをし家計を助け、義務教育を終えた16才から電気工として働きました。
やがて仲間とダンスクラブに出入りし、バンドで演奏します。人前で歌ったのは仲間の姉妹の結婚式にゲに呼ばれ、ジーン・ヴィンセントの“セイ・ママ(Say mama)”を歌った時でした。
メテオールス(The Meteors)に参加し経験を積み、地元オックスフォードで人気者になりました。次にスピリッツ(The Spirits)から誘いを受け参加、1962年英国デッカと契約します。デッカはバンド名前をマル・ライダー&スピリッツ(Mal Ryder and the Spirits)としてデビューさせました。“マル“の誕生です。64年まで3枚のシングルを出しています。
64年パイに移籍し、2枚のシングルを出し、6ヶ月のドイツ・ツアーに出ました。そこでは“プリミ・ビートルズ(The Primi Beatles)”として明け方まで働きました。65年ギタリストが結婚でバンドを辞めスピリッツは解体しました。
その後プリミティヴスの歌手として参加し1ヶ月のノルウェー・ツアーに出かけました。
7N-15915
7N-15915 (1965年 Pye – Pye,UK) Every minute of every day / Prettylittle face [Mal with The Primitives]
戻ってくるとイタリアのローマに出来たばかりのパイパー・クラブ(Piper Club)の設立者アルベリゴ・クロチェッタ(Alberigo Crocetta)とジャンニ・ボンコンパーニ(GianniBoncompagni)がやってきて、パイパー・クラブへの出演依頼をしました。ウェールズに残りたいというドラマー、ミック・カールトン(Mick Charleton)を残し、新たなドラマーに交代しイタリアに行きました。
パイパーでは既に英国出身のロークス(The Rokes)や初代パイパー・ガール、カテリーナ・カセルリ(Caterina Caselli)と一緒に英米のヒット曲を演奏していました。イタリアに居付き、RCAイタリア-ナの新人育成レーベルARCの中に、二代目パイパー・ガールのパティ・プラヴォー(Patty Pravo)のために作られたパイパー・クラブ・シリーズからザ・プリミティヴスとし67年レコード・デビューします。
曲は米国のヤング・ラスカルズのデビュー曲“I AIN'TGONNA EAT MY HEART OUT ANYMORE”のイタリア語版“イェー!”、B面はフォー・トップスの“シャドウズ・オブ・ラブ”でした。たどたどしいイタリア語で歌い、反対にこれを売り物に67年年間ランクの43位の大ヒットとしました。
AN-4108 (1967年ARC Piper Club – RCA ITALIANA) Yeeeeeeh! (イェー! (Ain't GonnaEat My Heart Out)) /L'ombra di nessuno (シャドウズ・オブ・ラブSTANDING IN THE SHADOWS OF LOVE) [ThePrimitives]
AN-4108
AN-4136
AN-4136
AN-4136 (1967年ARC Piper Club – RCA ITALIANA) L'incidente (ソウル・フィンガー SOUL FINGER) /Johnny no! (THUNDER'N LIGHTNIN') [The Primitives]
67年もう1枚シングル盤を出しました。バーケイズ(TheBar-Kays)の“ソウル・フィンガー”のイタリア語カヴァー“'incidente”、B面がアメリカの俳優でフォーク歌手ホイト・アクストン(Hoyt Axton)のカヴァー曲です。
大ヒットのおかげで、プリミティヴスのすぐにアルバムが発売されました。多くは英米の曲か、そのカヴァーで彼らのオリジナルも含まれています。
SA- 22 (1967年ARC PiperClub – RCA ITALIANA): Blow Up [The Primitives] (再発売NL-74067)
1.Gimmie Some Loving (愛しておくれ~ギミー・サム・ラビング スペンサー・デイビス・グループ (Spencer Davis Group))
2.L’Ombra Di Nessuno (シャドウズ・オブ・ラブ STANDING IN THE SHADOW OF LOVE フォー・トップス (Four Tops))
3.No Response (ノー・リスポンス ザ・ヘプスタース(THE HEPSTARS))
4.Johnny no! (Thunder’n Lightnin’ -Hoyt Axton)
5.CARA LIN (CARA-LIN – Strangeloves [USA])
6. Yeeeeeeh! (イェー! (Ain't Gonna Eat My HeartOut ヤング・ラスカルズ(Young Rascals))
7.GIRA, GIRA (リーチ・アウト・アイル・ビー・ゼアREACH OUT I'LL BE THERE フォー・トップス (Four Tops))
8.EVERY MINUTE OF EVERY DAY (モダン・フォーク・クァルテット (The Modern Folk Quartet) [USA])
9.MISTER HEARTACHE [オリジナル]
10.MA BEATA TE [オリジナル]
11.SOOKIE, SOOKIE (スーキー・スーキーSOOKIE, SOOKIE ドン・コベイ(Don Covay)) ステッペン・ウルフ (STEPPENWOLF) [Canada]もカヴァー
12.MOHAIR SAM (モヘア・サムMOHAIR SAM –チャ-リ-・リッチ (Charlie Rich))
SA- 22
PM-3458
PM-3458
PM-3458 (1968 RCA Piper –RCA ITALIANA) Bambolina (バンボリーナAny Day Now (エニイ・デイ・ナウ) チャック・ジャクソン(Chuck Jackson)) /Vite Vendute ((IF YOU THINKYOU'RE) GROOVY - スモール・フェイセス(Small Faces)) [Mal deiPrimitives]
翌68年1枚目のシングル盤はヴォーカル、マルのアイドル性を前面に出し、プリミティヴスのマル(Mal dei Primitives)とし、RCAイタリアーナにレーベル変更します。バート・バカラックのミュージカル「プロミセス・プロミセス」の曲で、チャック・ジャクソン(Chuck Jackson)がヒットさせた“エニイ・デイ・ナウ”、イタリア語版のタイトル“バンボリーナ”でした。B面はスモール・フェイセスとP.P.アーノルド (P.P. Arnold) がセッションした曲のイタリア語カヴァーです。
PM-3465(1968 RCA Piper – RCA ITALIANA) Bettyblu/Una volta nella vita [Mal dei Primitives]
PM-3465
PM-3481
PM-3481
PM-3481 (1969年1月 (RCA ITALIANA – RCA ITALIANA) Tu sei bella come sei (美しき君)/Tu sei una donna ormai [Mal deiPrimitives]
早々と69年サンレモ音楽祭に出場し、ザ・ショウメンをパートナーに“美しき君”で7位入賞、年間ランク25位の大ヒットになります。
69年2枚目は母国のビー・ジーズ“獄中の手紙”をイタリア語でカヴァー曲“君への想い”、これが年間ランク5位のメガ・ヒットで一躍スター歌手に上り詰めました。
PM-3491 (1969年ARC Piper Club –RCA ITALIANA) Pensiero d'amore (獄中の手紙 I GOTTA GET AMESSAGE TO YOU - Bee Gees君への想い) /Non c'è ragione (わけもなしに) [Mal dei Primitives]
PM-3491
PM-3499
PM-3499
PM-3499 (1969年 (RCA ITALIANA – RCA ITALIANA) Occhi Neri OcchiNeri (黒い瞳) /Hey dove sei [Mal deiPrimitives]
年末カンツォニッシマに出場、1回戦は“君への想い”を歌い、2回戦にウンベルト・バルサモ作の新曲“黒い瞳”を歌いましたが敗退します。
2枚目のアルバムが出ました。オリジナルは2曲、幅広いカヴァーを歌っています。
※ジャケット写真は顔写真画像をご参照
PSL-10439 (1968年 RCA Piper –RCA ITALIANA) Sua eccellenza Mal dei
1.BETTY BLU (ベティー・ブルー JE N'AURAI PAS LE TEMPS:ミッシェル・フュガン)
2.TU CHE M'HAI PRESO IL CUOR
3.FIRE (ファイアー:アーサー・ブラウン)
4.TU SEI UNA DONNA ORMAI (悲しきプロフィールGIRL, YOU'LL BE AWOMAN SOON :ニール・ダイアモンド)
5.VITE VENDUTE ((IF YOU THINK YOU'RE) GROOVY :スモール・フェイセス, P. P. アーノルド)
6.SONG OF A BAKER (ソング・オブ・ア・ベイカー:スモール・フェイセス)
7.BAMBOLINA (バンボリーナAny Day Now エニイ・デイ・ナウ:チャック・ジャクソン)
8.LOVE LETTERS IN THE SAND (砂に書いたラヴ・レター:パット・ブーン)
9.UNA VOLTA NELLA VITA オリジナル
10.Il Ballo Di Simone (SIMON SAYS サイモン・セッズ:1910フルーツガム・カンパニー)
11.DEAR MR. FANTASY (トラフィック)
マルの国内盤
SHP-6122(1970年5月 5日 RCA - 日本ビクター) 30cm LP サンレモ1970 (SAN REMO 1970)
9.太陽と雨と風 (SOLE, PIOGGIA E VENTO)
SHP-6122
SS-1919
SS-1919
SS-1919 (1970年 RCA - 日本ビクター) 君への想い(PENSIERO D'AMORE)/わけもなしに (NON C'E' RAGIONE)
マル2は1970年サンレモ音楽祭の後に続きます