ケイタが結婚していて、
2歳の子供がいることを知って
10日が過ぎた。


顔を合わすと

言い様のない気持ちに襲われそう。


そんな気持ちから
お店に足を運ぶことが出来なかった。


「どうしたん?
 最近お店こうへんね?
 元気してるんか?」


って
マスターからのメールがあったけど、
わたしは何て返事をしたらいいのか迷ってた。



まさか
「ケイタに妻子がいたからお店に行かなくなった。」
なんて言えるわけない。


そんなこと言えるわけないよね。(苦笑)



結局無難だけれど、
「最近体調が悪くって…。
そのうち顔出します!!(´∀`*)」

なんて返しておいた。



ケイタからのメールは…、


あれからない。



そのことが私をもっとイライラさせた。




間違ってるのはわかってる。
だって私にはちゃんと相手がいる。
私のことを一番に思ってくれる相手がいるのに。



わかってるのに
アツシからのメールは
余計に私をイライラさせた。


わけもなく。


アツシにはそのことを悟られまいと
普段どおりに接していた。



いや、

自分だけかな。
「普段どおり」って思っていたのは…。






そんなとき、

私に一通のメールが届いた…。



ケイタが既婚者だと知ったその日、

呆然として帰宅したわたしに

一通のメールがありました。



今日はほんまにごめんな。

隠しておくつもりはなかったんやけど、

言うタイミング逃しててん。


でも、あさみのことは

大切やって思っているし、

また今度一緒に飲みにでも行こうな。


彼氏とのことまた聞かせて。




なんだかとても悲しくなって、

その日はそのまますぐに寝た。


悪くないHさんを恨みながら…。




何よりも

話すスキを与えなかった

自分自身を恨みながら…。





なんてバカなんだろう。






仕事終わった!

今から帰るね!





アツシからのメールが

寝入った頃に携帯に届いたけれど

その日はもう何も見たくなかった。




知りたくなかった。

知らなければよかった…。





でも、

過ぎた時間はもう元に戻らない。



それよりも、

真実は変えることができないんだよね。

「結婚は男にとって

 人生の墓場っていうもんな?

 な?ケイタくん?」



…あれ?



Hさん、

なんでケイタに話ふるんだろう??




「Hさん、店ではあんまり家のことは…」





「何言うてるねん、

 子供もうすぐ1歳半やったっけ?

 可愛いさかりやなぁ。」





ケラケラと笑いながら

楽しそうに話を続けるHさん。

何だか気まずそうなケイタ…、


とわたし。



話をずっと聞いていたところわかったのは



・ケイタは2年前に結婚済み


・ケイタには1歳半になる子供がいる。(男の子)





あまりにお決まり過ぎて

「あはは」

なんてヘラヘラ笑うことしかできなかったわたしは、


その日も一応終電間際まで

お店にいたけれど、

なんだか上の空だったのでした。





この時すでに

ケイタに対して「好き」という気持ちが

あったのかもしれません。






帰宅後ケイタからメールが入っていました…。