その日はいつものように
お店に行って、
お酒やケイタとの会話を楽しんでいた。
店内には二人だけ。
今日はマスターも他のスタッフさんもお休み。
その日は雨が降っていて、
あまり人の出入りもなく、
わたしは二人だけの空間を楽しんでいた。
二人で話をしているだけで、
楽しい気持ちになれたし
満たされるものがあった。
わたしとケイタは
妙に「テンポ」があっていた。
「テンポ」のあう人といるのはとっても楽だ。
1時間後にようやく別のお客さんが来店。
しょっちゅう顔をあわせる
常連のHさんだった。
未婚男性で自由な生活を楽しんでいるHさんは、
普段は塾の先生をしている。
快活でとても優しい人で誰からも好かれる人。
Hさんには色んな話をしてもらえるので
二人ではなくなったけど
それもそれで楽しかった。
Hさんを交え、色んな話をしているうちに、
「いつ結婚ってしたい?」
っていう話題になった。
アツシに
「結婚しよう」って言われるたび
何だか焦りを感じていたわたし。
その話が進むにつれて
このままでいいのかなぁ。
なんて不安があった。
あんなにアツシが好きだったのに、
本気で結婚したいって思ってたのに。
何でこんな気持ちになるんだろう。
考えれば考えるほど
なんだか苦しくなって、
だんだん話を聞くのがしんどくなってきた。
手に入ってしまったら
幸せって幸せだと感じなくなるんだろうか。
そんな中、
Hさんの一言が
わたしの心に突き刺さるのでした…。