お寿司を作った
昨日はこんなものを作りました。
鯛のコブ〆です。
昨晩予定では友だちが遊びに来る約束だったので、アクアパッツァでも作ろうかと考えて鯛を1尾及びあさりのような二枚貝 palourdes を用意して一人で張り切っていました。
アクアパッツァは白身のお魚なら何でも良さそうなのですが、パリで食指を動かすようなお魚をまっとうなお値段で買うのは一苦労です。普段マルシェ(=朝市)に足を運んでいれば何曜日にどこでどんなお魚が手に入るか把握できるのでしょうが、そんな贅沢は身の丈に合いませんし、そもそも早起きして午前中にお買い物なんて、定年後の人の楽しみでしょうし。そこで一昨日夕方、国鉄B線と地下鉄6番線と14番線とバス24番(だったかな?)とを乗り継いで、郊外の大型カールフールに行ってきました。
ところが昨日の夕方になって友だちからいきなりのドタキャンメール…
まあ、来たくなくなったんでしょう。
がっかりもしたけれど、所詮私をがっかりさせるような人は残念な人だなどと自分にうそぶいてみようと努めました。
この街にいると、むかつくという感情を忘れます。日本語を使わないがゆえにむかつくという概念すら吹き飛んだのかも知れませんが、それ以上に、パリではむかつくことでいっそう馬鹿を見るようなことばかり起こるので、呆れるとか笑い飛ばすとか、皮肉に同情してあげるとか、つまり、あえて一歩身を退く高踏派・余裕派のような心持ちでないと病気になります。
とはいえ、一緒にご飯を食べようと思って、一昨日ちょっと遠くのお店に行って食材を準備したりしてた自分は何だったんだろうと、自分の空回りぶりを苦々しく思いました。特別なことはする必要がなかったのに… カールフールの鮮魚売り場のお兄さんが、上手にお料理できるといいねと言ってくれたというのに…
そう思いながら、とりあえず3枚におろしてしまおうと思って鯛を取り出すと、たいそう鮮度の良い鯛で、見とれました(まあ、「はらわたを出したよ」と言われたのに、エラはしっかり残されたままというのが意外でしたが)。
というわけで、コブ〆にしてみました。
さらに、たまたま昨晩は階下でパーティーだったので、手まり寿司ほどの小さな握りにしておすそわけしました。
わさびがなかったので、おろししょうがです。
とっても好評でした。粗塩を振りすぎたのか少し塩気が残っているように思いましたが、案外そのほうが魚臭さが出なくて万民受けするのかもしれません。もっとも、ひとり一つ程度なので、飽きる前に食べきれるという、予定調和的なハッピーエンドでもありましたが。
一瞬でなくなってしまったのもうれしかったけれど、なによりいろいろうれしい感想を言ってくれたりして、私は彼らのその心をうれしく思いました。とにもかくにもフランスでお寿司というと、マグロとサーモンが主流のためか、鯛のお寿司は初めてだったようで、鯛だと言ったら怪訝そうな顔をしている人がいたのがこれまた興味深かったです。
ここヨーロッパでお醤油をセルフサービスにしておくと、血圧は大丈夫なのかと心配になるほどかける人がいそうな気がしたので(日本にもつゆだくなお寿司が好みの人っていますけど…)、予めスプーンでそれぞれの上に数滴ずつかけてしまいました。「自分も普段お醤油 (sauce soja) を使っているけれど、こんなおいしいお醤油は初めてだ」と言っている人までいる始末。そんなことを言う彼はきっと普段お醤油をかけ過ぎなのでしょう。(あるいはオランダ製のお醤油と、日本の丸大豆醤油の違いに気づいたのでしょうか)
楽しいパーティーでした。



