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ルーブル(その3)

ーブル美術館はルーブル宮殿でもある。ただ建物と中身とで名称が異なるだけだが、このことを初めて教わった中学生のとき、その意味が分からなかった。思うに、作品を鑑賞してまわると同時に、昔の宮殿を探検しているような疑似体験さえできるという事実が、ルーブルの印象を高めているはずである。元駅舎であったオルセー美術館に比べて、館内を渡り歩く喜びが大きい。


ころが、ルーブルを見物していて、壁に穴を見つけた。穴というか、隙間なのだが、何かの工事の際に壁に施した切れ込みの名残だろうか。急にルーブル宮が貧相に見えてくる。

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アップ画像。
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るからに壁の向こうは屋外とおぼしき感じだった。雨の日や雪の日には水分が入ってこないのだろうか。何百年も昔の大事な絵画が展示されている場所だけに、すきま風の入り込む余地が残されていることに驚かされる。防犯の観点からも、アルセーヌルパンが好みそうな格好の隙間ときている。

(つづく)