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遠いほど nostalgie を感じない?

昨日は日本の大学に勤務するフランス人の方とおしゃべりした。
日本にいるのは刺激的で溌剌と過ごしていると言っていた。
彼曰く、あまりにも故郷と文化的に遠いところにいると、nostalgie を感じる余裕も無いのだと言う。さらに不思議なことに、同時期にベルギーへ渡った彼の知人は、フランスとベルギーがあまりにも近いために nostalgie に囚われたらしい。文化的に地理的にさほど隔たっていない(とはいえかなり違いはあるが)ベルギーでは、心は内へ向かってしまうなどと言っていた。

まあ個人差あるんじゃないのと言っておいたけれど、たしかにそうかも。

英語とフランス語を間違えそうになることはあるが、日本語とフランス語を間違えそうになることは無いし。似ていると違いに敏感にならなければならないが、あまりにも隔たっていれば違って当然ということで、違いはストレスにならないのかも知れない。とはいえ、私はかつて遠くの某国に住んだときに、ちょっと nostalgie を患ったことがあったので、やはり気の持ちようかもしれないと思う。

それにしても、身をおく文化の違いが人の心身に与えるダメージは、意外に大きい。文化は愛でるものではないようだ。闘い克服していくもののような気がする。文化の重要性が説かれるようになって久しいが、文化の暴力性を感じるのもまた、重要性の裏返しを被るという点では重要かも知れない。