怪我をすると痛みや熱をもつ急性炎症は治癒に向かい、やがて炎症は収まります。
それに対して、慢性炎症は収束を迎えることなく、炎症が続く状態を指します。
放っておくと慢性炎症は血管や内臓を蝕み大きな病気へと形成されてしまいます。
その慢性炎症につながる小さな炎症を「慢性微小炎症」といいます。
慢性微小炎症はなかなか自覚がないので見つけにくいのですが、血液検査の炎症を診るCRPという項目である程度判断することもできます。
CRP(C反応性タンパク)の基準値は0.3mg/dl以下ですが、これは細菌感染など起こしているかの指標になりますので、慢性微小炎症においては0.09mg/dl以下を目標に生活環境を見直した方が良さそうです。
国立がん研究センターの報告によると、CRPが0.012mg/dlと低い人と比して0.217mg/dl(これでも基準値以下なのですが)の人とでは28%もがん発症リスクがあがるというデータがあります。
実際、基準値が0.3mg/dl以下なので、0.2mg/dlは正常域で病院では異常を指摘されることはまずありません。
にもかかわらず、がん発症リスクが28%も上昇すると報告されているわけです。
慢性炎症はその他に、アレルギー、自己免疫疾患、乾癬、リウマチ、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、膝関節症などあらゆる疾患に結び付くものです。
慢性微小炎症のうちに病気の芽を摘める生活が大切です。