4 カルシウム不足と疾患

 

カルシウムは身体を支えているだけでなく、細胞や臓器の活動に欠かせない大切な栄養素ですね。

 

そこで、今回からはカルシウムがそれぞれにどう働きかけ、不足するとどのような不都合が生じるかを紐解いて解説していきたいと思います。

 

4-1 カルシウムが不足すると血圧が高くなる。

 

私たちの身体における、細胞と細胞外のカルシウム比率はおよそ1:10000ほどの濃度差があります。

微量なカルシウムイオンが細胞内に取り込まれると細胞が刺激され活動しているのです。

 

ところが、カルシウム不足が続くと、生命活動維持のため、骨から流れ出したカルシウムが血液中に多くなり、細胞内にカルシウムがどんどん流入し、それによって血管の平滑筋が収縮され血圧が上がってきます。

 

皆さんは血圧のお薬でカルシウム拮抗剤というものをご存じでしょうか?

薬理作用は平滑筋細胞内に入りすぎるカルシウムイオンを拮抗(抑える)ことで血管の緊張を緩め血圧を下げるというものです。

 

すなわち、血液中のカルシウムが減少すると、それを元に戻そうとして、骨からカルシウムを大量に利用して補います。

それによって、血液中に溢れたカルシウムが平滑筋に取り込まれることで高血圧となります。

 

このような、カルシウムの利用を行わないようするためにも、摂りこみのよいカルシウムを補いましょう。