芸能人が酔っ払って裸で騒いで逮捕されたことに関する、マスゴミその他の狂乱 | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

マスコミの狂乱報道ぶりを見て、腹立たしかったこともあり、この話題には触れないでおこうと思っていましたが、「事件」から約1週間後にようやく、『ル・モンド』に関連記事が掲載されたので、一応触れておきます。例の、SMAP というグループのメンバーが「公然わいせつ」とやらで逮捕されたことです。(その後、不起訴となる)



やや古くなりましたが、4月30日の『ル・モンド』に掲載されたと思われる、Une nuit d'ivresse écorne l'image d'une star nippone  (酔っ払いの夜がニッポンのスターのイメージを傷つける)という記事です。


Une nuit d'ivresse écorne l’image d’une star nippone

LE MONDE | 29.04.09 | 15h20 • Mis à jour le 29.04.09 | 15h20

TOKYO CORRESPONDANCE



日本では、アルコールへの過剰な好みが大衆文化の偶像を傷つけている。クサナギ・ツヨシはそのような苦い経験をする。非常に人気のある “boys band”、SMAPのメンバーである彼は、4月22日から23日にかけての深夜に、自宅から近い、東京都心の人気の無い公園で、酔っ払って裸でいるところを発見された。

このような行動は、飲みすぎた夜にサラリーマンが街のベンチや歩道でしばしば酔いを醒ますために一眠りする日本では、特別に常軌を逸したものではない。

しかしクサナギ氏の人間性が事件を非常に大きくしている。彼は確かに、1990年代初頭からニッポンの娯楽とポップ界に君臨しているグループの5人のメンバーの中では最重要ではないが、その影響力は莫大である。彼は優しく思いやりのある若い男性のイメージ、さらには理想の夫のイメージも伝えている。

彼の逮捕はマスコミの大狂乱を引き起こした。運命の夜の詳細は、アパートが正式な捜索の対象になっている間に彼が留置されていた警察署を通して伝わった。薬物を探していた捜査員は、見つけることはなかった。300人を超える記者が、このスターが謝罪するための記者会見を全面報道した。

この事件は台湾、香港、そして特に、クサナギ・ツヨシが非常に高い好感度を誇る、韓国のマスコミの「一面」を飾った。彼は韓国語を学ぶために非常に努力した。最近では、環境保護対策を宣伝する広告に、韓国の女優、チェ・ジウとともに登場していた。


"UNE PERSONNE DÉGOÛTANTE"

(「最低の人間」)

現在、クサナギ氏は、日本のエスタブリッシュメントの容赦ない、そしていくらか偽善的な恥辱に苦しんでいる。定期的に出演していた番組のゲストのリストから削除された。ある映画のために彼を採用した映画制作会社、東映の活動は、逮捕の翌日に中断した。彼が出演していた広告は画面から撤退した。このスターは、4億円(約300万ユーロ)に近い出演料で複数のテレビ広告に出ていた。広告業者は損害賠償を得るために法的手続きを始めるかもしれない。

彼が中心となっていたデジタル・テレビ促進のための政府のキャンペーンについても、同様である。4月24日、総務相のハトヤマ・クニオは、「厄介な」行動を非難して、憤慨してマスコミの前に現れた。「最低の人間と考えざるを得ない」と付け加えた。

しかしながら4月25日、ハトヤマは自分の発言を、「行き過ぎ」たとして取り消した。その間、ハトヤマは確かに、国民の側からの反発を知っていた。日本人の大半にとって、クサナギ・ツヨシは重大なことは何もしていない。


Philippe Mesmer

Article paru dans l'édition du 30.04.09


http://www.lemonde.fr/asie-pacifique/article/2009/04/29/une-nuit-d-ivresse-ecorne-l-image-d-une-star-nippone_1186903_3216.html


個人的に思っていたこととして、西欧だったら、「公然わいせつ」云々よりも、公共の場所で酔っ払っていたことそのものが、問題になるのではないでしょうか。「公然わいせつ」などという概念が存在しようのない国も多々あります。欧米でも、キリスト教の縛りが強くない地域では特に。

実際、記事では il a été retrouvé ivre et nu (酔ってでいるところを発見された) とだけ、あっさり書かれています。記事にあるように、日本ではサラリーマンがベンチやら路上やらで普通にしていることでもあります。(裸になるかどうかは別にして)。個人的な恨みですが、先日の出張帰り、疲れていたので大枚はたいて乗った某東北線の普通列車のグリーン車で静かに寝ていたところ、途中駅で乗り込んできた酔っ払いオヤジ2人組の大声でたたき起こされ、以後、その大声のために、終点まで一睡もできませんでした。こういう連中こそ大迷惑であり、グリーン券没収の上、逮捕して起訴して死刑懲役刑にでも処していただきたい。あくまで個人的な恨みですが、わずか30分の仮眠とはいえ、翌日の仕事に支障を来たさないための自衛策としてのグリーン車の静かなひと時を奪われた恨みは、一生忘れません。今度会ったら(以下伏字)・・・ とはいえ、このようなウルサイ酔っ払いサラリーマンの集団は、日本では決して珍しいものではありません。残念ながら。


今日の『毎日新聞』夕刊に、体制の味方、医療従事者の敵、どう見てもバカ面にしか見えない、テリー何とかというのが、ピントの外れたことを書いています。引用するのもリンクを貼るのもバカらしいのでしませんが。一番の問題は、NHKまで含めて、マスゴミの「狂乱」報道ぶり(と、死神ハトヤマの偉そうな発言)でしょう。そのマスゴミの側であり、それを支配する体制にべったりの人間が、最も批判されるべきなのに、何を偉そうに。

もっとも、「地デジ」とかいうもののムカつくCMに出ていたことから、てっきりあちら側のヒトだと思っていたので、逮捕された時は正直驚きました。あちら側のヒトだったら、竹中の手先の(元)大学教授のように、窃盗の現行犯でも逮捕されないのが常識でしたから。あちら側でないヒトが、あちら側の手先として、「地デジ」利権の拡大に利用されていたとしたら気の毒ではあります。これに懲りて、体制側のCMなどに出ないようにしてください。