増加する日本の自殺(ats/afp) | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

日本の自殺者は、昨年一年間で33093人でした。1995年に、人口10万人当たり18だった自殺率は、昨年26近くにも達しています。この十数年の間に何が起こったのか、ここには書きませんが、考えればわかります。

以下は、スイスのニュース・サイトLe Nouvelliste On-Line に掲載されていた記事の(ほぼ)直訳です。

Toujours plus de suicides au Japon

19 juin 2008


33000人を超える人が2007年に日本で自ら命を絶った。日本は既に工業国で最も高い中の一つである自殺率を経験しているにも関わらず、この数字は増加している。国家警察の年次統計によると、昨年33093人が自殺し、前年より2.9%増加している。1978年にこの統計が実施されてから2番目に高い数字である。

自殺は、60歳以上の高齢者(+8.9%)と三十代(+6%)で特に増加した。警察は、4分の3近くが男性であり、60%は職に就いていなかったことを明らかにした。

日本の自殺率は人口10万人当たり26近くであり、1995年には18だった。世界保健機関によると、世界の平均は16である。

この自殺の急増を説明するために、専門家は90年代の景気後退の影響、保護的な日本の社会モデルの終焉と家族や友人の絆の崩壊を前面に出す。自殺が糾弾されない仏教的文化という背景の影響でもある。

長い間無関心だった、公権力は、2001年から予防への補助された基金を15増やした。2006年に始められた計画に続いて、政府は地方当局と企業に、従業員の精神状態に注意を払うことを要求している。東京のお政府は10年間で自殺数を20%減らすことを目指している。

洗浄剤と入浴剤を混ぜて作られた致死性ガスによる一連の自殺が、最近報道をにぎわせた。3月以来、およそ200人がこの方法で自殺した。しばしば、毒ガスの発散のために扉に警告のメッセージを残したままで。(ats/afp)



http://www.lenouvelliste.ch/fr/news/international/toujours-plus-de-suicides-au-japon_11-91802


L'évolution de nombre de suicides au Japon de 1987 à 2007 内容は日本の新聞などに掲載されたものと大差ないように見えますが、日本では多分使われないであろう率直な表現、Longtemps indifférents, les pouvoirs publics (長い間無関心だった、公権力は)などに好感が持てます。実際、無関心だったのですから。今だって、口は出すけど金は出さないでしょう、自殺予防策や、さらにはその以前の段階の、社会的政策には(「セーフティネット」と言われるような)。さらに、精神科医療の充実どころか、余り報道されていませんが、精神療法の時間に縛りをかけて、結果的に医療機関は一日の患者数を制限するか、患者一人当たりの点数を削られるかの残酷な選択を迫られることになりました。元から日本の診療報酬の低さは、過酷なものでしたが、さらに削られたのです。(もちろん、過酷な低医療費は、精神科に限りません)

追記】
上に引用した記事とほぼ同じ内容の記事がAujourd'hui le Japon にも掲載されています。右の図は、こちらから引用したものです。

http://www.aujourdhuilejapon.com/actualites-japon-toujours-plus-de-suicides-au-japon-4718.asp?1=1