「自由の国」で広がる政治的抑圧―Voltairenetより【1】 | PAGES D'ECRITURE

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フランス語の勉強のために、フランスの雑誌 Le Nouvel Observateur や新聞の記事を日本語に訳して掲載していました。たまには、フランス語の記事と関係ないことも書きます。

以前、ゴンベイ さんに教えていただいたエントリー を経由して知った、Voltairenet は、左派系のシンクタンクと思われますが、それだけに興味深い記事が多々ありました。余りにも長くて私の手に余るものばかりですが、比較的短くて興味のある記事がありました。

「年次規制改革命令要望書」なるもので、自分の国では将来にわたって民営化する意志のない郵政の収奪民営化を日本に強行させた上に、さらなる「競争」をせよと、傲慢にも親切にもほざきやがるおっしゃる大米帝国アメリカ合衆国様に関する記事です。

これが本当なら、アメリカ様のお膝元では、安心して本も買っていられません。


『米国における民主的レジスタンス
米国で政治的抑圧が拡大している』



Résistance démocratique aux États-Unis
La répression politique s’étend aux États-Unis
par Naomi Wolf


18 octobre 2007


この5年間、アメリカ合衆国を権威主義的な国家に変えようとするブッシュ政権の意志について世界的な世論を警告している。法案の調査に基づく我々の分析は、9-11の心理的ショックを理由にした一部の人々によって考慮されていなかった。意図であったものが今や一つの現実になり、法案は実施されている。新体制は反対者を威嚇し、繰り返し攻撃し、結局口を封じる。ナオミ・ウォルフはこの弾圧に関する証言を集め、自らの自由を守るために同胞を結集しようと試みている。



私は数ヶ月前から、アメリカ中を、コロラドからカリフォルニアまで駆け巡り、社会のあらゆる階層のアメリカ国民と自由の問題について、今現在受けている攻撃について、この国を閉ざされた抑圧的な社会にするために現在進行中の10段階の計画について話をしている。

良い知らせは、アメリカ国民が目覚め、自らを脅かす危険について意識しているということだ。私が着手したとき、我が国と我々の祖先が伝えてきた自由という遺産の上に徐々に広がる暗黒について話すとき、反対、抵抗、少なくとも不信感に直面すると考えていた。

しかし私が心配する必要がないような集会の前で私は話している。恐怖心を抱き、大きくなる危険と準備される社会をずっと前に察知していた人々だ。

私が大いに安堵したことだが、知的で活発な、勇敢で不屈なアメリカ社会、悪い知らせを聞いてしかるべく行動することを恐れない人々を私は再発見した。そしてそれこそ、その上に自らの国を築いた価値という理由で国を愛する、愛国者、真実だ。

しかしこれらの集会で私に人々が語った物語に、私は生皮を剥がれた思いでいる。そしてここ最近、自分のメールを読むことができないでいる。それほどまでに信じがたい証言に満ちているのだ。

そして私が行くところにはどこでも、少なくとも一日一回は、常に話すために立ち上がる集会で話すべき人がいる。いつも確固として強く、勇敢なように見える・・・そして突然、恐怖に沈んで、まさに証言の最中に泣き出す。

別の日、ボールダーで、活動的な若いアメリカ女性のイメージそのものの、30代の二児の母は、私に話している最中に泣き崩れた。「私は見るもの聞くもの全てに腹が立つ、本当に何かをしたい!でもとても怖い。子供たちを見ると、怖くなる。連中が私たちに植え付けるこの恐怖とどうやって闘えばいいの?未来と子供たちの安全のためには何が良いの?行動して物事を変えようとしなければいけないのか、完全に黙って何も言わない方がいいのか?私はどこかでブラックリストに入れられている自分をみつけることが本当に怖い。」

ワシントンDCで、先週、行政府のサービス部長、元フットボール選手、かっこいい若者、恐らく共和党員の男が、マイクから遠くで、私に打ち明けた、対テロリスト局を助成するかのように、FBIに自分に関係する全ての情報にアクセスすることを認める書類に署名するのが怖い、と。「しかし同時に、私は書類に署名しないことを恐れる。もしも署名しなかったら、私は仕事も、家も失う危険がある・・・公務員のカード化の時のドイツのようだ」彼は諦めたような声で私に言った。

今朝私は、デンバーで、非常に気位の高く、非常に勇敢な軍の下士官と1時間以上にわたって話をした。彼は敢然と勲章を受けたが、監視される(そして飛行機に乗ることを禁止された)人々のリストに載ることになった。ブッシュ政権の政策に批判的だからだ。彼は私に、彼自身が秘密情報機関に監視されているだけでなく、家族もまたスパイされ執拗に追跡されていることを証明する書類を見せた。その軍歴を通して、この軍の吏員は祖国のために数多くの危険な任務を遂行してきた。しかし今日、自分の意見のために子供たちが政府に付きまとわれているという不安を私に話すとき、その声が割れる。

一方で私は司法省のために働いていた法律家に話し掛けられた。ある日彼女は、拷問と認識されるようなやり方を受けた被拘禁者の「強権的な尋問」に反対した。彼女は懲罰委員会にかけられただけでなく、それに加えて犯罪捜査の対象となり、昇進の機会を失い、コンピュータを探し回られてメールを消された・・・そして今、彼女はブラックリストに載り、飛行機に乗ることもできない

ある夜の会合での会話の際、大きな航空会社で働く一人の情報技術者—彼が共和党に共感したとしても何の不思議もない—が私に説明した。一度ブラックリストに載ると、そこから出るのは不可能だと。「君の名前が消されたと誰かが言っても、それは本当ではない、我々は何も決して消さない二重のシステムを持っているのだ。」

エリザベス・グラントは、反戦連合に所属するが、記者会見の際に、手書きのメモと飛行機での旅行の後にスーツケースの中にあった小さなアメリカ国旗を示した。そのメモには、対テロリスト局は彼女の読書を評価しないと書いてあった。

ベルリンの壁の時代と同様に、空港で検査を受けるために列を作っている時、私は自分のカバンの中身を改めて見て再び驚く。

別の日、ニューヨークで、私が読みかけていたTara Mckelveyの最新作『Monstering』の1冊をゴミ箱に投げ捨てて、読むのを我慢した。この優れた作品はCIAによって利用されている尋問のやり方を告発している。私はその本を街の一般大衆向けの書店で買った・・・誰にも知られないで、という事実にも関わらず、その本には「分類された」情報が入っていて、それを読むことでテロリストを利することになると私が非難されかねなかった。(・・・)私にとってもアメリカ、学校で教わったアメリカは、こんなふうに振舞ったりはしない。(・・・)そして誰もが私に同じ質問をする、我々には何ができるか?

(つづく)


http://www.voltairenet.org/article152166.html





長いので、次回 「自由の国」で広がる政治的抑圧―Voltairenetより【2】 に続きます。

Et ce sont des patriotes, des vrais, qui aiment leur pays à cause des valeurs sur lesquelles il a été construit. そしてそれこそ、その上に自らの国を築いた価値という理由で国を愛する、愛国者、真実だ。

日本でいえば、今は亡き安倍の政権の超国家主義に追随して歴史を直視しないことが真の愛国者かどうか。小泉=竹中、安倍、福田と連綿と続いている対米従属兼国家主義政権こそ真の売国奴ではないのか。答えは明らかでしょう。今のブッシュ政権が、アメリカからも政治的自由を奪う愛国的政権であるように。

追記


喜八ログ:トッテンビルさんと和服 によれば、ビル・トッテン氏が、米国で飛行機に乗るたびに厳重な検査を受けたそうです。

あまりのことにビル・トッテンさんが理由を問いただすと、係員からは「アメリカ政府のホームランド・セキュリティー・エージェンシーのブラックリストに載っているからだ」という意外な返答がありました。

「私はこれまでの人生において、いかなる犯罪も、法的な問題も起こしたことがない」。そんな自分がこのような目に遭うのは、長年にわたり米国政府の(主に)外交政策を批判していたためだろう。このようにビル・トッテンさんは判断します。

そして「もう二度と、アメリカの土を踏むことはない」と、母国アメリカを棄てる決意を固め、「在日三八年目にして、日本に帰化した」のです。


読書傾向すら把握される国では、著名人といえども、当局の監視から逃れることはできないのでしょう。




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