1日、北九州市生活保護行政検証委員会が中間報告をまとめ、
北橋健治市長に答申しました。
報告では、これまでの市の保護行政を厳しく批判し、
「社会常識」に基づく「当たり前の行政」に転換するように求めています。
中間報告全文↓
http://www.city.kitakyushu.jp/file/23010100/houkoku/tyukan_191001.pdf
これを受けて、生活保護問題対策全国会議は下記の声明を発表しました。
今後、10日(水)~11月9日(金)にかけてパブリックコメントが行われます。
http://www.city.kitakyushu.jp/pcp_portal/PortalServlet?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=19142
最終報告をよりよいものにするために、ぜひ意見を寄せてください。
北九州市は違法な生活保護行政を直ちに転換せよ
‐北九州市生活保護行政検証委員会中間報告を受けて‐
2007年10月1日
生活保護問題対策全国会議(代表幹事 弁護士 尾藤廣喜)
事務局 〒530-0047 大阪市北区西天満3-14-16
西天満パークビル3号館7階あかり法律事務所
弁護士 小久保 哲郎(事務局長)
本日、北九州市生活保護行政検証委員会の中間報告が行われた。同委員会は相次ぐ
餓死事件を引き起こした北九州市の生活保護行政の問題点を検証するために設置され
たものであり、2005年の八幡東区、昨年5月の門司区、今年7月の小倉北区での
餓死事件の事例検証を中心に、市の保護行政の問題点が議論された。中間報告では、
北九州市が事件発生当初すべて「対応に問題はなかった」としてきたこれら3件の事
件について、市側の対応に問題があったと指摘したことは非常に重要である。門司区
と八幡東区の事例について、申請の意思があった以上申請書を交付すべきであり、
「水際作戦」と呼ばれても仕方のない対応だったと指摘している。小倉北区の事例に
ついては、健康状態の判断が不十分で、経済的自立の見通しを全く確認しないまま辞
退届により保護を廃止した市の対応は極めて不適切だとしている。また、保護の開始
・廃止などの数値目標が実態として職員を縛っており、事実上ノルマとして機能して
きたとして、市の保護行政の組織的な体質の問題点を指摘している。
北九州市は、検証委員会の報告を真摯に受け止め、申請権の侵害や辞退届による不当
な廃止処分などの違法行為を直ちに改めるべきである。
また、長年北九州市に幹部職員を派遣し、近年でも監査において高く評価し、門司区
の事例について「申請権の侵害は無かった」という極めて不当な調査結果を発表する
などして北九州市を擁護・賞賛し続けてきた厚生労働省は猛省すべきである。
熱心な検証作業によって市の保護行政の問題を明らかにした検証委員会の努力に敬意
を表するとともに、最終報告に向けて、生活保護制度の市民への広報の徹底、市内各
所への申請書の設置や、行政の広報義務、情報提供義務、市民の行政機関に対する助
言請求権や苦情処理のための第三者機関の設置を定めた条例の制定など、より積極的
な対策の答申を期待する。
以 上
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朝日新聞
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000000710020002
抑制の「DNA」指弾
2007年10月02日
「厳しく指弾し、改善を求める」。1日、北九州市の生活保護行政の検証を続けて
きた第三者委員会の稲垣忠委員長は、中間報告答申後の記者会見でこう話した。稲垣
委員長は、40年前から脈々と続く保護抑制の「DNA」が、市独自の厳しい運用に
つながった可能性を指摘し、「報告書は市民の目から見て明らかにおかしいところを
書いた」と述べた。
稲垣委員長は、05~07年に起きた男性3人の孤独死を踏まえ、「扶養義務の確
認などについて、生活保護法が要求していないところまで、独自のシビアな条件をつ
けて運用している。『北九州方式』『水際作戦』と呼ぶならそうだろう」と語った。
北九州市では1960年代、人口千人当たりの保護受給者数(保護率)が全国一を
記録。80年代には暴力団員らの不正受給が横行した。市は「適正化」と呼ぶ様々な
方策を進め、01年に過去最低の保護率まで減らした。そうしたなか、市の内部文書
には「数値目標」ともとれる保護の開始や廃止などの「見込み数値」が記載されてい
た。
報告書では「不正防止に懸命に取り組んできたことが、結果的に保護費全体を抑制
することになった。この『伝統』が脈々と伝わっているのではないか」と分析した。
一方、市保護課によると、06年度の保護の不正受給額は約8300万円。ここ1
0年では約6億8千万円にものぼるという。稲垣委員長は「(窓口に来た人に)前提
条件を付けて申請書を渡さないのはいけないが、審査は厳正に」と求めた。
今回の中間報告について、市民団体「生活保護問題対策全国会議」(代表幹事・尾
藤廣喜弁護士)は「『対応に問題があった』と指摘したことは非常に重要。市は違法
行為を直ちに改めるべきだ。また、第三者委の努力に敬意を表するとともに、より積
極的な対策の最終報告を期待する」とのコメントを発表した。
■市民の7割「不信」
北九州市は1日、市民3千人を対象に8月に実施した「孤独死と生活保護に関する
アンケート」の結果を公表した。市の生活保護行政に7割近くが不信感を抱いている
という趣旨の回答をした。保護の相談で区役所(福祉事務所)に行く場合に関する質
問でも約8割が「不安(心配)がある」と答えるなど、保護行政に対する市民の根強
い不信が浮き彫りになった。
アンケートは無作為抽出した20歳以上を対象に郵送で実施。1523人の有効回
答(回収率50・8%)があった。
市の保護行政の全体的なイメージについて「なんとなく不信」は48・0%を占
め、「信用していない」(20・2%)と合わせると7割近かった。「適正だと思
う」「信頼している」は合計で12・2%にとどまった。
保護の相談で区役所に行く場合の不安の内容(複数回答)は「担当者が話を聞いて
くれるか不安」(67・6%)「申請を受け付けてくれるかどうか心配」(66・1
%)などの比率が高かった。
半数以上の回答では自由意見欄に記述があり、関心の高さをうかがわせた。不正受
給の指摘も目立ち、「正確に調査し本当に必要な方に支給を」との意見もあった。
◇中間報告の概要
【事例の検証】
門司区の男性孤独死の事例では、ライフライン停止や健康状態などを総合判断し、
申請書を交付すべきだった。八幡東区の事例では、扶養可否の確認を待つまでもな
く、申請を指導すべきだった。小倉北区の事例では、健康と即断し、自立の申し出を
受け入れて保護を廃止した対応は過ちだったというべきだ。
【生活保護行政全般についての考察】
かつて暴力団員らから脅迫されながらも「不正」防止に取り組んだころの記録には
明確なノルマが見られる。この「伝統」が脈々と伝わっているのではないか。検証事
例でも、実態として職員を縛っているのではとの強い疑念が持たれる。
申請の意思表示があった人には、保護要件にこだわることなく申請書を渡すという
原則を確認しなければならない。
民生委員との連携に、より一層の努力を求めたい。民生委員活動を広く市民に周知
し、サポートできる態勢づくりを検討していく必要がある。
【提言】
孤独死の原因は生活保護の「利用しやすい入り口」と「安心して外に出られる出
口」が保障されていなかったことに尽きる。大改造のために、早急に取り組んでほし
い8項目の提言をする。
(1)「入り口」では、生活保護を求めて福祉事務所に訪れた人には申請書を交付
する。
(2)「出口」では、本当に本人が自立できるか注意深く考察する。就労先や勤務
条件などの確認は不可欠である。
(3)面接業務は相談者の身になって行う。面接業務手引書の定める手続きでこの
精神に反すると思われる点がないか、検討と改善を求める。
(4)福祉事務所各課は連携を強くし、総合的視点で援助し、ソーシャルワークを
実効あるものとする。
(5)生活困窮や健康不安がある相談者の「その後」について、経過を確認するな
どのフォローアップをする。
(6)「社会福祉職」のような専門職員の採用や人事異動のあり方の見直しを図
る。福岡市に比べて極端に少ない女性ケースワーカーを増員する。
(7)精神保健福祉センターとの連携に努め、心理療法士の活用ができる態勢づく
りに取り組んでほしい。
(8)憲法の人権規定や生活保護法の精神、運用について、接遇やカウンセリング
の技法を含め研修内容を充実させる。
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読売新聞
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07100203.htm
北九州市の生活保護行政、第三者委が8項目の改善求める
北九州市で生活保護を受給できなかった男性が相次いで孤独死した問題で、北橋健
治市長の私的諮問機関として市の対応を検証している第三者委員会(委員長=稲垣忠
・北九州市立大特任教授、5人)は1日、北橋市長に中間報告を答申した。
市の一連の対応について「不適切」と指摘し、生活保護申請者に申請書を無条件で
渡すことなど、8項目にわたって改善を求めた。北橋市長は「中間報告を最大限尊重
する」と述べ、生活保護行政を転換する意向を示した。
中間報告では、2005年に八幡東区の68歳の男性、06年に門司区の56歳の
男性がそれぞれ孤独死しているのが発見された事例について、市職員が親族などの扶
養に期待し過ぎていたと指摘。特に門司区の事例では、男性が「申請したい」と申し
出たのに申請書を渡しておらず、「(相談者を申請前に追い返す)『水際作戦』と呼
ばれても仕方がない」と批判した。
今年7月、小倉北区の自宅で孤独死しているのが発見された男性(52歳)に対し
ては、市が重点的に自立を働きかけ、男性が生活保護の辞退届を提出した後、就職先
や収入のめどを確かめなかった。中間報告はこの対応を「極めて不適切」とした。さ
らに「(男性の)日記からは自殺願望が見られ、精神的に不安定だった」とし、「健
康と即断し、自立を受け入れた対応は過ち」とした。
また、市が毎年設定していた保護開始、廃止の見込み件数を「明確なノルマ」と断
定。市は「ノルマではなく、必要経費算定のための見積もり」と反論してきたが、中
間報告は、市が不正受給排除に比重を置いてきた背景を指摘し、「実態として職員を
縛っているのでは、との強い疑念を持たれるのはやむを得ない」と総括した。
早急に取り組むべき改善策として、〈1〉生活保護を受けたいと福祉事務所に訪れ
た人には申請書を交付する〈2〉自立のめどを注意深く判断し、就労先、勤務条件、
収入額などの確認を必ず行う〈3〉面接業務は相談者の身になって行う〈4〉困難を
重層的に抱えている人に総合的視点で援助〈5〉地域と緊密に連携して相談者をフォ
ロー〈6〉社会福祉の専門職採用、女性ケースワーカーの増員など人事の見直し
〈7〉精神保健福祉センターとの連携、心理療法士の活用〈8〉憲法の人権規定や法
の精神、接遇やカウンセリングの技法などの研修内容の充実――を提言した。委員会
は答申後、市民から意見を募り、年内にも最終報告をまとめる。
報告書が指摘した「保護廃止の見込み件数」については、北橋市長は来年度からの
撤廃を明言している。
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毎日新聞
http://mainichi.jp/seibu/news/20071002sog00m040009000c.html
行政:北九州市に抜本改善を要求/生活保護行政検証委/中間報告で
北九州市の生活保護行政を検証する第三者委員会(委員長=稲垣忠・北九州市立大
特任教授)は1日、中間報告を北橋健治市長に提出した。保護希望者を門前払いする
同市の「水際作戦」について「入り口を不当に狭める対応だった」と批判。さらに、
自立のめどを確認せず保護を打ち切るなどの不適切な対応が数多くあったと指摘し、
生活保護制度の抜本的な改善を求めた。委員会は年内に最終報告をまとめる。
報告書は、同市が過去に頻発した不正受給の排除を徹底するあまり、生活保護法の
精神に沿わない不適切な対応を続けてきたと分析。生活保護受給申請を断られたり、
打ち切られた人が孤独死した3例を調べ、(1)家族・親族に援助の余裕がないの
に、親族の扶養義務を強調して申請を拒否(2)就業状況など自立のめどを確認しな
いまま保護を廃止--などの問題点があったことを認めた。
また、背景として各区の福祉事務所が年度当初に設定した「保護開始・廃止件数見
込み数」が、保護抑制のための事実上の数値目標となり、職員の意識と行動を拘束し
ていた疑いを挙げた。
検証委は、申請意思のある人に申請書を必ず交付する▽辞退届を慎重に取り扱い、
具体的な自立のめどを確認する▽複合的な課題を抱える相談者については、各部署が
連携して対応する▽社会福祉専門職員や女性ケースワーカーを増員する--など8項
目を提言。稲垣委員長は「本来保護されるべき人がされない状況は改める必要があ
る。法の精神や社会常識に沿った当たり前の行政運営が必要だ」と述べた。
報告を受けた北橋市長は「趣旨を最大限尊重する。不正受給排除は当然だが、守る
べき市民を必ず守り抜くのが原点。財政的負担が増えても乗り越えたい」と語った。
【古川修司】
2007年10月2日
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西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20071001/20071001_020.shtml
孤独死相次いだ生活保護行政 北九州市の第三者委「闇の方式」認め、改善促す
孤独死が相次いだ北九州市の生活保護行政を検証する第三者委員会(委員長=稲垣
忠・北九州市立大特任教授)は1日、中間報告を北橋健治市長に答申した。生活保護
費の給付を抑制してきた行政運営を「闇の北九州方式」と認定。保護費受給に必要な
申請書を渡さず、面接で事実上門前払いしている対応について「不適切で(申請を拒
む)『水際作戦』と呼ばれても仕方がない」と厳しく批判。福祉専門職員の採用や地
域の民生委員との連携強化などの改善策を提言し、行政運営の抜本的な見直しを迫っ
た。
中間報告は、2005年以降に発覚した3件の孤独死について、それぞれ個別に検
証。同市小倉北区の男性の孤独死について「男性を健康と即断し、自立申し出を受け
入れた対応は過ちだった」と非難。辞退届を受理する際に就職先や収入などの見通し
さえ尋ねていないことを「極めて不適切」と断じた。
門司区で孤独死が発覚した男性の問題では「ライフライン停止などを総合判断して
申請書を交付すべきだった」と指摘。親族の扶養義務にこだわり、申請書すら渡さな
かった市の対応に苦言を呈した。
同様に八幡東区の男性の孤独死に関しても「男性の病状に対する認識が不足してい
た。扶養可否の確認を待つまでもなく、意思表示があれば申請を指導すべきだった」
との見解を示した。
第三者委は、同市が「業務の適正運営のための指標」として、各区の福祉事務所が
設定する生活保護の給付や廃止に関する見込み数値にも言及。不適切な対応の背景と
して「これらの『(数値)目標』が実態として職員を縛っているのでは、との強い疑
念を持たれる」と論じた。
第三者委は今後、中間報告に対して市民の意見を募集する「パブリックコメント」
を実施した上で年内にも最終報告をまとめる。
北橋市長は「答申を最大限、尊重したい」と話した。
=2007/10/02付 西日本新聞朝刊=
2007年10月01日21時12分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20071001/20071001_023.shtml
北九州孤独死 保護行政改善促す 第三者委中間報告 給付抑制は「闇の方式」
孤独死が相次いだ北九州市の生活保護行政を検証する第三者委員会(委員長=稲垣
忠・北九州市立大特任教授)は1日、中間報告を北橋健治市長に答申した。生活保護
費の給付を抑制してきた行政運営を「闇の北九州方式」と認定。保護費受給に必要な
申請書を渡さず、面接で事実上門前払いしている対応について「不適切で(申請を拒
む)『水際作戦』と呼ばれても仕方がない」と厳しく批判。福祉専門職員の採用や地
域の民生委員との連携強化などの改善策を提言し、行政運営の抜本的な見直しを迫っ
た。
中間報告は、2005年以降に発覚した3件の孤独死について、それぞれ個別に検
証。同市小倉北区の男性の孤独死について「男性を健康と即断し、自立申し出を受け
入れた対応は過ちだった」と非難。辞退届を受理する際に就職先や収入などの見通し
さえ尋ねていないことを「極めて不適切」と断じた。
門司区で孤独死が発覚した男性の問題では「ライフライン停止などを総合判断して
申請書を交付すべきだった」と指摘。親族の扶養義務にこだわり、申請書すら渡さな
かった市の対応に苦言を呈した。
同様に八幡東区の男性の孤独死に関しても「男性の病状に対する認識が不足してい
た。扶養可否の確認を待つまでもなく、意思表示があれば申請を指導すべきだった」
との見解を示した。
第三者委は、同市が「業務の適正運営のための指標」として、各区の福祉事務所が
設定する生活保護の給付や廃止に関する見込み数値にも言及。不適切な対応の背景と
して「これらの『(数値)目標』が実態として職員を縛っているのでは、との強い疑
念を持たれる」と論じた。
第三者委は今後、中間報告に対して市民の意見を募集する「パブリックコメント」
を実施した上で年内にも最終報告をまとめる。
北橋市長は「答申を最大限、尊重したい」と話した。
=2007/10/02付 西日本新聞朝刊=
2007年10月01日23時59分
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20071002/20071002_016.shtml
北九州・保護行政検証第三者委 「数字」重視が弊害生む
【解説】第三者委員会がまとめた中間報告は、孤独死を招くに至った北九州市の対
応が、生存権を保障した憲法25条や、申請保護の原則を規定した生活保護法の趣旨
に照らし「不適切だった」と認めた。「闇の方式」と批判された厳しい運用に、くさ
びを打ち込んだといえる。
石炭産業の衰退や鉄鋼不況の影響により、1963年の5市合併前後から保護費を
求める申請者は急増した。暴力団の不正受給問題も重なり、同市は、生活保護率や保
護費の上昇に歯止めをかけるため、2次にわたる適正化に着手。自立指導などに力を
入れた。
こうした取り組みは功を奏し、全国的に生活保護費が膨らむ中で、同市は91年度
から一貫して300億円を下回る。だが結果として、相談に応じながらも申請書を交
付しない「水際作戦」や必要以上の辞退届を促す「数値目標」を生んだ。
「数字」にこだわったことが、生活弱者の切り捨てにつながっていったのか。第三
者委の稲垣忠委員長は「社会常識を持って対処するという、当たり前の行政の必要性
が浮かび上がった」と指摘した。
中間報告で厳しい“改善勧告”を受けたことで、今後、保護申請が急増する可能性
がある。その権利を尊重するのはもちろん、不正受給を適切に排除する、新たなシス
テムの構築が急がれる。 (北九州支社・古長寛人)
=2007/10/02付 西日本新聞朝刊=
2007年10月02日01時11分
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共同通信
http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007100101000483.html
孤独死で保護行政に問題 北九州市の検証委中間報告
北九州市で生活保護に関連した孤独死が相次いだ問題で、市の生活保護行政
検証委員会(委員長・稲垣忠北九州市立大特任教授)は1日、市の対応に問題があっ
たとして、改善策の提言を盛り込んだ中間報告を北橋健治市長に提出した。
中間報告は、保護の申請意思を示しながら、昨年5月に門司区で孤独死して
いるのが見つかった男性=当時(56)=について「何カ月もライフラインが停止さ
れ、見た目にも弱々しい健康状態だったため、申請書を渡すべきだった」と、市の対
応を批判。
ことし4月に生活保護を打ち切られ、7月に孤独死しているのが発見された
小倉北区の男性=当時(52)=のケースも、市が男性からの保護の辞退届を受理し
た際、就職先や収入などの見通しを尋ねなかったことは「極めて不適切だ」と非難し
た。
2007/10/01 16:53 【共同通信】
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FBS福岡放送(日本テレビ系)
http://www1.fbs.co.jp/cgi-bin/news.cgi?mode=show&no=12534
北九州市生活保護 検証委が中間報告
2007年10月1日(月) 16:00
北九州市の生活保護行政を検証している第3者委員会が中間報告をまとめ、1日
市長に答申しました。
相次ぐ孤独死などで「社会的常識」に基づく「当たり前の行政」を求めていま
す。
生活保護行政検証委員会は1日午後、これまで10回の会合を重ねまとめた中間
報告を北橋市長に答申しました。
中間報告では、去年門司区で孤独死した男性への福祉事務所の対応について、
申請書すら渡さなかったと認め、「水際作戦と呼ばれても仕方がない」としていま
す。
更に、ことし7月発覚した孤独死については、辞退届を元に生活保護を廃止す
る際、経済的な自立の見通しさえ尋ねていないことは、「極めて不適切」としていま
す。
検証委員会は生活保護の申請意思のある人に対する申請書の交付の徹底や廃止
の際の自立の目途の確認などを提言しています。
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NHK北九州放送局
http://www.nhk.or.jp/kitakyushu/lnews/02.html
生活保護不適切「水際作戦」
北九州市で生活保護を受けられなかった男性などが相次いで死亡した問題を受けて、
生活保護行政のあり方を検証してきた委員会は、「生活保護の受給者を抑えるための
『水際作戦』と呼ばれてもしかたがない不適切な対応があった」と指摘し、改善を求
める中間報告を市長に答申しました。
報告したのは、弁護士や福祉の専門家らで構成する北九州市の北橋健治市長の諮問機
関、生活保護行政検証委員会です。
1日、稲垣忠委員長がことし5月から進めてきた検証の結果を北橋市長に答申しまし
た。
北九州市では、生活保護を相談するため窓口を訪れた男性が申請書すら渡されず、そ
の後自宅で孤独死したほか、市の担当者の勧めで生活保護を辞退した男性が孤独死す
るなどしました。
中間報告では、これらのケースでは「申請書を渡さないなど、生活保護の受給者を抑
えるための『水際作戦』と呼ばれてもしかたがない不適切な対応があった」と指摘し
ています。
その上で、「生活保護の入り口を不当に狭めてはならない。希望者には申請書を交付
すべきだ」などとしています。
中間報告を受けた北橋市長は、「職員が一丸となって改善へ歩み出したい」と答え、
内容に従って速やかに見直しを進めていくことを約束しました。
委員会は、市民の意見を聞いた上で、12月に最終的な提言を答申することにしてい
ます。
http://www.nhk.or.jp/kitakyushu/lnews/03.html
北九州生活保護不信3分の2
北九州市で生活保護を受けられなかった男性などが相次いで孤独死した問題を受け
て、市が生活保護行政に対する市民の感じ方をアンケートで調べたところ、3分の2
以上の人が不信感があると回答しました。
このアンケートは、北九州市が、ことし8月、無作為に選んだ20歳以上の市民30
00人を対象に郵送で行ったもので、ほぼ半数にあたる1523人から回答を得まし
た。
この中で、市の生活保護行政に対するイメージについて質問したところ、「信用して
いない」「何となく不信」と答えた人があわせて68.2%にのぼり、全体の3分の
2以上が不信感を抱いていることが明らかになりました。
また、生活保護行政で重要なことを複数回答で聞いたところ、「必要な人に給付漏れ
がないように注意する」ことを60.2%の人が挙げました。
一方で、37.9%が「公平で正確に取り扱う」を挙げ、不正な支給に対する厳しい
姿勢も求めています。
北九州市は、孤独死が相次いだことなどを受けて生活保護行政の見直しに本格的に取
り組んでおり、アンケートの結果も改善策を考える際の参考にするとしています。
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KBC九州朝日放送(テレビ朝日系)
http://www.kbc.co.jp/news/index.html?newsno=6&mode=kbc
【福岡】「不適切」と結論 北九州市生活保護で答申
10/2 10:07 更新
北九州市の生活保護行政を調査する第三者の検証委員会は1日、「市の対応に不適切
な点があった」とする中間報告を答申しました。北九州市の生活保護行政に対する検
証委員会は、今年5月から10回にわたり開催されました。1日答申された中間報告
では、門司区の孤独死について、「生活保護の申請書すら渡さなかったことは、『水
際作戦』と呼ばれても仕方がない」と指摘しています。また「おにぎりが食べたい」
との記載を日記に残し孤独死した男性への対応について、自立の見通しも確認せず、
辞退届けを理由に保護を打ち切ったことは、「極めて不適切」と結論付けました。検
証委員会では、北九州市が今後、早急に取り組むべき点として、申請書交付の徹底や
自立できるかどうかの確認、精神面でのフォローや地域でのバックアップなど、8つ
の項目を提言しました。