壊れたAirMacExpressを修理してみた | Photograph to Life ~生活に写真を~

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2009年にハードオフのジャンク箱で見つけて、昨年8月に「電源部コンデンサ焼損」で壊れたAirMacExpress(初代)を修理してみました。

AirMacExpressの第1世代は、形状は同じながら「11n」対応版の後期モデルと「11g/b」の対応の前期モデルがあります。今回修理したのは前期モデルなので11g/bのみ対応です。

AirMacExpressの電源焼損をキッカケに開腹してみたところ、電源部をSAMSUNGの製造であると判明しています。が、写真が無い(ググればいくらでも出てきますが)のでアレですが「お世辞にも品質が良いとはいえない」様なシロモノでした。

ハンダ付けのレベルは素人並み。私でも「あのくらいでいいなら出来ますよ」と言えるような状態。メインの無線ルーター部やオーディオ出力部の基板のそれと比べればいかに汚い作りか判ろうというものです。よくもまぁ、あれをジョブズが許可したもんだと言うくらい酷い。
まぁ、あのサイズの中で100-240Vを5Vと3.3Vの2系統に降圧する回路が入っているわけで、かなり厳しい要求であろうことは理解できるんですけどね。

で、今回の修理では5VはUSBから直に取ることにしました。一節には「USB電源では動作しない」と言う情報も有ったのですが、とりあえずのチャレンジ。

・小型の降圧回路

5VはUSBから取るとして、問題は3.3Vをどうするかです。バッテリー駆動オンリーにするなら旧い携帯電話の充電池を使うとか有るんですが、バッテリーを2種使うのも面倒。出来ればケースを開けずに済むほうが便利です。
という訳で用意したのは「ノースフラットジャパン」さんが販売している「DC-DC
コンバーター」です。このコンバーターは、入力40Vまで対応で、1.25V-35Vまでの範囲で無段階に電圧を下げられます。スイッチ付きのバージョンもあるんですが、今回は常時稼働が前提なのでスイッチ無しのお安い方を利用です。

・配線はこんな感じ

電圧は、未調整で届くので自分で設定します。設定にはテスターが無いといけません。入力に5Vの電圧を掛け、出力側にテスターを当てて3.3Vになるよう調整します。調整は、青い四角の部品に付いているマイナスネジの部分を回して行います。ピッタリに合わせるのは難しいので、出来るだけ近い電圧になるようにしましょう。

AirMacExpress側の配線は、赤1本、黒2本、オレンジ3本になっているはずですが、これはそれぞれ「赤=5V」「黒=GND」「オレンジ=3.3V」となります。配線は、全部を対応する電圧に結線しないといけません。GNDに関しては共用でOKです。

・AirMacExpressに接続

AirMacExpressの基板に直付は難しいので、コネクタから出ている線にハンダ付けして接続します。短絡を起こさないように、熱収縮チューブなどで絶縁します。

この時点で動作確認を行いました。リビングで稼働しているMacBookに対応する設定ユーティリティを入れてあるので、それで再設定しました。無事にグリーンのランプが点灯して動作確認完了。

・iPod Touch(4G)にケースに入れてみる

この時点で問題になったのは「どんなケースに入れるか」です。AirMacExpressを使った、もしくは見たことがある人なら判ると思いますが、意外と大きさがあります。まさかむき出しで使うというのはどうかと思いますし、何らかのケースに入れてやろうと考えました。まぁ、放熱面ではむき出しのほうがいいのでしょうけど。

ここで思い当たったのが「iPod Touch」の入っていたケースです。アクリル製の透明な「小さい弁当箱」みたいなアレ。LANとUSBとオーディオ出力、それとリセットボタン用の穴を開ければ入りそうと想った次第。で、試してみたらピッタリです。

・ポート類の穴開け

アクリルの欠点は「柔軟性が無い」ということ。下手にニッパーでカットすると亀裂が広がってしまいます。なので、開ける穴に合せてピンバイスで穴開けし、それを繋ぐようにニッパーなどでカットしていく方法を取りました。仕上げはダイヤモンドヤスリで現物に合わせながら微調整です。

切り粉や削りカスは取れにくいので、水洗いしてしまうとキレイに取れます。

・DC-DCコンバーターの取付部

出来るだけネジを使いたくなかったので、DC-DCコンバーターの固定はプラモデルのランナーを使いました。ケースに3mmの穴を開けて、ランナーを瞬間接着剤で固定しました。白化が心配でしたが、幸いにも白化しないで済みました。

・メインボードはネジで固定

無線ルーター部分は、M2のネジでないと使えないので、やむを得ずネジ固定。

・ポート部分はこんな感じ

少しのズレはありますが、ほぼピッタリと収まりました。全てのポートに対応するコネクタを挿すことが可能です。

・電源用のUSBケーブルを通す

2mmのピンバイスで電源用USBケーブル用の穴を開けて通してあります。ケーブルは断線したiPod用充電器の物。
この部分は、microUSBのコネクタにするべきか悩んだのですが、とりあえず部品が無かったのでこの形にしました。

・蓋を閉めて完成

蓋は、接着等せずにテープ止めにしました。幅の狭いアルミテープを使えば、ちょっとしたアクセントになります。開ける必要が出た時もキレイにはがせます。

これ、直して思ったのだけれど「車載」にすればクルマでAirPlay出来るますね。AUX入力に限定されますけど、USB対応のカーコンポもありますし、電源は分岐してシガーソケットに挿すアダプタを使えば大抵は対応可能です。
問題は熱対策ですけど、ケースを工夫すれば結構行けそうな気がしますね。