その日、父は母に「指輪」を贈ったそうです。
私の結婚式前夜に母はお風呂場でせっけんをつけて、その指輪を外したそうです。
「役目を終えた」そんな気持ちだったとか。
お嫁に来て二十数年、荷物の上げ下ろしや配達をしてきた母の指は、荷物が持ち易い形に変形しており、指輪を指から外すのにとってもとっても苦労したそうです。
そして、結婚式から約2ヶ月後のお誕生日に、小さな小箱をもらいました。
開けてみるとそこには、傷だらけの指輪が入っていました。
子どもの頃は、キラキラ輝いている母のその指輪が羨ましくて、眺めていたりしたものです。
梅の花の絵が彫られていたのを覚えています。
その指輪が、これです。
ほぼ原型もなく摩耗して消えてしまっていたので、忠実に…とはいきませんでしたが、父と母の想いを大切にしたいと思い、高崎のラシュシュさんでリフォームをして、梅の絵を再現してもらいました。
今日、久々に指にはめてみて、望まれてうまれて来たことを実感しました。
お母さん、生んでくれてありがとう。育ててくれてありがとう。
病弱な私を抱えて、家事もして、仕事もして、長男の嫁もして…。
本当に大変だったと思います。
もっともっと愛して欲しいと願う私に嫌気が差した時もあったね。
ごめんね。まっすぐに伝えられなくて。だからいっぱい困らせたね。
嫌われたくなかったのに、反対のことばっかりしてたよね。
ずっとずっと大好きだったから。もちろん今も、大好きなんだけどね。
これからはさ、お母さんにいっぱい愛を注ぐよ。お母さんのお母さんである、おばあちゃんにも。
子どもたちと一緒に、大好きをまっすぐに伝えるからね。照れずに受け取ってね。
お父さん、厳しく育ててくれて、ありがとう。
病弱で、勉強も得意な方じゃなかったから、がっかりしたかな?
いっぱい心配もかけたよね。
ちょっと大きくなったら何でもできるような顔をして、誘いにもノリが悪くて、口達者で可愛げがない娘でした。ほんと、ごめんね。
未だ頼りない長女で申し訳ないけど、時々一緒に仕事をしたり、ちょっぴりだけど役に立ててるかな?まだまだかな?
今、一緒に過ごせる時間が嬉しくて仕方ないよ。またハグしようね(爆)
誕生日は、二人に感謝する日だと思ってます。
本当に本当に、ありがとう。
そんな今日、お母さんに「まさこちゃんをうんでくれてありがとうございます」言って一緒に感謝してくれる人が居ました。
すごく感動しました。
親や家族以外にそんな事を言ってくれる人が居るって、思わなかったから。
仲間からのメッセージをたくさん集めて、徹夜でメッセージビデオを作ってくれて、ケーキでお祝いまでしてくれました。
ひとつひとつのメッセージに、愛がいっぱい溢れてて、涙が止まりませんでした。
心からうまれてきて良かったなぁ~って思いました。
38年の人生で、辛いことも苦しいことも、人生を投げ出したい!って本気で思った日もあったけど、全部が今に繋がってるって、そう思いました。
出逢ってくれた全ての人に、たくさんの出来事にも、ありがとう。