BCLラジオの歴史 その1
BCLといっても放送を聴けばすべてBCLなので厳密に定義できるものではないようだ。
中波でもFMでもTVですら電波を探せばBCLである。
しかしBCLブームというものはあった、ベストセラーとなったSONYのICF5800が昭和48年発売だからその頃には高性能短波ラジオの需要があり、最高傑作であるパナソニックのクーガ2200が発売された51年がピーク、最終形態といえるSONYのICF6800Aとか松下のB30が56年なのでその頃ブームは終焉したのだろう。
短波ラジオはもちろんそれ以前からあり、昭和30年代には8石トランジスタで電池は単三4本、中波と短波の2バンドという定番が成立しているようだ、祖父が農作業に使っていたのがこのタイプだった。6石で中波のみ電池は単三2本という定番ポケットラジオは長年続いた、世界中のメーカーが作り続けたはずである。
SONYの11(イレブン)シリーズというラジオがある、中波・短波・FMの3バンドでフィルムが動いて周波数表示、チューニングメーターも装備しスカイセンサー1100と名乗ってもおかしくない。このICF-110が昭和44年発売である。これで海外放送を聴いていた大先輩(といっても50歳代か?)もいるのだろう。
松下にはワールドボーイシリーズがあった。シリーズといっても当時の松下の高感度ラジオはすべてワールドボーイと命名されているのでたくさん機種がある。私の叔父が持っていたのはプラスチックケースがあり、その中に外付けタイマーとラジオが入っていた、ネットで検索するとRF858という機種らしいことがわかる。
あのラジオは今どこに行ったのだろう・・・・
この当時の高性能ラジオはタイマー機能がウリらしい、スカイセンサー5800やクーガ115までは受け継がれているが5900や2200には装備されていない。深夜放送を聴く時は大変便利だが残念。
ジーガム505編
高校生の頃は街に出ると必ず電気店に足を運んだ、ラジオ・ラジカセを見るためである。
このあたりの心情は宝石やブランド物バッグをながめている女性と大差ないであろう。
ある日、量販店の特売でジーガム505を見つけた、9800円だからかなりの値引きだ。
定価は2万円以上だから半額以下、今なら買える!!!結局、その日のうちに買った。
実は同じ値段でスカイセンサー6000も売っていたのだが性能的に上と思われるジーガムを選んだ。
三菱ジーガム505はただの3バンドラジオだと思えば高感度・高音質の優れモノだがBCLラジオとしては非常にアンバランスな製品である、そういえば三菱の車も昔のスタリオンのように商品として???なモノが多い。
この機種の特徴(5800や115と比較)
1、ダブルスーパーヘテロダイン方式、ライバルたちはシングルなので感度・選択度は理論的には高い
2、感度がつまみで調節できる
3、BFOもつまみで調節できる
4、短波が12MHzまでしか受信できない
5、上面にチューニングダイヤル、ボタン式のバンド切り替えなど操作性に難がある
そもそもBFOはアマチュア無線を聴く時に使うが、その周波数を十分カバーしていないのだ
またこのクラスなら感度はDXとLocalでも十分だと思う。
結局、兄弟機種の404をベースとして短期間に作ったのでこのような商品になったのだろう
404の方は操作性は良くないがデザインとコンセプトは505より一貫性がありワールドボーイ2000GXやSONYの5500に対抗しようとしたことが良くわかる、505がもし短波を2バンドにして22MHzまでカバーしていたら人気機種になれたかもしれない。
我が家ではクーガ2200は家宝として慎重に取り扱われてきたがジーガムは母親や妻が台所で使うラジオであった。
不人気であまり売れなかったジーガム505だがコレクターの間では垂涎の品らしい、レア物ということだろう。
ネットオークションでは数万円の値段がつくこともあるようだ。
それを知ってからは妻から奪い返してクーガ同様に家宝となった。台所にはホームセンターで買った中国製のラジオを置いているが特に不満は出ていない。
それから三菱のラジオはACアダプターが松下・東芝ともSONYとも型が違う、流用できないので不便である。
パナソニック R288編
クーガ2200と前後して入手した同じく松下のラジオである。
横16×縦8×厚み4cm程度の中波+短波4バンドでFMは受信できない。
自分で買った覚えがあるので家電量販店で1万円以下だったと思う
短波は3.9から15.5MHzまでをカバーするが合理的に放送バンド中心設計、つまり放送の無い周波数は省略されている。
今でも小型ラジオは中国製も含めてこのパターンが多い。
実はR288にはSONYのTR4400という元ネタがあってある意味パクリなのだ。
当時の松下はSONYのマネが多く、BCLラジオでも5500→クーガ7、5800→115、5900→2200と売れ線の商品にかぶせてくる。しかし松下のすごいところは性能も値段も元ネタの上を狙っていることである。
TR4400は国内のラジオ短波受信用だがR288はそれよりもはるかに高感度で小型ながらBCLラジオの領域にある。
この種のラジオは他メーカーも追随し、R288も色を変えながらロングセラーとなっていったらしい。
中波受信も含めて高性能だが小型のR288は親戚の家に泊りがけで行く時や家族が入院したときに役に立った。今でもほぼ完全に動作している、昭和時代のナショナル電気製品の耐久性は驚異的だ。
そういえば安っぽいビニールのカバーが付属していたが数年後にベタベタしてきたので捨ててしまった。