十月の未明の刻。 | 手のひらの温もり。

手のひらの温もり。

ささやかな喜びやスガマニなつぶやき…ちらほら…。

一番鶏が目覚めぬ内に
歓喜の狼煙をあげ
未明の空気を震わせながら
密やかな雨の中を行進しよう。


空気の冷たさに横隔膜が悲鳴をあげようが
右耳のノイズがのろまなルールを唱えようが
お構いなしにドアを開こう。


十月の雨は優しく
肩や足を濡らすだろうか…

口に含んだら
銀木犀の香りがするのだろうか…


雨粒になって木々を濡らすのは
どんな心持ちなのだろう…


やがて川に流れ着くのか
濾過されながら地中深く潜るのか…


思考の井戸の一滴になれるのか…



ぽったん ぽったん ぽたぽた ぽったん。