紅白を眺めながら、書き散らかし。
大学に退学届けを出したあの日、二十歳にも届かない“うら若き”私はエホバに祈った。「これから先の人生を全部あなたに捧げます」思えば、私の信仰のピークはあの瞬間だったかもしれない。生まれて初めて空を仰いで祈った。正しいことをしていると信じて、いや、信じたくて。理想よりはるかに大きな不安を懸命に胃の奥に押し込めた。私は私を手離した。7年前の年末。集会の途中から涙がとまらなくなった。全部真理なんかじゃなかったと気づいてから、伝道を辞め、割り当てを辞め、注解を辞め、最後にぎりぎり座るだけの集会も限界を迎えた。これ以上自分に嘘はつけない。アーメンと同時に外に出て、寒空の下自転車を漕いで、無理だ、もう辞める、全部辞めよう、辞めなきゃ、て気味の悪い呪文みたいに呟きながら家に帰った。そのまま母親に電話をかけて辞めると告げた。記憶からぶっ飛ぶくらいひどいことを言われた。不安は予想より小さくて、やっと地べたに足を着けた気がして安心すらした。あれからずっと私の足は地面についている。なんなら仕事に、子育てに、日々の営みに、地面に這いつくばって生きている。今年はあの衝撃的な事件から始まって、まさかまさかの展開で「宗教2世」が全国ニュースの言葉になった。あれだけショッキングで、センシティブでデリケートな問題てんこ盛りの事件から、こんな着地点にたどり着けたのは、裏でどんな人たちのどんな頑張りがあったのだろうと、分からないなりにも、本当にありがたく思った。運悪く宗教の家に生まれて、間抜けにも頑張ってしまって、間が悪くもひっそりと辞めてしまった人間の話なんて、誰にも分かってもらえないと思ってた。分かるも何も、“宗教2世”なんて、皆に認知される言葉をあてがってもらえるなんて思ってもみなかった。なんだかどうしようもなく中途半端に浮かんだままの、うら若き乙女の祈りとか、そこに至るまでのいつも不安とモヤモヤと我慢を抱えてた小さな私の気持ちをやっとこさ“成仏”させてあげらるかななんて。大袈裟でもなくて。本当にありがとうございました。最後に最近ドハマリしているMrs. GREEN APPLEの「僕のこと」我々脱JWにはたぶん歌詞が刺さりまくって困る。僕らは知っている奇跡は死んでいる努力も孤独も報われないことがあるだけどねそれでもね今日まで歩いてきた日々を人は呼ぶそれがね、軌跡だとああ なんて素敵な日だ幸せに悩める今日もボロボロになれている今日もああ 息をして足宛いている全て僕のことそれでは皆様今年一年大変お世話になりました。良いお年をお迎えください。