私は先週誕生日を迎え、42歳になった。


 ところで、読者の皆様は、自分を「中年」だと思っていますか。国立社会保障・人口問題研究所の出している、総務省統計局の「国勢調査報告」をもとにした「出生中位推計」によると、2025年の日本の平均年齢は48.9歳である。


つまり、私は日本では相対的な観点から、正真正銘の「若者」なのだ。今の日本では50代になってはじめて、晴れて「中年」を名乗れる、というわけである。自己の認識というものは、他者からの視点と主観的な視点を行ったり来たりして生成されるものだ。周りを見渡すと、まだ年下よりも年上の方が多い状況にある日本の40代女性が、「自分は婦人科医が一般的に言うところの『高齢女性』である。」と自認していなくとも仕方がない気がする。


 したがって、婦人科医は、このように発信すべきではないか。

「妊娠適齢期は、君たちが思っているよりだいぶ若く、バブちゃん期(20代、30代前半)である。若者(30代後半、40代)は急いで不妊治療へGO!」


39歳のくせに、「妊活を始めて半年間タイミングを取ってから、無理だったら、、、婦人科行くか。」と悠長にほざいていた過去の私のような馬鹿者が、全国各地から無くなることを願ってやまない。


 一方で、宿題で日本の神話について調べていた息子のパソコンを覗いていたら、ヤマトタケルノミコトは没年42歳であった。「この人、若くして死んだんだね。」というと、息子に「いや、この時代にしては長生きしたほうだよ。江戸時代でも日本人の平均寿命は40前後だったんだよ。」と言われたことも、併記しておく。