2013年にNHKスペシャルで放送された「神の数式〜この世はなにでできているのか」に登場した、知を連携していく「天才」物理学者たちの宿命に、どういう特色が見られるのかを検証するシリーズ4回目です。

 

出てくる物理学者の命式をあらかじめ調べて書き始めたわけでなく、その都度命式を出しているので、火と水が続くなあ・・・おお、ここで金性が出てくるんだ、などと、書いてる本人もいろいろと発見があります。

 

 

前々回に取り上げた南部洋一郎博士。

 

日干支は18番辛巳。

 

変革の金性ですが、今回いろんな記事を読んだところ、何度も「先見性」「予言者」という言葉が出てきました。

 

算命学で先見性といえば火性。

 

ただ、金→水と流れるため、金性には、「次に来る水の入れものになる役割があるので、人のために道を拓く」という意味があります。

 

 

 

また、火性は陽占には出てませんが、現実にひとつだけ、日支本元に丙:牽牛星が。

 

この自分を支える火が、南部博士の先見性の要になっていたのかも知れないと思ってみたり。

 

 

 

 

さて、前々回までに「神様の世界には重さがないのに、人間世界には重さが存在する、それはなぜ?」という問いに理論的解答を与えた南部洋一郎博士まで進みました。

(「神様の世界」というのは私が勝手に書いてるだけです)

 

 

 

今日は、1964年に理論が発表され、2010年に実際に実験開始、2012年にその存在が認められたヒッグス粒子について。

 

 

ヒッグス粒子については、キレイな絵を使って、わかりやすく説明してある記事があったので貼ります↓

 

 

NHKスペシャルでは、このヒッグス粒子についてこう説明してありました。

 

 

ヒッグス粒子=ある都合のいい粒子。

それを持ち込めば、数式の美しさを保ったまま、素粒子に重さをもたせることができる。

 

 

スティーブン・ワインバーグは、それまでの物理学者がけして踏み出さなかった、いわば「禁断の領域」へと足を踏み入れる。

 

それは、この世には存在しない都合のいい粒子(ヒッグス粒子)を、理論に持ち込むこと。

それがどんな時でも、なにもない真空をびっしりと埋め尽くしていて、しかもそれが宇宙全体に広がっているという考え。

これが、自発的に対称性を破る

それは、最初は空間にほとんど存在しないにも関わらず、その後勝手に空間を埋め尽くす。

 

最初に完璧な美しさを保っていた世界が、勝手にその美しさを失うという、南部博士の考えを応用したもの。

 

 

つまり、ヒッグス粒子理論と、南部博士の自発的対称性の破れを取り入れて確立されたのが、「ワインバーグ=サラム理論」という理解でいいのでしょうか。

 

ワインバーグ博士はこの理論で1979年にノーベル賞を受賞。

 

 

 

 

まずは、この「禁断の領域」に踏み込むアイデアを、最初にもたらしたピータ・ヒッグス。

 

そしてヒッグス粒子理論と南部博士のアイデアを取り込んで、ヒッグス粒子の発見への道筋をつけたワインバーグ。

 

 

 

今日はこの2人の命式を出してみます。

 

 

 

 

 

ここで人間世界の象徴、木性が再び現れます。

 

以前取り上げた朝永振一郎も日座。

新しい概念を取り入れて、道筋を示しました。

 

 

11番甲戌、日座天中殺。

 

日座には「天意の精神部分を強く現実世界にインプットして変化させる働き」

 

があります。

 

朝永振一郎と同様、入力(玉堂星龍高星)なし。

ダブル天胡星。

自我は日干以外ゼロ。

 

そして、2つの干合がありますね。

 

干合に加えて入力もなしで、先入観なく、降りてきた天啓に抵抗するものをいっさい持たずに生まれてきたと言えるのではないでしょうか。

 

心と外側(人間世界)を一致させようとする律音があります。

ここに散法は必要なかったのかもしれません。

 

 

「それまで、誰もやらなかった”禁断の領域”に一歩踏み出すアイデアをもたらした人」。

 

 

やはり日座らしく、「次への準備」が役割と言えそうです。

 

 

 

 

そしてこのヒッグス理論を実現へと導いたスティーブン・ワインバーグ。

 

 

 

 

これもこのシリーズでは初の、土性。

 

戌亥天中殺は、上がった次元の時間(人間世界)と空間(神の世界)を、ズレがなく、自然に混ぜていく役割。

 

位相法も、辰酉支合と巳酉半会の合法のみ。

 

たぶんあるだろうな、と思った異種・異次元融合の「半会」がちゃんとありました。

 

 

月年の辰酉支合は精神支合ですが、思いつきやひらめきではありません。

 

そのキャリアなりに作られた、確かな「今」と「状況」を一致させようとする作用です。

 

周りの意見や常識に左右されず、自分が確信したことをそのまま現実に反映させる結合。

現実を乗り越える力を持ちます。

 

 

 

そして、巳酉の日年半会。

 

現実半会と呼ばれ、土性を含み、しっかりした融合を起こして現実に根付かせる作用をもたらします。

 

 

ここに、もはや干合はなく、安定性のある土性がこの半会によって、それまで積み上げられてきた理論を統合し、そこから新しく生まれたものを人間の現実に定着させていく仕組み。

 

 

 

ずっと続いてきた精神の火と水、木性(日座)が新たな方向性を示し、流れを変えてくる金性、そこに干合がもたらす天との連携。

 

再び人間時間の象徴、木性の日座に引き継がれ、地上の土性へ。

 

 

完璧ですばらしい流れになっていると思います。