<第三章 プレゼンテーション 4>
マナナ化粧品の加藤課長が続けた。「鈴木さんは、ターゲットよりも若いけど、ターゲット予備軍として是非、香りのモニター評価に参加してください。マナナ化粧品の企画開発部門にも鈴木さんのような関係者をぐいぐい引っ張っていくアクティブなエネルギーが必要だ。
スマート電気の中村課長は、「加藤課長、あまり鈴木を持ちあげないでくださいよ。そうでなくてもアクティブすぎるんですから」と言った。
会議室は、新製品のキャンペーンの打合せとは思えない和やかな空気に包まれた。
打合せが終了して、由美子と誠は、いつものピザ店にいた。
「ねえ、誠、柔軟剤の香りって、どんな香りが良いと思う、大きく分けて女性と男性では好みが違うと思うし、女性が女性自身の衣類に使う香りでも、その香りを感じる相手が女性なのか、男性なのかによって違うと思うんだ。『ウェーブウォッシュ』は、新婚世帯向けの結婚準備商品というコンセプトだから、ご主人の服と、奥さんの服は一緒に洗うでしょう?誰にでも心地よい香りって難しいと思うのよ。」
佐藤は応えた。「そうだねぇ~女性から香ると良い香りでも、男性から香ると変な感じがしたり、その逆もあるかもしれないね。だとすると、ユニセックスな香りにするというか、洗いたての衣類から感じる爽やかな香りが求められるわけだね。」
由美子は、「私、高校生の頃、男子から『鈴木は石鹸の香りがするな』と言われた時があったの、その時、あまり仲の良くない女子が聞いていて、『由美子の家は、すすぎが足らないんじゃない?』って嫌みを言われたことがある。洗いたての香りといってもあまり強すぎると、好き嫌いが別れてしまうと思うんだ。弱い香りが長続きする。一日持つことの方が大切で、どのような香りにするかは、二の次だと思うんだ。」
佐藤は応えた。「なるほど、それは、良いことに気が付いたね。次の打合せの時に、吉田さんに相談してみよう!」
由美子は思った、誠といると、問いやアイデアがドンドン湧いてくる。誠は聞いてくれているだけなのになぜだろうと・・・