大朝日岳ワインは酒井のまぜこぜ | パクチー&ワイン

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大朝日岳ワインは酒井のまぜこぜ

コロナ時代の登山ツアー 

ツアー会社も色々対策を講じている。


参加者全員にマウスシールドが配布された。

小屋や移動中はマスク着用

参加者募集人数を従来の6割程度に絞り

移動のジャンボタクシーではひと席置きに座る

参加者には1.5メートルのソーシャルディスタンスをとってもらい

ツアーガイドさんが、参加者の手にこまめに消毒液のスプレーをかける。

対策はほぼ完璧。

しかし、採算が...笑

今回は2名キャンセルがでたとのことで実質赤字とのこと。

コロナ時代の登山ツアー、まあ値上げだろうなあ。


さて大朝日岳登山ツアー1日目

通称松茸雪渓とも呼ばれている雪渓の矢印方向に大朝日岳山頂がある。

このあたりまではまずまずの天候であったが、その後大雨に。

ザックカバーを忘れた当方のザックだけが雨に濡れてすっかり心が折れてしまった。

ガイドさんが、小屋に白ワイン荷揚げしておいたよと励ましの言葉をくれた。

参加者から歓声があがったが...

...赤ワイン持ってきてるんだよな...

雨でずぶ濡れになって、小屋についても乾燥室もないんだよなと憂鬱だったが、ガイドさんが濡れたザックを置くビニールシートを敷いてくれたり、着替えの時間をとってくれたり...有難かった。

さらにラッキーなことに、この日大朝日岳避難小屋に宿泊したのは我々のみで貸切状態。

寝る場所も十二分にソーシャルディスタンスがとれ、濡れた衣類を乾す場所も確保できホッとした。


参加者のある人に、このクラスのザックなら普通ザックカバーは備えてあるはずといわれ、背もたれの裏にあるポーチ部分を探してみたら、ザックカバーが入っていた...

チャンチャン


さて夕食の段になり、ワイングラスは1個しかない。

最終的にはこのグラスで赤ワインを飲まねばならない。

ガイドさんが荷揚げしてくれた白ワインにありつくためには

...時間差攻撃だな。

アペリティフとして白ワインを頂くという作戦。

このサントリーの白ワインはフルーティなアロマに残糖を残した作り。

アペリティフとしてはピッタリだった。



juransonsecと同じように山に赤ワインを持ってきたいという人がいた。

ブラディパスという、ワインも入れられるブラスチックボトルあるんだなあ...

赤系アロマ主体でほのかにキャンディ香。残糖あり、収斂性は控えめのミディアムボディ。

多分マスカットベーリーAを使った日本ワインだろう。

日本のワインですか? と伺うとそうだとのことであった。



さて、コーヒー缶に詰め込んできた



酒井ワイナリーのまぜこぜワイン。




赤ワイン持ってこられた方に試飲してもらったら、全然違うと。

その多様性がワインの醍醐味とも言える。

厚切りベーコンの缶詰とのベアリング。

山の上の赤ワインのアテとしては良質。

山ワイン、樽香の強いワインだと、開栓し時間がたつと、ケミカルな酸化香がでて美味しくない。

良質の葡萄から作られた出来るだけナチュラルな作りのワインがよい。

また、デリケートなワインでは、登山中にワインがゆれ香か出ない可能性がある。

酒井ワイナリーのまぜこぜワインはいずれの条件も満たしている。

前回、究極の牛タンワインかもと書いたが、登山ワインとしても良い。

ガイドのYさん、酒井ワイナリーの名前はご存知で、あ赤湯のと反応されていた。



酒井ワイナリーは山形のワイナリー。

大朝日岳避難小屋で飲むワインとしてはベストかもしれない。


早めの夕食を終えて外にでると雨はあがっていた

大朝日岳避難小屋への道は両脇に高山植物が咲いていて花道になっている。

大雨の中小屋に逃げ込んだ時には味わう余裕はなかったが実に素敵な光景である。


小朝日岳からは虹が


車ユリのオレンジ色が鮮やか



夕日に輝く山の空気感。

大雨での山行は辛かったがやはり山に来て良かったなと思った。


そして翌日は雲海からご来光


輝く雲海の彼方に月山と鳥海山がみえ


朝日岳の影がうつる影朝日岳まで見ることができた。


翌日は大朝日岳を背に帰路につく。

還暦を過ぎ家族の要請もあり、これまで続けてきた単独行はやめ、初めてツアーの登山に参加した。


ガイドさんから、山や高山植物について色々教えて頂き、

また危険回避の注意を頂いて安心感のある山行きだった。

避難小屋や下山後の手配も至れり尽せり。

単独行の登山とはまた別の楽しみがあるなとおもった。

今回は以前にも増してスタミナがなかった。

鳥原山避難小屋を過ぎ、最後の下るだけになる頃から太腿の力なくなり抑えがきかなくなっていた。

帰ってみると、膝サポーターをしていたところに水疱が出来ていた。

体力のみならず、肌の方も老化したのか...


今後ご覧の飯豊山に登るなんて無理

体力的には登山も単独行ではなくツアー登山でサポートを受けて行うべき段階になっているのだろう。

人は人生の最終段階において、介護や老健施設のお世話になり、集団生活の中で一生を終えて行く。

ツアー登山参加は、来るべき将来の集団生活に備える意味もあるのかな、とふと思った。


さて、帰路のジャンボタクシーの中から家族に冷やしておくワインの指令を出しておいた。

アンリジロー エスプリ ナチュール シャンパーニュ

登山帰宅乾杯ワインは、お気軽ガブ飲み的ワインが良さそうで、シャンパーニュはちょっと堅苦しいかなと思ったが、

当家のお中元ワインの味見の意味合いもありコチラのワインを選択、


アンリジロー なにやらアンフォラ的醸造でシャンパーニュを作り始めたらしく、

これ、自然派ワイン的軽やかさがあり、登山帰宅乾杯ワインとして申し分なかった。

家族と一緒に乾杯できたのも、ツアーがそれほど遅れなかったから、

ガイドのYさんSさんに改めて感謝しながらアンリジロー エスプリ ナチュールを飲んだのであった。