先日、社会学者宮台先生の映画評論をyoutubeで聞いているとなにやら「母なる証明」という韓国映画作品を絶賛していた。 http://www.bitters.co.jp/hahanaru/
宮台先生がいうには、韓国の人口は日本の半分なので、国内市場だけではまわせない。韓国の人口は約4800万人、日本は1億2800万人と大きく差がある。「韓国は、世界に通用するレベルを前提として映画を作る、日本は国内市場で収益が取れるので、国内レベルの作品になる」と日韓の映画業界の現状を語っていた。
私はふと思った。韓国映画を見たことがないな・・・と。そんなにおもしろいなら見てみたいと思い、下調べしてたら、おもしろかったので少し書いてみる。
近年、日本で映画産業衰退論などをよく耳にする。去年はアバターやアリスインワンダーランドなど3D作品の上映もあり、映画館の動員数はアッ
プした。ヒット作に恵まれただけだ、という厳しい声もあるが、映画に注目が集まるだけ嬉しいニュースだと思う。
それでも日本映画産業自体は衰退している。それは、質だったり、いろいろな要因が関係している。韓国では国が支援する仕組みがあり日本とは異なった映画産業にかける思いがあるようだ。
韓国映画振興委員会の「韓国映画観客性向変化分析資料」によると、映画館観覧率が、1999年62.6%から、2008年には91.5%と大幅に増加したという。
好成績に見える一方で赤字化も進んでいる。どういうことかというと、巨額の製作費が投入された映画が、コケているらしい。逆に、製作コストを低く抑えた映画が、大ヒットしたりするなど金をかければ売れるという方程式が成り立ちにくくなっている。
そもそも、なぜ低コストで良質な作品を作ることができるのか。それは生み出される背景に、インターネットの活用があるといわれている。有名な話だが、韓国のインターネット普及率は、2008年75.8%と日本の75.2%とさほど変わらないのだが、高速インターネットのブロードバンドの普及率は、2008年31.8%と、日本の23.6%に大きく差を付けている。(参考 world date bank 2010.7.17 ITU)
昔、「着信アリfinal」で、インターネットを活用して、サーバーを落とすというシーンがあったが、やはり韓国はIT先進国といえるのかもしれない。そのような環境のなかでネット上で脚本や構成、企画を示し、個人投資家からお金を集めて作成する仕組みが存在するという。最近は不況でなかなか出資が難しくなってきている。
「母なる証明」もそうだが、韓国映画は社会問題を描写したり、多様性映画が増加している。
興味深いことに、大手マルチプレックスチェーンが、多様性映画の普及を見込んで、それぞれの消費者のニーズに合わせ、専門的映画館を増やす取り組みをおこなっている。
日本では、日増しにその数が減少傾向にあるミニシアターだが、韓国では増加しているということは羨ましい限りである。
また、韓国映画界の特徴にスクリーンクォーター制があげられる。簡単にいえば、自国の映画を上映する際、スクリーン数や上映回数など最低基準を設け、国内の映画館に義務付けることをさす。国内映画の衰退を防ぐ働きを果たしている。
日本では、撤廃された制度だが、韓国やスペインなど多くの国では、今でも存在する。日本でも再び導入するべきだろうか。私は、導入すべきでないと考える。日本映画は大好きだが、「インセプション」のような衝撃を味わうことができる映画の上映が制限されるのは、少し寂しいので。なにより、映画という芸術が、世界共通で受け入れられるようになるには、どこの国の映画でも、気軽に見れる環境をつくることが大切だ。
まずは韓国映画見ることにしよう。良いか悪いかは別にして、いろんな国の映画に触れてみたい。つべこべいうのかそこからだ。